安全靴で外反母趾や内反小指になる?
当相談室で調整加工をした健康靴を履いて頂いているご婦人からご連絡を頂戴しました。
「最近、また足の調子が悪くなってきたので、お宅で作った靴が合っているかどうか見て欲しいのですが・・・」という内容です。
ご予約の時間になり、入って来るご婦人の姿を見て、これはちょっと大変だなと思いました。
杖をつき、膝を曲げ、腰を屈めて歩く姿からは、痛みを懸命にこらえている様子がひしひしと伝わってきます。
このご婦人は、リウマチによる足関節の痛みを訴えられ、10ヶ月程前に初めてご来店頂いた方です。
お話を伺うと、ここ1、2週間のうちに急激に右膝の痛みが激しくなり、膝を伸ばす事ができず、椅子に座ってしまうと、膝を庇いながらゆっくりと時間を掛けなければ、激しい痛みのために立ち上がることすらできない状態なのだそうです。
足を見ると両足ともに足の甲の浮腫みがひどく、靴が窮屈になっています。右膝を庇って荷重を左に掛けたせいで、元々悪かった左足首の内側への捩れが一段と激しくなっています。
「インソールを今の状態に合わせて再調整してもらえないかしら?」とのご婦人のお申し入れに、暫し考え込んでしまいました。
「すみません。インソールは再調整できますが、浮腫みが激しい今の足の状態や左足首の状態を拝見すると、今お使いの靴では満足に足を支え、サポートすることができません。これから夏に向かうのに、どうして?と思うでしょうが、容積が大きなアンクルブーツ(足首まで覆う丈のあるブーツ)に変えて、再調整したインソールと組み合わせて、足首をしっかり支えるようにすれば、かなり楽になると思うのですが・・・」と提案しました。
「そう・・・・・。」ご本人には葛藤があったと思います。
そらから暫くの時間は、リウマチを発症した当時の病院での治療の話や現在に至る治療の経過、リウマチによる痛みや症状の変動などについて、いろいろなお話を伺いました。
「じゃあいいわ。その靴を履いてみましょう・・・。」ようやく意を決した言葉を頂きました。
3,40分程でインソールの再調整をして、いよいよアンクルブーツを履いていただきました。
「あら、思ったよりも軽いわね。確かに足首が楽だし、立ち易いかもね。膝はまだ痛いけど・・・。」とのご感想をいただきました。
リウマチによる関節の痛みは、ご本人にしか分からない辛いものだと想像します。
リウマチ反応の強弱によって、日々変わる痛みの度合い。強い痛みが続いたかと思うと、スーッと痛みが引く日があったりと、お話を聞けば聞く程、過酷な病状が伝わってきます。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/