喪失と悲しみの心理 1

椎結子

椎結子

テーマ:こころ

東日本大震災の報道に接しながら

日本全体が喪失感と悲しみに包まれているように感じます。


けれども、その中から

希望の灯があちこちで、ポツリポツリと点灯され

その火がどんどん広がっていく温かさも感じます。


各々の方の持つ、意味あるものが失われた時

人は喪失の痛みを感じます。

そしてそのことにより、一連の心理反応を辿り

その痛みから回復していく過程をたどります。


すなわち、喪失感が心的ストレスとなって起こる

『急性の情緒危機と、持続的な悲嘆の心理過程』です。


J.ボウルビィ(イギリス精神分析学者)によれば

『悲哀とは、対象喪失によって起こってくる一連の心理過程をいい、

悲嘆とは、悲哀の心理過程で経験される落胆や絶望の情緒体験のことをいいます』


この心理過程は、通常では1年~1年半位といわれます。

その間に、人は失った対象に対して一定の思いの過程を経て

その喪失対象との関わりを整理し、

現実のものと認識できるようになることで

喪失に対して適応していくことになります。


そのためには、そこまでの過程おいて

しっかりと喪失感との和解の作業が必要になります。



『喪失感 (2010-06-28)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/10764


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