足の痛みと履きたいデザインの狭間に揺れる女性の気持ち・・・
知り合いの看護師さんに当相談室を紹介してもらって来たという御婦人。
「実は私の姉に歩きやすい靴を履かせたいと思っているんですが・・・」との事。
「それでしたら、まず足の状態を調べて、その方の足が安定する靴を提案しますので、ぜひご本人をお連れ下さい。」と私。
今日、その御婦人がお姉さんといっしょにご来店されました。
シルバーカーを押してゆっくりと入ってきた御婦人のお姉様。
柔らかな面マジックで足を覆うタイプの「軽量」がうたい文句の高齢者用の靴を履いています。
足首に浮腫みがあるその御婦人は、立っているのも辛そうです。
「足が痛いとか、膝が痛いとかの問題はありませんか?」と質問すると、
「いいえ、特に痛いところはありません。」とのこと。
そして、「暑いのでサンダルが欲しいのですが・・・」とポツリと仰いました。
「今、お履きの靴は、靴の格好をしたスリッパのような履物ですので、足元が安定しませんよ。足元が安定するような靴を履けば、今よりも楽に歩けると思いますよ。」と私。
そこで、靴底のがっちりとしたカウンター付きのウォーキングサンダルを履いて歩いていただくことにしました。
すると、ウソのような光景が展開したのです。
なんと、さっきまでよろよろと歩いていた御婦人が、スタスタと歩き始めたのです。
これには、私も同伴してきた妹さんもビックリ!
「思ったよりも軽いわね」と当の御婦人はケロっとしています。
「お姉さん、しっかりと歩いてるじゃない。凄いわ!」と妹さん。
私もここまでしっかり歩くとは思っていなかったので、「なんだか思った以上の効果がでましたね。」と言うのがやっとでした。
「ちょっと階段を昇ってみようかしら。」と言い出すお姉様。
これはさすがに危険を伴いますので、手を取って介助しましたが、一応昇ることができました。しかし、さすがに降りる方は、脇を抱きかかえて体を支えてあげないと出来ませんでした。
帰りがけのお姉さん。
「手押し車は、あんたが押してきて。」と妹さんに一言。自分一人で歩いて帰ろうとしています。
「凄いわねえ、驚いたわねえ。」と言う妹さん。
私も驚いてしまいました。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/