愛知県安城市での家庭教育講演会 テーマは「子どもを幸せに伸ばす10の秘訣」
12月5日(木)は大阪市立東高校で子どもの人権をテーマにお話しさせていただきました。
聞いてくださるのは東高校の先生方とPTA役員の皆様約55名です。
演題は「いのちの大切さを子どもたちにどう伝えるか」。
最初にこんなお話をしました。
35歳くらいの小学校の男性の先生のお話なんですが、
彼はどちらかというと優しくて人に合わすタイプなんですね。
最近、よく気持ちが落ち込むことがあるようです。
自己肯定感も自分は低い方だと言います。
そんな彼に僕はこう言ったんです。
「自己肯定感が低いのなら『自分なんかダメだ』と思っている子どもの気持ちもわかるんじゃないの?」
「それはよくわかります。自分もそんなふうに思うことがよくありますから。」
「気持ちがわかるのなら、その子たちの心にも寄り添うことも出来るんじゃないの?」
「はい。どんな言葉をかけてあげたらいいかとか、今はそっとしておいてあげようとか、何となくわかります。」
「だったら君はそのままでいいよ。いくら前向きになろうとしてもどうしてもそうなれない時もある。そんな時に励ますんじゃなくて『わかるよ。僕も同じだよ』とその苦しい気持ちをわかってあげることがどれだけその子の救いになることか。子どもがそんなふうに苦しんでいる時に『大丈夫やで。先生もおんなじや』と言うてあげられたらその子を孤独から救えるんちゃうやろか。」
そう言うと彼の顔がパーッと明るくなりました。
自己肯定感というのは何かに成功した時に高まるものではありません。
自己肯定感というのは失敗した時や挫折した時に「こんな自分なのに愛されている。受け入れてもらえる。」そう感じた時にこそ高まるものです。
そしてそういう関わりが出来るのは自分も同じ苦しみを知っているからです。
自己肯定感とは自信満々な心のことではなくて
「ダメな自分、弱い自分も許し受け入れる。
だからこそ人も許せるし、受け入れられる。」
そういう自己受容、他者受容の心が根底にあるのだと思います。
みなさん、いま15歳から39歳までの死因の第一位は「自殺」なんですね。
「本気で自殺をしたいと考えたことがあるか」という設問に対して「ある」と答えた人は23.6%もあるんです。
自殺したい人の6割以上は誰にも相談しません。
3割弱の人だけが相談します。
一番多いのは友人。
次に親、兄弟。
では「あなたは身近な人に死にたいと相談された時どのように対応しますか?』
1、バカなことは言うなと叱る。
2、「死なないで」と懇願する。
3、「死にたければ死ね」と突き放す。
4、病院に行くことをすすめる。
5、「なぜそう考えるのか」を尋ねる。
6、「死にたいと思うほど辛いんだね」と共感し、相手の気持ちに耳を傾ける。
対応として一番いいのは6番です。
適切な対応のポイントを挙げるとすれば、
・叱らない
・常識的・合理的なことを言わない
・しつこく問いたださない
・辛い気持ちに寄り添う
・相手が話しづらそうな時は無言のまま側にいる
・「死にたい」て思ってしまうんだねと相手の言葉をそのまま反復して返すことにより「受けとめた」ことを伝える。
・「辛いんだね」と辛い気持ちに共感していることを伝える。
そのあと「自己肯定感を育てる関わり」の資料を元に具体的な子どもへの関わり方について事例を挙げてお話ししました。
講演の最後はこんな言葉で締めくくりました。
「あなたが大切だ」と伝えることは「あなたの弱さも大切なあなたの一部だ」と伝えることでもあります。
弱さは恥ずべきものではありません。
自分の弱さを認め受け入れた時、それは「思いやり」や「許す力」へと変容します。
そしてそれを持つことができた時初めて本当の意味で「いのちの大切さ」を伝えることが出来るようになるのだと思います。
最後に「弱さという贈りもの」という詩を読ませていただいて僕の講演を終わりたいと思います。
「弱さという贈りもの」
神さまは人間を弱くおつくりになりました
みんな仲良くするようにと
淋しくないようにと
わざと弱くおつくりになりました
助け合って 補い合って
笑い合って 暮らせるようにと
わざと弱くおつくりになりました
自分の弱さを知って
自分の弱さを許せたら
許せないものはなにもない
(はせがわみつる作)
本日は誠にご清聴ありがとうございました。
講演の終わりに小田和正さんの「たしかなこと」の曲に乗せてお一人お一人にそれぞれ違う詩をプレゼントしました。
皆さん、熱心に聞いて下さいました。
ありがとうございました。
またお会いできる日を楽しみにしています。
< リンク >
講演会の講演依頼.com|長谷川満 プロフィールページ
https://www.kouenirai.com/profile/3820
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