「おにぎり2個」は、重い? 軽い?
7月25日付の新聞(北陸中日新聞)に、金沢市の金石海岸で準絶滅危惧種に分類されている
「ハマボウフウ」が自生しているのを発見した、という記事が載っていた。
「ハマボウフウ」の写真
写真中央が発見者の針木敏行氏 (北陸中日新聞より)
江戸時代には、当時の前田家藩主が正室、側室、家臣達を伴い、金石(当時の宮越)の海岸に
咲き乱れる「ハマボウフウ」を見るがために、散策と舟遊びに興じたという記録もある。
「ハマボウフウ」はセリ科の一種で、日本では北海道から沖縄南西諸島までの砂丘地に
分布する海岸性の多年草で約半世紀前までは、全国各地の海岸で見られた。
しかし、護岸工事等による海浜の浸食で近年は著しく減少している。
また、食用薬用として採取され、特に糖尿病に効果がある等の様々な俗説が流れ
乱獲に拍車をかけてしまったことも一因と言われている。
食用としては、酢味噌和え、てんぷら、生食(特に刺身のつま)として庶民に好まれ
最近ではその味を懐かしみ、家庭菜園で栽培するケースも出始めているとか。
2016年3月に金沢市が策定した「金沢版生物多様性戦略」の中では、「ハマボウフウ」を
含む「ハマグルマ ― ハマゴウ群集」の自生面積は、金沢市の海岸ではわずか1.5haのみと
報告されており、まさに絶滅寸前の状態である。
現在の金石海岸の様子
金石に一時住んだこともある室生犀星 この原風景は犀星文学の原点ともいえる
この大きな発見は、「地域の宝として、次の世代につなげるためにも大切に守り続けたい」と
発見された針木さんが述べているように、筆者も切にそう思うばかりである。
犀星がこよなく愛した、あの金石海岸へと蘇るためにも・・・