神と佛。
マサオはまさに「千の風に・・」と同じ状況なのだった。
常にお墓の外にいる感覚なのである。
ちょっと違うのはお墓の前で泣いている人がいない。そこが悔しくもあったりした。
ところで、代々この地で育ち、このお墓に皆が安置されているので、生前、誰かに詳しいことを聞くこともなく、お骨はこのお墓に入るんだという当たり前のことしか知らなかった。
マサオが暮らしたこのエリアは比較的地域的には神道墓が多く、いつか近所の誰かがなんくなり納骨されるときに、今の自分が置かれている現象がわかるかもしれない。
自分だけなのか、お骨と一体には戻れないのかなどなど。
時はしばらくたち、チャンスが訪れた。
「かけまくもかしこき いざなぎのおほかみ・・・」
祝詞が聞こえてくる・・・