坐骨を中心に寄せる感覚シミュレーション
『気持ちよく楽にできる』感覚を探していく
東京のWSに来て下さった方が
ブログに私のWSで
「気持ちよく楽にできるとことが本当の正しい姿勢なんだな」
と改めて思った、と書いて下さっていたが
これはその通りだと思う。
自分で「きつい、痛い」と感じる時は
どこかに流れを妨げるものがあるはず。
しかし、自分でそれを感じても
いったい邪魔をしているところはどこか
どうすれば無理なくできるかが実感としてわかるまでに
また時間がかかる。
先生に注意されてもわからなかったり
誰かに指摘してもらっても、どこに意識を持って行けばいいのかが
皆目わからなかったり、みんなそこで困ってしまう。
直してもらっても、自分の中で実感できないと自分のものにはならない。
今できない「ここ」をいったん離れても
体は連動しているので、全く違ったアプローチから
つながってできることもある。
結局は体のバランスが整って来る過程で、いつのまにか
楽な状態を知ることも多い。
焦らずに試行錯誤しているうちに、以前と同じように直されて
今度は実感できることもある。
上の画像は、随分たくさん折りたためている立位体前屈だが
ご本人的には楽ではない。
膝がスッキリ伸びていないのは、ハムストリングスがきつく
ここで流れが堰き止められているからだ。
背骨も伸びにくいところがあるので、お腹もやや縮んでいる。
下に写真は手をつく位置を少し前に戻して、背骨を伸びやすくして
坐骨を下げつつ、坐骨を寄せて、股関節に高く脚を引き込むことを
してもらったところ。
体幹部分はまだこれから改善の余地があるが
痛かったハムストリングスは全く痛みがなくなった。
太腿の前も後ろもとても楽そうに伸びた。
股関節の折れ方が深く大きくなって隙間が出来ている。
股関節の中の小さな感覚がとてもよくなっておられるので
少しのアドバイスで改善出来ている。
お尻が頭より上にあると、「尾骨を下げる」意識はなくなりがちになる。
頭が上でも下でも背骨を通す時には、上下逆転しただけで
やり方は同じ。
ただ頭が上にある時より、股関節の引き込みを強く意識しないと
折れる部分が出来る分だけ、感覚を失いやすい。
緑の線のように股関節の内側を高く引き込み
尾骨を下げると坐骨は中心に寄ってくるので
更に引き寄せながら、流れは一番上の写真のように
後に押さないで、赤い線のように生えている方向に引っ張り合う。
肋骨が縮みがちになるのを形のまま骨盤から離して
(鳥籠のような形の肋骨に小鳥が楽にいられるようにするのも同じ)
参考:鳥籠を吊るすように背骨、肋骨を意識して立つ
黄色い線のように背骨を引き合って伸ばす。
初めはなかなかつながりがあちこち切れても
体は連動していくので、少しずつつながりができてくる。
全部一度に、でなくても感じられるところから。
感覚は今はなくても育ちます。
諦めたらおしまい。