学研教室ミドルペンスクールオンライン講演

長谷川満

長谷川満

テーマ:人材育成研修会

 5月29日(土)はオンラインで学研教室の先生を対象に講演させていただきました。
 学研教室の先生対象の講演会は今回が2回目で、前回はリアルでの講演会でした。
 その時の講演が好評だったので今回は「三事務局合同(大阪中央、奈良、姫路)ミドルペンスクール(中規模教室)」の指導者様(約40名)に向けての講演です。
 




研修会の目的

 このミドルペンスクールは地域ナンバーワン教室を目指して、自教室の発展に向けて学んでいただく機会として、教室運営や保護者対応、子ども達への指導に活用していただける情報をお伝えし、強い教室づくりへの気づきが生まれることが目標です。

講演でお話しした内容

人生で一番大切なこと

 先日、中学生対象の講演会でこんな話をしました。
 「人生で一番大切なのは、
  今していることを愛することです。
  そして今していることを楽しむことです。」
 皆様にも同じことをお伝えしたいと思います。
 「子どもを教え伸ばしていく上で一番大切なのは、
  子どもを教えることを愛することです。
  そして子どもを教えることを楽しむことです。」

 どうしてそう考えるのか?

 それは自分だったらどんな家庭教師に教えてもらいたいと思うだろうか、と考えた時に
 「僕のことを理解してくれて、受け入れてくれて、優しく教えてくれて・・
  でも何より僕に会えることを喜んでくれる、僕に教えることを楽しいと言ってくれる、
  そんな家庭教師やったら最高!」と思ったからです。

 皆さんが子どもだったらどんな学習教室なら通いたいと思うでしょうか?
 「先生が優しくて、わかりやすくて、いっぱい褒めてくれて・・
  でも何より私が行くのを楽しみに待っていてくれる、私に勉強を教えるのが楽しいと言ってくれる、
  そんな先生がいる学習教室なら通いたいと思うでしょ。」

 そんな学習教室にするためにには
 「今していることを愛すること。
  今していることを楽しむこと。」
 が大切です。

 

大切なのは子どもが通いたいと思える教室であること

 ここで大切なのは子どもが通いたいと思える教室にすることであって、
 「親が通わせたい教室」にすることではないということです。

 私は幼稚園の先生を対象によく研修させていただくのですが
 その際、いつもこうお尋ねします。
 「仕事とは仕える事と書きます。皆さんがお仕えされているのはどなたでしょう?
  保護者でしょうか、園長先生でしょうか、
  違います。
  皆さんがお仕えする、つまり奉仕する対象は園児たちです。
  幼稚園とは園児たちのためにあるのです。
  幼稚園を創ったフレーベルは子どもの中に神の性質『神性』を見ていました。
  その子どもの中にある『神性』を引き出すために幼稚園を創りました。
  フレーベルは親のためでもなく、国のためでもなく、ただ子どもたちのために、
  子どもの持っている神性や可能性を引き出すために幼稚園を創りました。
  だから皆さんも園児たちのためにお仕事してください。
  皆さんがお仕えするべき相手は園児たちです。
  「園児たちのために」というその使命感が皆さんの仕事を世界一素敵で素晴らしいものにしてくれます。」

 学研教室の皆さんも社会的使命を担っておられます。
 それは自分を生かして未来ある子どもたちの役に立つ事、その子どもたちを伸ばす事。
 こんな楽しい仕事、他にあるでしょうか。

 笑顔で楽しく教える事、子どもたちもその時間楽しく笑顔で過ごしてもらえる事、それを心がけてください。



 

楽しく笑顔で指導するコツ

 私も家庭教師をする際、「笑顔で楽しく」を心がけておるのですがこれにはちょとしたコツがあります。
 ・かたいことは言わない
 ・大目に見る
 ・その子の良いところを見る
 ・よく褒める
 ・その子がノらない日は頑張らせない
 要は「無理せず、良いところを見て、ダメなところも受け入れる」ということです。

 

理想の家庭教師はドラえもん

 僕は生徒によくこんなことを言います。
 「家庭教師はな、生徒になめられてなんぼやねん。
  だから僕にとっては『なめられてる』は褒め言葉やねん。
  だってなめられてるということは安心してもらえてる、てことやろ。
  安心してもらえてるから本音も話してもらえるし、
  心も許してもらえるからな。」
 
 「先生はドラえもんみたいな家庭教師になりたいと思てるねん。
  小学生にドラえもんに家来て欲しいかって聞いたらみんな来て欲しい、て言うから。」

 

努力ではなく自然にお任せする

 なんでもかんでも努力で解決しようとするのではなく、許し、受け入れて、自然の成り行きに任せてたら、なんか知らんけど自然に解決してたってこと、多くないですか。
 子育てでも、不登校でも、発達障害でも、親が努力して直るものではありません。
 不登校なんか「行かそう、行かそう」と努力すればするほど悪化しますし、発達障害も「直そう直そう」とすればするほど悪化します。子育ても同じで「良い子にしよう」「賢い子に育てよう」と頑張れば頑張るほど親も子もしんどくなって親子関係も悪くなります。
 努力することがマイナスに働くことがあるんですね。

 じゃあ、どうすればいいのか?

