坐骨を中心に寄せる感覚シミュレーション
相手を感じること
先日の大阪のワークショップで。
初めて来て下さった女性。
クラシックバレエを15年ほど続けておられるとのこと。
体の中心を感じて踊れるようになりたいと言われ、身体的な悩みについては
特におっしゃらずでした。
初めにチェックさせていただいて
その方の体の気になるところをお話しし、どのように意識して改善するか
誘導して、他の方と一緒にまず体を解放してあげることから始めました。
そして終盤の頃、体の動きが体幹から導き出されて、いい感じになってきたので
アームスを肩甲骨から使うことを誘導していたら
みるみる目が赤くなってきて涙ぐまれたのです。
えっ!?どうされたんだろう?
痛いことは何もしてないし・・
「痛かったですか?」と聞くと、違うの、とかぶりを振られる。
その時、肘をピンピンに伸ばして使っておられたので
「こうしてみましょうか」
私と手をつないで、私の肩甲骨を感じてもらうようにして
いらない力を抜いてもらっていました。
肘が反対側より目立つ。
聞けば、骨折されたことがあるとのこと。
「肩甲骨から肘までつないで、肘はピンピンに伸ばさないで
そこから先は自由になるように」と誘導したら、とてもきれいな線になっていました。
無理がなく自然で美しい腕。
「このことで辛い思いをされたことがあって、それが思うように
きれいに使えたから嬉しいのね?」
と、聞いたらまた、涙を流して頷かれたのです。
人は本当に辛い一番何とかしたいことは、なかなか口に出されないものです。
多分、それは治らないものだとあきらめておられたのでしょう。
肘の痛みはないけれど、それに関して心が傷つくことがおありだったと思われます。
折れて治療しても、つながった骨は折れない前の状態とは違います。
元に戻すことはできなくても
使い方で痛い思いをせずに美しく見せることはできます。
これも出会いとタイミング。
私も「何とかしよう」と力んでいなかったし
その方を「感じた」だけなのです。
数日前にも「心と体はつながっている」と書きましたが
体だけをどうにかすればいいというものではなくて
心も同じなのです。
「人を癒す」なんてすごいことをしようとするのではなくて
一緒に感じさせてもらう、寄り添ってその人と同化してみる。
それが大事なことかなと思います。
私が「この方感じて下さった。嬉しい!」
と真から思ったことは相手も感じていらっしゃると言うことだと思います。
心と体がよい方向に動き出したら、「よくなってますよ」と
誰に言われなくても自分で確信できます。
それくらい、心と体が一致し「通っていく」ことは
確かなものなのです。
レッスンは「感じる」ことが何より大事なものなのです。
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