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「自己肯定感の高め方」【社会を明るくする運動:講演レポート・全公開】@吹田市文化会館メイシアター(2026年7月4日)

長谷川満

長谷川満

テーマ:自己肯定感の高め方

2026年7月4日、大阪府の吹田市文化会館メイシアターにて開催された「社会を明るくする運動」市民集会において、市民向けの記念講演の講師を務めさせていただきました。



テーマは「自己肯定感の高め方 」です。
当日は多くの一般市民の方々や保護司様、教育関係者の皆様にお集まりいただきました。



本記事では、講演エージェント(講師派遣会社)様、自治体・企業の選考委員(研修担当者)様、PTAや学校関係者様に向けて、当日お話しした講演内容を「全公開」いたします。

今回お伝えした「自己肯定感を高める7つの秘訣」は、アドラー心理学ユング心理学の知見を取り入れた科学的・実践的なメソッドになっています。

学校やPTAでの教育講演・人権講演としてはもちろん、現代人が抱えるメンタルヘルスの問題、社員のモチベーションアップや部下へのマネジメントといった課題解決をテーマにした企業研修・市民講座にもそのまま応用できる内容です。ぜひ企画書づくりの参考としてご一読ください。



*画像は2026年7月4日開催、吹田市「社会を明るくする運動」市民集会の公式案内チラシです

自己肯定感を高める7つの秘訣

自己肯定感の土台となるのは「自己受容」です。それは「ありのままの自分を許す」ということに他なりません。
たとえば「自己肯定感が低い今の自分」を否定せずそのまま受け入れることこそが自己受容の第一歩となります。

「俺、自己肯定感が低いから」と自分で自分を笑って認められる人が、実は本当に自己肯定感が高い人なのです。

これから解説します「自己肯定感を高める7つの秘訣」は、自己受容つまり、自分を許し、受け入れられるようになるためにはどうすればいいかについて具体的に書かれています。

  1. 自分に対する要求水準をうんと下げる
  2. 我慢グセをやめて素直な気持ちを言う
  3. 損得ではなく「好き嫌い」で選ぶ
  4. 他人の感情や行動に責任をとらない
  5. ああ、今の私はそうなんやと読者目線で見る
  6. 感情は受け入れる、行動は選択する
  7. 追い出した「ダメな自分」と仲直りする


1.自分に対する要求水準をうんと下げる

自己肯定感が高い人は自分に優しい人です。
自己肯定感が低い人は自分に厳しい人です。

自分に厳しいから、自分を好きになれない。少しでもうまくいかないと自分を責める。だからすぐ落ち込むんです。
まず自分を許す。自分に優しくするということが大切です。

ここで私が思う自己肯定感が高い有名人を紹介します。それは明石家さんまさんです。
さんまさんは一切落ち込まないそうです。さんまさんはこうおっしゃっています。
「落ち込む人っていうのは自分のこと過大評価しすぎやねん。過大評価しているからうまくいかなくて落ち込むのよ。人間なんて今日できたこと、やったこと、それが全てやねん。」

落ち込む人は自分のことを過大評価しているから自分に対する要求水準も高いです。だから自分に対する要求水準をうんと下げる。さんまさんも「生きてるだけで丸儲け」ておっしゃっています。

皆さん、今日、朝ごはんか昼ごはん、食べましたか?
美味しかったですか?
美味しかったら皆さん、全員幸せです。
本当に悩んでたらご飯食べられませんよ。美味しくないよ。
美味しく食べられる、ていうのは健康で幸せな証拠です。
その幸せを自覚するということが大事ですね。

2.我慢グセをやめて素直な気持ちを言う

我慢グセというのは、なんでもかんでも自分が我慢したらいいわ、で事を収めるクセです。このクセがあると心の中に不満ばっかりたまって感謝することが出来ません。「有難いなあ」と感謝できている自分を自覚することが自己肯定感を高めますので、そういう意味からも我慢グセはやめた方がいいですね。

元々、「我慢」は仏教用語で慢心の一つなんです。
仏教における我慢とは「相手の欠点やダメなところを我慢してやっている」という上から目線であり、我慢しているのは自分であると考えていること自体が慢心だということなんです。

