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長谷川満プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

守口市こども家庭センター主催「市民講座」

長谷川満

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テーマ:教育・人権講演会

10月1日(水)は守口市役所会議室で市民対象の講演会がありました。
テーマは「思春期の子どもとの上手な関わり方 〜自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ〜」




詩「もし思春期をやり直せるなら」





この詩を読まれて共感された部分についてインタビューさせていただきました。
「注意やダメ出しばかりしないで」のところに共感される方が多くおられました。
「子どものことばかりに気を取られていないで」に共感される方もありました。
子どもが生まれると子どものことばかりで、どうしても自分のことは後回しになりがちですが、もっと自分のこともかまって自分も楽しむことが大切ですね、とお話すると皆さん「うんうん」と頷かれておられました。

思春期の子どもの特徴とその接し方




1、親に対して批判的になり、矛盾をつくようになる
これは精神的に、また知的に「批判する力」「矛盾がつける力」がついてきたんだと喜ばないといけません。
だから「偉そうに」とか「わかったふうなことを言うな」とかの言葉で、せっかく芽を出しかけている子どもの論理力や批判力を潰さないようにしてください。
批判できるようになったんだ、矛盾をつけるようになったんだと喜ぶのが本当です。

2、あまりしゃべらなくなる。秘密を持つようになる。
思春期の子どもは人魚姫です。
人魚姫は魔女に自分の声を差し出すことを条件に人間になったので全く話せません。
自分が王子様を助けたことも、王子様が大好きで声を捨て人間になったことも伝えられないのです。
思春期の子どももそれが大切なことであればあるほど言えないのです。
辛いことや苦しいこと、好きな異性や自分のコンプレックスなど言えないことが多いのです。
その言えないことを尊重して無理に聞き出さないことが大切です。



3、自分の部屋で過ごす時間が多くなる
「一人になりたい」
これも思春期の特徴です。
思春期は「サナギの時期」だと言われます。
じーっとしているように見えても心の中はダイナミックな変化にさらされています。
こういう時はそっとしといてあげるのが愛情です。
中にはこういう様子が全くない子もいますが、それはそれで構いません。
思春期は本当に個人差が大きいです。

4、友人関係を大切にするようになる
親離れするためには友人の存在は不可欠です。
心を許せる友人がいるから、親から離れることができるのです。
友人を大切にするようになるのは親離れの準備とも言えます。

5、外見や能力、周りの目に敏感になり劣等感を持ちやすい
これは思春期あるあるですね。
ですから兄弟や親戚、同級生と比べない。
子どものいいところを見る。
ということが大切です。

6、親に対する言葉遣いや態度が悪くなる
お母さんのことBBAとか言うたりね。
最初生徒が「うちのBBAが」とか言うので「BBAて何?」て聞いたら「うちのババアのことや」て、「お母さんのことそんなふうに言うたらあかんで。」て言ったんですけど、そういうことを言いたい年頃なんですね。
大体18歳になったら自然に直るので、それまではあまり目くじらを立てずに好きに言わしときましょう。

7、言うことが日によって違う。感情が変わりやすい。
この時期の子は言うことが本当に日によって違います。
感情が変わりやすいです。
ですからあまり真に受けず「そうか」「わかった」と軽く受け止めるようにしてください。
あまり真面目に受け取るとあとでコロッと変わりますから軽い感じの受け止めでちょうどいいと思います。

子どものやる気を引き出すプラスの問いかけ

中学生くらいになったら「なんで英語なんて勉強せなあかんの?」なんて言う子がいます。
私の生徒にもそんな子がいました。
「なあ先生、日本人やのにどうして英語なんて勉強しなあかんの?」
「どうしてやと思う?」
「海外旅行に行った時に困るからかなあ・・、仕事する時にいるからかなあ・・」
「〇〇君は将来、何になりたいの?」
「スタントマン!ハリウッド映画でやるような国際的なスタントマンになりたい。先生、ハリウッドでアメリカか?」
「アメリカやで、ハリウッドは。」
「アメリカやったら英語喋れなあかんやん。」
「ハリウッド行くんやったら英語は必須やで。」
「それやったら僕、英語勉強せなあかんやん。」



こういうふうにして子どもの意見を聞こうとして問いかけていくと対話が成立して、そういう対話の中で子どもが自分で答えを見つけていく。
それは親が一方的に押し付けた意見ではなくて、子ども自身が自分で考えて自分で出した答えですから子どもの行動も変わる可能性があります。
それだけじゃなくていつもそういうふうに子どもの意見を聞こうとして問いかけていると子どもは自分で考えるようになり、自分で出した答えに責任を持つようになります。
つまり子どもの主体性を育むことになるんですね。
子どもの気持ちや考えを理解しようとして問いかけることによって、その子に対する愛情や敬意も示すことになります。

ただこの問いかけにもプラスの問いかけとマイナスの問いかけがあります。
下の資料をご覧ください。



問題はこれらマイナスの問いかけを無意識にいっぱいしているということです。
まずはそこを意識化する。
意識化してマイナスのものをプラスに変えていく。
そうすると「プラスの問いかけ」をしている皆さんも、「プラスの問いかけ」をされている子どもたちもプラス思考、ポジティブ思考に変わってきます。
親子の会話も前向きになってきます。
子どもにかける言葉が変わると、子どもとの関係が変わってきます。
そして子どもとの関係が変わってくると子どもが変わってくるのです。
実はやる気を引き出す最大のカギは親子関係にあります。

