重心を感じて立つ うまさきせつこのボディコントロール
体幹のバネ
「バネ」と聞くと
頭は脚に行く。
柔らか、しなやかな膝に考えが至る。
もちろんすごく大事なことだが
これだけでは高く飛んだり、キレよく動いたりは充分でない。
先日終了したパラリンピックを見ていると
つくづく人間は手足だけではないと敬虔な気持ちになった。
女子走り幅跳び(T43 T44)で優勝されたフランスのMarie-Amelie le Fur 選手
準優勝のイギリスのStef Reid 選手の跳躍は脳裏に深く残った。
背骨をしならせ、絶妙のタイミングで、弧を描くような跳躍。
体幹のバネでできる軌跡が美しかった。
美しさは強さ、美しいのは体の流れに無理がない。
初めの方にみたせいもあるかも知れないが、これに魅了されて
パラリンピックを熱心に見た。
できない理由は自分自身で線引きした諦めに辿りつくことが多い。
まず失くした脚を日常に支障なく使い、メンタル的にもそれを受け入れ
更に競技に活かすエネルギーは、線引きしていたら生まれてこない。
この人たちはものすごい人たちである。
こんなすごいものを見せられたら、体が固い、開かない、うまくいかないと
落ち込んでいる場合ではない。
では私たちも・・
体幹のバネを使って飛ぶ瞬間をたまたま撮ったもの。
体が上下に伸びていくのがはっきりみえる。
体幹が崩れず、伸び上がり撓って
脚が床から離れる寸前、股関節から送られた脚は
いらない力が抜けている。
軽く飛んでおられるが、無理なく体がつながっている。
着地も体幹のブレがなく
「膝を曲げる」のでなく
「股関節を引き込んで折る」ことで
自然に膝が折れた状態になっている。
体幹をキープして
ジャンプの着地を膝や脚に負荷をかけるのでなく
エレベーターが下りていくように上下に引っ張られて降りている。
骨の大変な手術をされてから3年あまり。
この方は80才を超えておられる。
自分がやりたいかやりたくないか
それに尽きる。