わたしはここにいる。
先日、子どもの頃を過ごしたいなかみちを、のんびり歩きました。
田んぼは区画整理されたものの、家々の配置は変わることなく
ひばりが囀る春の日は、穏やかでした。
近所のともだちと田んぼやあぜ道を駆け回り
れんげ畑にあそび
つくしを摘み
山にあそび
川に遊び
観音さまのお堂に出かけ
半鐘小屋に集まって火の用心をまわり・・・
用水掘に高い柵がなくても、誰も落ちませんでした。
「危ない」と言ってくれる人の目がありました。
何もなかったと思っていたころが、なんて豊かな時間だったのだろうと
今、わかります。
子どもの数が減り、安全の問題もあり いなかの野山に子どもの姿はありません。
危険を排除した、時間も場所も管理された中でしか遊べなくなってきているのですね。
子ども時代の遊びは、成長していくための学びの場。
自分と違う誰かとの出会いの中で、感情を行き交わせ、
協力して何かをする体験を重ねていきます。
そのなかで創造力を働かせ、積極性を育みながら
また違う、人と人の間へ入って行けるようになります。
人は一人では成長していけません。
自分と違う他者の存在を知り、
様々な価値観を真似したり反発したりする中から
自分らしいものを見つけていきます。 【アイデンティティの確立】
人と人の間で 人は育ちます。
傷つくこともあるでしょう。
その時は辛い。
もう誰とも会いたくないと思うこともあるでしょう。
けれども、それを克服したとき
乗り越えられる力が付いたことに気づくでしょう。
けれどもそれは、残念ながら後からしか解らないのです。
“人は人で傷つくけれど 人は人によって癒される”
勇気を持って、人に会いましょう。