 『受け入れる』のです。
 「不登校でもいいやん。自分から学校に行こうと思えるまでゆっくり家にいたらいいやん。」
 「発達障害でもいいやん。うまく出来なくてもいいやん。あなたに合わせてあげるやん。」ということです。

 そうすると不思議に不登校も発達障害も少しずつ改善していくんですね。
 大切なのは「受け入れられ体験」です。
 それが自己肯定感を高め、改善に導くのです。

 

「無為」という解決の方法

 こういう自然の成り行きに逆らわず、自然にお任せしていくという行き方を「無為」と言います。
 無為とは、はからい心を捨てて大きな力にお任せしていくこと、自力の放棄のことを言います。
 何でもかんでも自分の力で解決しようとしない。
 大きな大きな自然の流れにお任せしていく。
 色々ありながらも最後には良くなると根拠なく信じる。
 そうすることで心の余裕も生まれ、結果、なんか知らんけど自然に解決していた、うまくいったという行き方があるんですね。
 この「無為」という思想から生まれたのがお手元にある「しあわせになるれんしゅう」という詩です。



 

詩「しあわせになるれんしゅう」

 親にしても皆さまのように子どもを教えられる立場にある方にしても、子どもに教えているようで本当は子どもに教えてもらっているんですね。
 そして子どもからたくさん学べる親や指導者が本当にいい親であり、指導者だと思います。
 では、今私たちは一体何を子どもから教わっているのでしょう。
 それは「待つ」ことです。

 今、皆さまのお手元にある詩「しあわせになるれんしゅう」を朗読させていただきます。



 子育ては「待つ」れんしゅうなんですね。
 急いては事をし損じる、と申します。待てば海路の日和あり、とも申します。
 人を育てる人、スポーツのコーチや監督でも育てるのが上手い人は「待つ」のが上手です。
 待てない人は福をつかむのも下手です。
 残りものに福がある、と申します。
 だから物事を成就したり、幸せになりたいと思ったら「待つ」ことができないとダメですね。
 
 幸せになるために大切なことは3つあります。
 一つは待つこと。
 二つ目が許すこと。
 三つ目が笑うことです。

 

「意欲を引き出すプラスの問いかけ」から最後まで




 「子どもに対するプラスの問いかけ、マイナスの問いかけ」の資料をもとに、どのような言葉がけが子どもの意欲を引き出すのか、またやる気をなくさせるのか、をお話しすると共に「子どもにかける言葉が変わると、子どもとの関係が変わります。そして子どもとの関係が変わってくると子どもが変わってくるのです。」とお話ししました。

 その後、「自信と意欲を引き出す親子関係のつくり方」をもとに子どもの自己肯定感の高め方をドラえもんのお話や娘の結婚式の話、などを交えてわかりやすくお伝えしました。

 学研教室様が推奨されている「非認知能力」(自己肯定感、やり抜く力、共感力、協働力など)についてもお話ししました。
 「非認知能力というのは自己肯定感をはじめ、全部つながっているんですね。ですから自己肯定感が高まれば、やり抜く力も共感力も協働力も高まります。これらは個別に存在する力ではなくて、人間が生まれ持っている「いのちの力」のそれぞれの側面と言えるわけです。ですから、この資料は非認知能力全般をを育てる方法でもあるわけです。」



 発達障害傾向が消失した実際の事例をもとに、その子たちへの接し方についても具体的にお話ししました。

 教室経営者であると同時に母親でもある方が多く参加されていたので、最後に「子どもからの3つのプレゼント」という、親は子どもから「愛する喜び」「愛される喜び」「愛する者同士が共に暮らす喜び」をもらっているのだというお話をしました。


 

質疑応答の後、グループ討議に参加

 全体の質疑応答の後、それぞれのグループに分かれて感想や感じたこと、気づいたことを共有しました。
 それぞれのグループにお邪魔して質問などにお答えしました。






 教育講演・人権講演のテーマや内容、お問い合わせについては
 http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/64075/

 講演会の講演依頼.com|長谷川満 プロフィールページ
 https://www.kouenirai.com/profile/3820

 子どもさんの学習の悩み・家庭教師のご相談は
 http://www.hariat.co.jp/ksg/


    < 最近行った講演会 >

 2024年1月 加古川市立平岡北幼稚園
 「子どもを幸せに伸ばす10の秘訣」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5153090/

 2024年1月 子どもと保育実践研究会
 「子どもの心を満たす教育と受容について」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5152753/
 
 2023年12月 大阪府貝塚市PTA協議会
 「思春期・反抗期の子どもとのつきあい方」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5150532/

 2023年12月 大阪府立清水谷高校教職員研修
 「生徒の自尊感情を育てる関わり」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5150139/

 2023年11月 加古川市立平岡北小学校人権研修会
 「思春期になる前に知っておきたい7つの接し方」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5149715/

 2023年11月 加古川市立中部中学校区PTA五校園研修会
 「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5149583/
 
 2023年10月 佐賀学園成穎中学校
 「学力向上のための7つの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5147821/

 2023年10月 九州地区理容師美容師養成施設教職員研修会
 「多様化する学生対応」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5147141/

 2023年10月 兵庫県加西市立加西中学校PTA人権講演会
 「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5146749/

 2023年9月 兵庫県多可町立中町南小学校PTA人権講演会
 「自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5145867/

 2023年9月 大分県豊後高田市主催
 オンライン講演「いのちの大切さを子どもたちにどう伝えるか」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5145807/

 2023年9月 三重県明和町立下御糸小学校人権講演会
 「絵本で語る子どもの人権』
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5145297/

 2023年9月 東京都港区芝浦小学校人権講演会
 「子どもの自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5144594/

 2023年8月 朝来市教職員組合・養父市教職員組合主催
 「自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5141850/

 2023年7月 島根県奥出雲町立布勢小学校
 オンライン講演「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5140240/
 
 
 

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長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

長谷川満プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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