僕の詩で「かんちがい」というのがあります。

   かんちがい

 ぼくは ずっと
 ぼくが我慢しているのだと
 思っていたけれど
 本当は
 ぼくが我慢してもらっているのだった


我慢していると考えるのは自分の慢心であった。我慢するのではなく自分の素直な気持ちはそのまま言う。そうすれば相手もあなたの気持ちがよくわかるのです。それで喧嘩になってもいいのです。喧嘩をするから相手の本音もわかり、こちらの本音も伝えられる。そうして信頼感が深まるのです。

2026年の冬季オリンピックでりくりゅうペアが金メダル取りましたけど、あの二人もよく夫婦喧嘩のような言い合いをよくするそうです。信頼を大切にしてるからこそ遠慮はしないようにし、素直な気持ちはそのまま口にするように心がけておられるそうです。

3. 損得ではなく「好き嫌い」で選ぶ

自己肯定感の低い人は、自分の判断に自信が持てない人が多いんです。
だから人に聞いたり、相談して「それでいいと思うよ」と言ってもらわないと不安なんですね。つまり、物事を決めるときに他者から見てどうかという他人軸・世間軸で物事を判断したり、決めたりする傾向があります。

いっぽう自己肯定感の高い人は、自分軸で物事を決めることができるんです。

◆他人軸・世間軸(外側から得る情報)

  • みんなどうしているか?
  • どちらが正しいか?
  • どちらが得か?


◆自分軸(自分の心からしか得られない情報)

  • どちらが好きか?
  • どちらが幸せか?
  • どちらが楽しいか?


どちらが好きか嫌いかで決めると100%自分の心で決めたことになります。
どちらが幸せか、どちらが楽しいかもそうですね。
そうして物事を決めるときはいつも自分の心に聞いて「好き」「幸せ」「楽しい」方を選ぶようにしたら自分で決めたという納得感にも自信にもなると思います。

4. 他人の感情や行動に責任を取らない

人が不機嫌になると「なんか気に触ること言ったかなあ」て不安になりますね。それをやめて不機嫌な人を放っておけるようになりましょう、ということです。もうちょっとわかりやすくいうと、他人の感情や行動に振り回されるのはやめましょう、ということです。

人から褒められようとか、人から良く思われようとか、そういう気持ちをやめる。それは自分の価値や評価を他人に委ねないということです。アメリカの女性の詩人エラ・ウィラーがこう言っています。

吹いている風が同じでも
ある船は東へ行き、ある船は西へゆく。
進路を決めるのは
あなたに吹いている風ではない
あなたが操作する帆の向きである。
人生の航海において
その行き先を決めるのは
自分自身の心の持ち方である。


5. 今の私はそうなんやと読者目線で見る

普段私たちはいろいろな出来事に遭遇し、喜んだり、悲しんだり、そういう感情に振り回されて生きています。この出来事にいちいち感情的に反応しているのが主人公目線です。
それに対して読者目線とは、そんな自分を客観的に俯瞰的に見つめている自分、この目線を読者目線と言います。

例を挙げて説明します。
「思わず怒りに任せて怒鳴ってしまった」とします。
しばらく経ちますと後悔の念が襲ってきますね。
「なんで怒鳴ってしまったんやろ」と落ち込んでしまいそうになった時にこのフレーズを心の中で唱えてください。

ああ、今の私はそうなんや

そうすると後悔している自分とそれを見つめている自分がいますね。それを見つめている自分、これが読者目線です。
今の私はそうなってしまうんやなあ、と良い悪いじゃなく「そうなっちゃうよね」みたいな感じです。
これがありのままの自分を受け入れる、ということにつながります。

そしてここからが大事なんですが
「そうなっちゃうよね。だってもう、いっぱいいっぱいになちゃってたもん。心に全然余裕なかったもん。不安で仕方なかったんやね、私。」
と自分の状態、自分の本当の気持ちに気づけるようになります。

今までだったら自己嫌悪して終わりでしたが、この「ああ、今の私はそうなんや」と読者目線で見ることで、自分のありのままを受け入れられるようになり、そうすることで自分の本音にも気づき、これからどうしたらいいかも見えてくるようになります。

6. 感情は受け入れる、行動は選択する

2026年冬期オリンピックがありましたが、りくりゅうペアの演技には本当に感動しました。
木原龍一選手はずーっと泣いていましたね。ショートプログラムで得意のリフトでミスが出て、5位と出遅れてしまった。首位との差は6.9で木原選手は「もう、終わった」と絶望感と後悔と申し訳なさで泣けて泣けて仕方なかったそうです。フリー当日の公式練習でもまだずっと泣いていて、三浦りく選手はこう声をかけました。

