重心を感じて立つ うまさきせつこのボディコントロール
前に突き出る首がきつい
首の辛さで悩む人は多い。
先日、遠方からワークショップに参加された方も
これで悩んでおられた。
首が前に出ると猫背になりやすく、前肩にもなりやすい。
胸に力が入り、肩にも力が入り、骨盤は後傾しやすい。
骨盤が開き、脚にもいらない力が入ってくる。
どこが一番最初の原因かとは言えないが
どれも関連している。
体に対する意識がなければ、どう手を付けていいか
わからないだろう。
どこかひとつ意識して改善したから、全部がすぐによくなるわけではない。
全身を整えていって、徐々によくなっていくが
どこか一つでも、感覚がわかってくると、今までとは違う感覚と意識が生まれてくる。
結構長く踊っている人でも首が前傾している人は多い。
私もそうだったので、気持ちがわかる。
首を意識すると首がだんだん辛くなり、肩や胸に力が入ってくる。
それだけ苦労しているのに首は思うように納まってくれない。
4回も鞭打ちしている首は弱く、すぐに固まってしまう。
肩甲骨はがしや背骨をしならせる運動を毎日お風呂で繰り返すようになって、
肩周りが楽になり、肩甲骨の可動域が大きくなったころから
感覚が変わってきた。
体幹の骨の位置の感覚がわかってきたからだろう。
そうすると背骨から首への自然なつながりが、体でわかってきた。
ああ、今までは首だけを伸ばそうとしていたんだなと気づく。
長年踊りに携わってきたからと言って
体のことがなんでもわかっている訳ではない。
できないことは、すごく運動ができる人でも、全くしない人でも同じである。
先のワークショップに参加された方も
どうやって楽に立つか、と
後傾した骨盤を分けることからやっていただいたが
足裏の意識だけでも全く違ってくること
骨盤が脚と分かれると、いかに違う感覚になるかを実感したと
メールをくださった。
まず骨盤の意識から取り組んで、前傾した首も楽にしていきたいとおっしゃっていた。
乱暴な意見かも知れないが、どこであろうと自分が意識できるやりやすいところから
取り組んでいくのがいいと思う。
それが部分ではない、全身がつながっているうちのひとつなのだとわかっていれば。
冒頭にマロウ君の写真を出したが、この骨のイメージを頭に置いておこう。
顎が上がっている訳でもなく、首は床から垂直でもなく
背骨からなだらかにつながっている。
背骨が前から後ろから押して押されて矯正されたものでなく
天井から吊り下げられたような無駄な力のない背骨。
首もまっすぐにしようという意識でなく、背骨から脳天に抜けるイメージを持って
つながることを大事にしてみよう。
顎を上げてしまったり、顔だけを前に向けようとして前に出てしまう人は多いので
前に着き出る首をまっすぐ伸ばす
をご参考に。
「まっすぐ」というのが引っかかる方もあると思うが、言葉って難しい。
自然につながって、という意味合いでとらえてほしいが
背骨におかしなテンションがかかっていると、これは意味が変わってくる。
だから「まっすぐ」という表現になる。
首が突き出て首の下にもっこりこぶが出来ていた人でも
そのこぶはもうどこに行ったのか、体全体を整えている間に
「あら?なくなった!」
という人も多い。
慣れ親しんだ思い通りに行かないからだを
変えていくのは楽ではないけれども
険しい山を登るにも、ふと振り返れば
美しい景色を楽しむことも、小休止して飲むお茶の美味しさも
感じることができる。
進んでいくその途中にも自分の進化を感じることはできる。