自信と意欲を引き出す親子関係のつくり方

最初に申し上げておきますが、これは7つ全部する必要はありません。
この中の1つでも2つでもご自身が共感されるもの、それを心がけてもらえればもうそれで十分です。
私が考える良い子育てではなくて、皆さんがしたい子育て、自分らしい子育てをしていただくのが最も自然で、最も良い子育てです。
私の話す言葉や内容が大切なのではありません。
それをお聞きになった皆さんの心に生まれる気づきや思いが大切なのです。
ですからどうかご自身の心の声に耳を傾けてお聞きください。



1、幸せを受け取る(子どもの存在を喜ぶ)
ドラえもんの「のび太の結婚前夜」のお話や私自身の娘の結婚式のエピソードから、親は子どもから喜びや幸せをもらっていることをお話ししました。そして子どもからの喜びや幸せをいっぱい受け取って幸せになることが大切です。なぜなら幸せな親が幸せな子どもを育てるからです。

2、ありのままを愛する(変えようとしない)
ありのままを愛するという無条件の愛が子どもの意欲、向上心、生きる力を育てます。
「そのままの自分で愛されている」
そう思えることが子どもにとってどんなに幸せで、どんなに嬉しく、どんなに自信がつくことでしょう。
それこそが自己肯定感です。
そうお話しした後、不登校をなおす魔法の言葉「ゆっくり休んだらいい」を実例とともに紹介しました。

3、子どもの善さを見る(尊敬する)
子どもの善いところを見て「素晴らしいなあ」と伝える。
子どものことを尊敬し、尊重する。
そういう言葉、そういう態度によって子どもは自己肯定感を高め、積極的に物事に取り組むようになります。

4、話を聴く(口を挟まず最後まで)
子どものことを理解するためには、子どもの正直な気持ちを聞かせてもらえる大人になる必要があります。
そのためには「子どもの話を否定せず、その気持ちを受け入れるように聴く」ということが大切です。
相手の存在や思いを尊重し、理解しようとして聴くことを「聴(ゆる)す」と言います。
この「聴(ゆる)す」には子どもの自尊感情や自己肯定感を高め、子どもを更生させる力があります。

5、気持ちを理解しようとする(押しつけない)
これは次の「6、信じ任す」と一緒に解説しました。

6、信じて任す(管理者ではなく援助者になる)



子どもは親の思い通りにはなりません。
それが自然なのです。
私は川のこちら側にいて向こう岸には「理想の子育て」があるとします。
そのまま真っ直ぐ川を横切って「理想の子育て」の方に泳いで行こうとすると溺れてしまいます。
親の思い通りにならない「自然の流れ」というものがあるからです。
向こう岸に行こうと思えば、自然の流れに逆らわず流されながら少しづつ斜めに泳いでいくのがいいのです。
自然の流れとは、子どもが思い通りにならないということです。
それを許しながら子育てしていくということが大事なのです。
無理せず、肩の力を抜くのが子育てのコツです。

7、弱さや欠点を受け入れる(許し合う)
自分を責めず、子どもも責めず、許し受け入れていく魔法の言葉を紹介します。
「しゃあない、しゃあない」
何か困ったことがあったらこの言葉を唱えてください。
少し心の余裕が取り戻せます。
そうすると「待つ余裕」「許す余裕」「笑う余裕」が生まれます。
これらの余裕があなたを困難から解放し、幸せへと導いてくれます。

もう一つ、執着を手放し良い結果を招く魔法の言葉を紹介して講演を終わります。
「どっちでもいいよ」

本日はご清聴ありがとうございました。

まとめ


講演の終わりにお一人お一人それぞれ違う詩をプレゼントしました。
講演後40分ほど質疑応答の時間がありました。
少人数だったのでリラックスしてお話もできましたし聴いていただけたように思います。
質疑応答も盛り上がりました。
少人数の良さを再認識しました。









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 http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/64075/

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 2025年10月 加古川市子育てプラザ ママ講座「子育て講演会」
 「無為の子育て 〜あなたのままで100点満点〜」
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 2025年9月 兵庫県稲美町立幼稚園五園合同家庭学級・人権研修会
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 2025年9月 大阪府貝塚市立第四中学校区PTA研修会
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 2025年7月 福島県郡山市教育委員会主催
 「子どもを幸せに伸ばす10の秘訣」
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 2025年6月 兵庫県新宮子育てつどいの広場
 「無為の子育て あなたも子どもも100点満点」
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 2025年5月 山口県岩国市PTA連合会オンライン講演
 「子どもを幸せに伸ばす10の秘訣」
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 2025年2月 東京都港区立芝浦小学校
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 2025年1月 相生市青少年健全育成市民大会
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 2024年11月 大阪府枚方市教育委員会オンライン講演
 「思春期・反抗期の子どもとのつきあい方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」
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 2024年11月 京都府亀岡市口丹波地区私立幼稚園PTA連合会
 「子どもを幸せに伸ばす10の秘訣」
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 2024年10月 大阪府堺市立泉ヶ丘東中学校区教育講演会
 「無為の子育て 〜あなたも子どももそのままでいい〜」
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長谷川満(講演会講師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

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