股関節の余分な力を抜いて負担の少ない長い脚に
向き合って初めて伝わる言葉
言葉は難しい。
メールやLINEは、迅速に用件を伝えるのに便利なツールだけれど
文字になると、そこに込められた想いやニュアンスは
そぎ落とされて伝わってしまう面もある。
実際に目の前にその人がおられる状態で
話し、私のやっているボディコントロールであれば
体に触れたり、触れられたりして感じ取ってもらうことも
言葉だけであれば、
その人の状況や経験によって、受け取り方が全く変わってしまう。
このコラムも含めて、傍にいて向き合ってさえ
伝わりにくいこともあるのに
言葉だけで本当に伝えたいことを人に伝えるのは
並大抵なことではない。
レッスンの際にある生徒さんが言われたこと。
「お医者さんも先生みたいに説明してくれたらええのに」
この方は検査の結果を聞きに行って
今の現状を伝えられたが、改善できるための方法はないので
民間療法でもやってみたら?と言われて終わりだったらしい。
命に直接関わることでないにしろ、本当にがっかりしたと話された。
大きな病院では時間も限られているだろうし
こちらにはわからない事情もあるだろうが
結果を伝えて
先の希望を断ち切って終わりではなく
今方法はなくても、そこではできなくても
その人の今後に前向きな気持ちになれる提案はできないのだろうかと
聞いていて残念に思った。
この方はレッスンして帰られるたびに
よくなられている。
ここでレッスンすると気持ちが元気になり
曲がっていた脚がスッキリきれいに伸び
痛かったところを痛くなく使うことができて
検査の結果よりも
もっとここも伸びてくれるだろうかと考える方が楽しみだと言われる。
これだけ前向きになれる人に
そこで直ちにできることがなくても
もう少し親身な、その人の立場に立った温かい言葉を
かけられなかったのだろうか。
人を奮い立たせ、今よりも良い状態になってもらうのは
体に対しても技術や方法論だけではない。
心と体は結びついているのだから。
一緒にレッスンして、次回までに教えてもらったことを
練習してきます!と明るく帰られるのを見送った。
私にはできないこともあるが
できることもまだたくさんある。
できることをやっていきたい。