便利さのなかで失うもの 2
先日、松沢哲郎霊長類研究所所長のセミナーの内容について書かれたものを読んでいると
二本足で立ったことで、手が使えるようになったのではく
仰向けになったことで手が自由になったというような内容のことが書いてありました。
その時にふとある幼児のことを思い出しました。
幼い子どもに手を差し伸べると、だいたいの子どもは手を出して抱っこされようとします。
その子どもは、手を出しませんでした。
変わろうとするとき、与えてもらうだけの場合
その間は変われた気がして
うまく物事が運び、そのその状態がずっと続くような気がするかもしれません。
けれどもその供給がなくなる、あるいは蓄えが尽きると
また、もとの状態になってしまうこともあります。
必要なものに気づき、
自ら手を伸ばして変わろうと思わなければ、変われないのだと思います。
先の子どもは、ずっと気になっていた子どもだったのですが・・・
手を差し伸べてもらう経験
求めて手を伸ばし、そしてその手を受け止めて貰える経験
この両方が無ければ、手を伸ばすことを学べないのかもしれないと思いました。
人は人とのかかわりの中で育ち、変わります。
手を伸ばして求めるということを身につけることは、必要で大切だと思います。
あの子は今は、手が伸ばせるようになっているでしょうか。