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ICTを活用した糖尿病セルフケア支援―ゲーミフィケーションがもたらす前向きな動機づけの変化―

松田友和

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テーマ:糖尿病

名古屋市立大学の稲垣聡先生らとの共同研究の成果が、国際医学雑誌「JMIR Formative Research」に掲載されることになりました。

JMIR Form Res. 2026 Feb 19:10:e87236. doi: 10.2196/87236.

論文タイトル:
Autonomous Motivation Trajectory Following Adoption of a Team-Based Gamification App Among Adults with Diabetes: A One-Year Formative Longitudinal Study
日本語論文タイトル:
糖尿病患者におけるチーム型ゲーミフィケーションアプリ導入後の自律的動機の軌跡:1年間の形成的縦断研究
著者: 稲垣聡(名古屋市立大学)、加藤憲司、松田友和、阿部梢、安田尚史

糖尿病治療で大切な「前向きな気持ち」

糖尿病の治療では、薬による血糖コントロールだけでなく、食事や運動などの生活習慣を長く続けることがとても重要です。しかし、「やらなければならない」という義務感だけでは、なかなか長続きしません。
大切なのは、「自分のために、自分でやりたい」という前向きな気持ち(これを専門的には「自律的動機」と呼びます)です。この前向きな気持ちがあると、治療を無理なく続けやすくなることが、これまでの研究で分かっています。

デジタルツールを使った新しいアプローチ

今回の研究では、チーム型の健康アプリ「みんチャレ」を糖尿病を持つ方にお勧めした際、この「前向きな気持ち」が1年間でどのように変化するかを調べました。
このアプリは、同じ目標を持つ仲間とチームを組み、日々の取り組みを写真で共有したり、励まし合ったりできるツールです。一人ではなく、仲間と一緒に取り組むことで、モチベーションを保ちやすくする工夫がされています。

研究で分かったこと

他施設と共同で29名の糖尿病を持つ方に協力していただき、1年間にわたって調査を行いました。
その結果、アプリを使い始めてから6ヶ月頃までは、自律的動機が着実に高まっていくことが分かりました。その後、6ヶ月を過ぎると少しずつ落ち着いていきますが、1年後でもアプリを使う前より高い水準を保っていることが確認できました。
また、肥満の是正にもつながり、心理面だけでなく身体面にも良い影響があることが示されました。

この研究の意義

この研究は、デジタルツールが糖尿病を持つ方の「前向きな気持ち」を育てるきっかけの1つとなりうることを、科学的に示した成果です。
また、6ヶ月頃に効果のピークを迎えるという発見は、その時期にご自身の取り組みを振り返り、新たな目標を立て直すことが、モチベーションを保つ上で効果的である可能性を示しています。
糖尿病治療における心の動きを科学的に明らかにすることで、一人ひとりに合った治療の進め方を考える手がかりが得られました。

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松田友和
専門家

松田友和(内科医)

医療法人社団翠藍 糖尿病内科まつだクリニック

糖尿病専門クリニック。糖尿病専門医による薬物療法に加え、認定看護師や療養指導士など糖尿病専門スタッフがチームで食事療法や運動療法も行う。フットケア外来、禁煙外来、糖尿病患者友の会「ばんぶぅ会」もある。

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