第5回無為塾「40歳からは、役割を脱いで自分らしく〜思い込みを手放して『無為自然』に人生を楽しむ」ありがとう<後編>
7月12日(日)は第5回無為塾を開催しました。
今回のテーマは「40歳からは、役割を脱いで自分らしく〜思い込みを手放して『無為自然』に人生を楽しむ」です。
無為とは
「無為」とは、余計なことはしないで自然にお任せしていきましょうという心のありようを言います。
私自身、不登校や発達障がいの子のご相談を受ける中で、「直そうとしないで、子どもに任す」とかえって改善するのを見て「無為」の効果を実感しています。
自分でなんとかしようとするより自然に任せたほうが上手くいく。力を抜いた方がいい結果につながる。そんな体験を皆様もお持ちなのではないでしょうか。
今回の記事では、40代以降に訪れる悩みが自己実現(自由に自分らしく生きること)につながることを発達心理学やユング心理学から解き明かすと共に、心の構造や自己実現に至るプロセスを解説していきます。
40歳からは、役割を脱いで自分らしく
40代とは、子どもが思春期を迎え、親の介護が始まり、夫婦関係や家族関係でも問題が起こりやすい時期です。
また病気や事故、失業や事業の失敗など思わぬトラブルにも遭遇する時期でもあります。
しかし実は、40代に訪れる悩みには深くてポジティブな意味があるのです。
人生前半の課題である社会適応(仕事や家庭で、求められる役割を果たすこと)を達成された方には、次のステージである自己実現(自由に自分らしく生きること)の可能性が開かれています。
その可能性の扉を開くきっかけとなるのがこの時期の悩みであり問題です。
悩みや問題を通して今までの自分の考えや価値観の限界を知り、自分の弱さを受け入れることを学びます。それこそが自己実現に至る入り口なのです。
心の成長と発達課題

この資料の「成人前期(30〜45歳)」までは全て「〇〇の獲得」となっていますね。
つまり人間は45歳までに職業を身につけ、結婚し家庭を築く、といった積み上げていく人生、獲得していく人生を歩んでいます。
幸運にもそれらの課題をクリアした方には次の発達課題がやってきます。
それが「成人中期(46〜60歳)」の発達課題「今まで通りでいいのか?」という自分自身の人生に対する問いかけです。
この時期に自我(こうあるべきという自分の考え、信念、価値観)の殻を破って自己実現しようと頑張るんですね。
その際にキーワードとなるのが「死」「許す」「放す」です。
自我の殻が破られて自己実現できる
この時期の問題は、頭で考えたことや努力が通用せず「もうどうしたらいいかわからない」ということが多いです。
私の「見方が変わる相談室」にも、子どもの不登校で「もうどうしたらいいかわからない」親御様がよく来られます。
そして不登校の状態が重症であればあるほど、困り切っていればいるほど、絶望していればいるほど、その問題はきれいに解決します。
なぜか?
そこで自我(こうあるべきという自分の考え、信念、価値観)を手放せるからです。
この図を見てください。
真ん中の「自我(13〜60歳)」はいのちを包んで守っている卵の白身と殻のように見えますね。
事実そうなんです。自我は殻となってあなたを守ってきたのです。
でも、それはあなたが自己実現し「自分を生きる」のを阻んでいる壁でもあるのです。
かつてあなたが社会生活で身につけた考え方や信念や価値観、それがあなたを助け、守ってくれました。
しかし、それは年月とともにあなたの固定観念となり、常識という安全な場所に閉じ込めておく檻になってしまっているのです。
自我の目的は自己安全です。自己実現するより無難に常識的に生きることを優先します。
その自我を超えていくことが成人中期(46歳〜60歳)の課題「人生の危機と問い」(今まで通りでいいのか?)なのです。
自己実現するためには自我が「私にはどうすることも出来ません」と降伏(こうふく)する必要があります。自我を降伏させるために40代以降の悩みがあるのです。
自我が降伏すると幸福(こうふく)の扉が開かれ、自己実現へとつながっていきます。
今までの自分の考え、信念、価値観を手放す
自我が降伏するということは、今まで人生をコントロールしていたハンドルから手を放すということです。
この手を放すという行為が「無為」ですね。自然に任す、というのは自分でコントロールするのをやめるということです。それは人生を無条件に信じるということであり、そうすると物事は不思議と上手く回りだします。
不登校でもね、「直そう、直そう」とあの手この手でやっている間は上手くいかないものです。でも、「もう学校行かんでもええわ」と開き直ったら学校行くようになったりするんです。
でも自分から無為になれる人は稀です。大概はどうしようもなくなって「もうええわ!好きにして!」と開き直ったら、それが無為になっていたというのが多いのです。
中学生の娘さんの不登校で悩んでおられたお母さんがおられました。
そのお母さんは大変な心配性で、娘さんの不登校についてもその過度な心配性が悪影響を及ぼしている感じがありました。
ある日、私はそのお母さんに「心配性のままでいいですよ」と言ったんです。
そうすると、その方の心配性が直ったばかりか、不登校の娘さんも元気になって学校に通えるようになりました。
「心配性は直さなくていい」と開き直ると、娘さんに対しても「不登校も直さなくていい」と開き直ることができ、それが図らずも「手放す」ことになっていたのです。
*<前編>はここまでです。<後編>はユング心理学の理論に基づいて自己実現に至るための「中年の危機」を4つのパターンに分類し解説しています。
<後編>こちら
https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5229076/


