マイベストプロ石川
山根敏秀

企業の資金繰りや黒字化経営に精通する税務のプロ

山根敏秀(やまねとしひで) / 税理士

税理士法人マネジメント/グランドリーム

コラム

北原白秋 「待ちぼうけ」より

2013年10月20日 公開 / 2021年3月2日更新

テーマ:つれづれ

コラムカテゴリ:ビジネス

 待ちぼうけ、待ちぼうけ。
  ある日、せっせこ、野良かせぎ、
  そこへ兎が飛んで出て、
  ころり、ころげた
  木のねっこ。

 待ちぼうけ、待ちぼうけ。
  しめた。これから寝て待たうか。
  待てば獲(え)ものは駆けて来る。
  兎ぶつかれ、
  木のねっこ。

 待ちぼうけ、待ちぼうけ。
  昨日鍬とり、畑(はた)仕事、
  今日は頬づゑ、日向ぼこ、
  うまい伐り株、
  木のねっこ。

 待ちぼうけ、待ちぼうけ。
  今日は今日はで待ちぼうけ、
  明日は明日はで森のそと、
  兎待ち待ち、
  木のねっこ。

 待ちぼうけ、待ちぼうけ。
  もとは涼しい黍畑、
  いまは荒野(あれの)の箒草(ほうきぐさ)*、
  寒い北風、
  木のねっこ。


これは北原白秋の詞です。
白秋は詞の終わりに、「これは満洲の伝説です。満洲の教育会用童謡として作つたものです」と注を入れています。



この伝説に似た話は中国の古典『韓非子』の中にもあります。
「聖人とは、昔にとらわれ、一定不変の基準に固執する者ではない。
聖人とは、現在を問題とし、その解決をはかる者をいうのである。
宋の国である男が畑を耕していた。
そこへウサギがとびだし、畑の中の切株にぶつかり、首を折って死んだ。
それからというもの、彼は畑仕事はやめにして、毎日切株を見張っていた。
もう一度ウサギを手にいれようと思ったのだ。
しかしウサギはそれきり。
彼は国中の笑い者になったという。
昔の聖人のやり方のまねで、現在の政治ができると思っている者は、
この切株を見張った男の同類である。」(『韓非子』五蠹篇より)
(この文章は「まぼろしチャンネル」を参考に記述させていただきました。)

私が幼い頃、この歌を何気無く口ずさんだ記憶があります。
そして、数年前に久しぶりにこの歌を耳にしたのが
自己啓発の速聴ノウハウ本のおまけについていたCDでした。

約30年の時を経て聞いたこの歌は
私自身がこの歌の主人公に成り下がっているのではないかと
戒められたことを思い出します。

童謡を聞いて動揺する・・・。

そんなおやじギャグを言っている様じゃ
まだまだこの歌の主人公とは五十歩百歩なのでしょうね。

この記事を書いたプロ

山根敏秀

企業の資金繰りや黒字化経営に精通する税務のプロ

山根敏秀(税理士法人マネジメント/グランドリーム)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ石川
  3. 石川のビジネス
  4. 石川の税務会計・財務
  5. 山根敏秀
  6. コラム一覧
  7. 北原白秋 「待ちぼうけ」より

© My Best Pro