女性のサンタクロースがやってきた!
LGBTQ+とダイバーシティの視点から考える経営の未来
令和8年2月17日、岡山県で開催された
「令和7年度 公正採用選考人権啓発経営者研修会」に登壇させていただきました。
岡山労働局、岡山県、岡山市をはじめとする関係機関が主催・後援する研修で、
公正な採用選考の実現と人権尊重について、
企業経営者や人事担当者の理解を深めることを目的として開催されています。
当日は岡山県内から、なんと663名の方にご参加いただきました。
昨年度より150名以上参加者が増えていると伺い、
今回のテーマへの関心の高まりを強く感じました。
また、私自身、学校関係での講演を除く一般公募型の登壇としては、
これまでで最も参加人数の多い講演となり、印象に残る時間となりました。
公正な採用選考の基本
採用は企業にとっての入り口であり、同時に社会にとっても大切な機会です。
厚生労働省は、採用選考において
・応募者の基本的人権を尊重すること
・適性と能力に基づいて判断すること
を基本原則としています。
本籍や家族構成、思想信条など、本人の能力と関係のない事項を把握することは、
就職差別につながるおそれがあります。
「何を聞くか」だけでなく、
「何を聞かないか」も、公正な採用の大切な視点です。
今回の講演では、この公正採用の考え方を土台に、
多様性が力になる職場へ LGBTQ+とダイバーシティの視点から考える経営の未来
というテーマでお話ししました。
多様な人材が活躍できる職場が企業を強くする
社会の中で、人のあり方はますます多様になっています。
性別、年齢、価値観、働き方。
そして、性的指向や性自認もそのひとつです。
LGBTQ+の基礎知識として、性的指向や性自認の考え方、
日本における性的少数者の割合についてお伝えしました。
調査によって差はありますが、日本ではおよそ3%〜10%程度といわれています。
つまり、どの職場にも当事者がいる可能性を前提に考える必要があります。
また、海外の制度の動きや、
日本各地で広がっているパートナーシップ制度の導入状況にも触れ、
社会全体が多様性を前提とした方向へ変わりつつあることを、お伝えしました。
ライフステージの中で生じる見えにくい壁
性的マイノリティの方々は、
人生のさまざまな場面で見えにくい困難に直面することがあります。
- 就職活動での不安
- 職場でカミングアウトできない悩み
- 福利厚生制度の対象外となるケース
- 医療・介護・住宅など生活面での制約
制度や慣習が想定している「普通」が、
知らず知らずのうちに生きづらさにつながることがあります。
だからこそ、まずは現状を知ることが大切だと考えています。
LGBTQ対応は特別なことではない
近年は法令や指針も整備され、
- 同性間のハラスメントも対象になること
- SOGIハラスメントの防止
- アウティングの禁止
- 採用時に性的マイノリティを排除しないこと
などが明確に示されています。
LGBTQへの配慮は特別な対応ではなく、
誰もが安心して働ける職場をつくるための取り組みです。
無意識の思い込みに気づくことから始まる
研修では、アンコンシャス・バイアスについてもお話ししました。
人は無意識のうちに
- 男だからこうあるべき
- 女性なのに管理職なんてすごい
- 普通は結婚するもの
- 年上の部下は扱いにくい
といった思い込みを持ってしまいます。
悪意がなくても、それが誰かの働きづらさにつながることがあります。
違いをなくすのではなく、
理解し、尊重し、活かしていくこと。
その姿勢が、組織の力になると感じています。
ダイバーシティ経営は未来への投資
多様性を受け入れる組織は、新しい視点を生み、変化に強くなります。
大切なのは
区分したり、過度な配慮をすることではなく、
だれもがそれぞれの個性を生かしながら
活躍できることを目指すことだと思っています。
心理的安全性がある職場では、人は安心して力を発揮できます。
人権への理解とダイバーシティの視点は、これからの経営に欠かせないものだと感じています。
最後に
今回の研修では、主催者の方々を含めると700名弱の皆さまとご一緒する機会となり、
岡山県内の多くの経営者・人事労務担当者の皆さまが真剣に耳を傾けてくださったことを、
とてもありがたく感じています。
終了後には「とてもわかりやすかった」といった感想も複数いただき、
これまであまり馴染みのなかったテーマについても、
理解を深めていただくきっかけになったのではないかと感じました。
公正な採用選考と多様性への理解は、社会的責任であると同時に、未来への力でもあります。
これからも、誰もが安心して働ける社会に向けて、現場から発信を続けていきたいと思います。