「私たちが築いてきた7年間はこんな一瞬で崩れたりしない。そんなもんじゃない、もっと確かなものだよ。大丈夫。まだ終わってない。今日は私、龍一くんのために滑るね。」

それを聞いて木原選手はハッと我に返ったそうです。「僕もりくちゃんのために滑るよ。お互いのために滑ろう!」
そこから洗面所に走っていって何度も何度も水で涙を洗い流して、そうして木原選手が顔を上げた時、気持ちは完全に前向きに切り替わっていたそうです。

木原選手が立ち直れたのは実は、感情を感じ切ったのも大きいんですね。
絶望感で泣いて泣いて、後悔で泣いて泣いて、そうして十分にマイナスの感情を感じ切ると、ある瞬間パンっと「こんなことしてちゃダメだ」て気持ちが切り替わるんですね。
だからどんな感情も受け入れる。それはどんな自分も受け入れるということです。

そして行動は自分の意思で選択する。
三浦りく選手で言えば、木原選手を責めないということです、ずーっと泣いていても責めないという選択です。
木原龍一選手で言えば洗面所に行って涙を全部洗い流して前を向くという選択です。

感情は受け入れる、行動は選択する。

7. 追い出した「ダメな自分」と仲直りする

皆さんは35人学級の担任の先生だとします。
35人いたら、すぐ喧嘩する怒りっぽい子もいますね。すぐ泣いてしまう弱い子もいますね。そういう子がいたら良いクラスにならないので担任のあなたは「出ていきなさい!」とその子達を追い出します。

つまりあなたが嫌いな子や、ダメだと思う子をクラスから追い出して、他の先生や保護者から見て良いクラスにしようと考えます。ずるい子や怠ける子、嫉妬する子もダメな子なので追い出します。そうして35人いたあなたのクラスの子どもたちは20人だけの優等生ばかりになりました。

「ああ、これで私の理想のクラスになったわ。でも、まだダメな子が2、3人いるわね。」

これが今の私たち大人の姿です。追い出したダメな子どもたち、それはあなたがこんな自分は嫌いだ、こんな自分はダメだ、と断じて「そうなるまい」と抑圧した自分自身なのです。でも、あなたが追い出した「あなたの真実の一部」は決して無くなったり克服したりできません。なぜならそれは大切なあなたの一部だからです。

では、追い出した(抑圧した)ダメな自分はどうなるのでしょうか。
それはあなたの周りの人間関係にあらわれます。怒りを抑圧した人にはなぜか、怒りっぽい感情的な人が職場にいたりしてストレスになったり、弱さを抑圧した人にはなぜか、弱さを大袈裟に表す人がいてイライラするとか、怠けるとか要領良くとかを抑圧した人にはなぜか、要領良く怠ける人が現れて許せない気持ちになったりするのです。これを心理学用語で「投影」と言います。自分が抑圧した感情を他者に投影して見るのです。自分が怒りを抑圧していたなら、相手が怒っているに見えるのです。

ではどうすればいいのか?
そういう怒りや弱さや嫉妬、狡さや怠けたい気持ちが、自分にも「ある」と認め「あって良い」と許すだけで良いのです。
それが難しいんです。自分の考えで切り捨ててきたものですから。そう易々とは認められません。
でも、それらを受け入れられるるかどうかが45歳以降の人生の大きな課題なのです。

そうして元の35人学級に戻ることを自己実現と言います。ユング心理学でいうところの「個性化」です。
自己実現というと何か大きな夢を叶えることのように思われがちですが、本当は自分がかつて意識的に排除してきた弱い自分、ダメな自分、嫌いな自分をもう一度自分の心に呼び戻し、本来の自分らしい自分に戻ることです。

人間的成長といえば普通、道徳的に優れた人間になるとか、人間的な弱さや自己中心性を克服して立派な人物になることだと考えられていますね。
でも本当は逆なんです。
克服するのではなく、許し受け入れることによって、怒りを勇気やエネルギーに変え、弱さを共感性や思いやりに変換し、嫉妬から自分がやりたいことを発見する。

それが人間的に成長するということです。立派な人間になることではありません。自分らしい自分になることです。
それは人間的成長であると同時に自己肯定感を高める秘訣でもあります。



(続きは明日書きます)

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長谷川満
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長谷川満(講演会講師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

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