前略 墓の中から 第3章 風にのってる? その3

大橋理宏

大橋理宏

テーマ:故人の気持ちになってみた

「うをー・・・・・・・・」

降神の儀(こうじんのぎ)が行われ降神詞のあとまりれサイレンのような声と神官さんが発すると

「あれーーーー。お墓のほうに引き寄せられていく、どういうこと?」

マサオは祭壇の≪よりしろ≫(祭壇の中心にある建ててあるお榊)に吸い寄せられていく。

「お墓の前までは来たけどどういうこと?やっぱりお骨には戻れないのね」

マサオの1年祭ということで家族が墓前祭を催してくれたのだ。久々に見る家族の顔に笑顔が戻っていて何より安心した。
「このまま儀式続いちゃうと聞くチャンスなくなっちゃうな、今の状態。誰か神官さんに聞いてくれないかな?」


「撤饌(てっせん)」
「これよりよりしろにおいでいただいたマサオ様の霊にお戻りいただきます。皆様頭をおさげください」

墓前祭も滞りなくすすみよりしろから離れなければならない。

「お戻りいただきますって、どこにもどるのかな?きになるな~」

そうこうしているまにまた神官さんが「詞」を小さな声で奏上していたかとおもうとまた先ほどのサイレンのような声をあげはじめた。

「うをーーーーーー」

「あ、ちょっとまって~ききたいことがぁ~」

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大橋理宏
専門家

大橋理宏(石工技能士)

株式会社大橋石材店

神奈川・横須賀でお墓コンサルタントとして活動。「終活」全般の悩みを的確に答え、相談できる先など悩みを解決。お墓に関する悩みは特に実績があります。生前予約の墓じまい「お墓のみとり@」を主宰

大橋理宏プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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