中国高速鉄道の事故

小黒健二

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テーマ:ニュース雑感

以前から安全管理システムや複数の異なる技術導入による車両や地上設備の不統一(カナダ、ドイツ、フランス、日本の鉄道技術の合体)が、安全運行への懸念材料として指摘されていた中国の高速鉄道。
中国国内でも中国鉄道省の元幹部が中国紙に対し、「安全よりも(営業速度など)『世界一』を優先させた設定だった」と発言して波紋が広がっている中での事故でした。
国の威信を賭け、無理な事業計画が進行していたようで、そういう意味からも「人災」の面が強い事故なのかもしれません。

どうやら、「国の威信」を賭けて取り組む事業は政治的、官僚的な思惑、都合の方が優先されるようで、安全管理や運営面、現場からの技術的意見や客観的評価が反映され難いようです。
それは、福島第一原発の事故においても同じように指摘され得る事だと思います。
日本の原子力安全委員会の設置に関する情報操作の報道などにも、原発への参入が、当時の国の方針に沿った恣意的な国家事業であったことが垣間見えます。

他人の欠点は客観的に判断することができますが、自分の欠点はなかなか自覚することができません。
経済的発展や国家威信を優先するあまりに、バランスを欠いた現実が動き始めると、場合によっては、その尻拭いに、返って多額の損失を被ってしまうということも、教訓としておくべきでしょう。

「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/

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