重心を感じて立つ うまさきせつこのボディコントロール
股関節がポキポキ鳴るんです
家で寛いでいる、ちょっとした時間の隙間に
ストレッチでもしようかと
体をねじると「音がポキポキ鳴るんです」と言う方がいた。
どんなことをされているのか
実際に見せて頂くと、写真のように
上体を移して股関節からねじっておられたが
確かに「ポキッ」と音がしている。
痛くはないが、詰まった感じになると言う。
股関節を引き込んで、しっかり折ってから
同じことをしてもらうと、音はならなくなり
詰まった感じもなくなった。
股関節を引き込んでからしてもらった下の写真と比べると
支える場所が変わり、上体も立ち上がり
体幹部分と脚が分かれている。
骨盤と脚がひとつのかたまりになっていたので
詰まりやすくなっていた。
詰まると関節がこすれるから、音が鳴るのだろう。
股関節の状態に連動して脇も縮まなくなるし、
下の足の膝の方向も変わっているのがわかる。
下腹も使える状態になる。
お稽古するときは、ひとつひとつ気を付けて意識するが
普段の生活の中で何気なくする動作では
やりにくく感じることも出てくる。
こういう
「あれっ!?」
と言うやりにくさは、気づきのチャンスでもある。
石井みどり先生は
『便利からは生命力、生きる力は生まれません』
(「よく生きるとはよく動くこと」石井みどり著 草思社)
と言われたが
やりにくくて不便だから、少しでもやりやすいように
生活しやすいように人は考え工夫する。
「ポキポキ鳴るのが気になる」
のは、生活上の小さな出来事でも
それを工夫し、やりやすいように考え改善していく努力の積み重ねは
積もり積もって、大きなエネルギーになっていくものだと思う。
できないことがたくさんあるのは有難いことだ。