「墓じまい」を考える前に読んでほしい物語(12)「おじいちゃんがくれたもの」/匿名希望(20歳)

能島孝志

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テーマ:お墓物語

お墓にまつわるエピソード集「お墓物語」 

一見、同じように見えるお墓だが、実はそれぞれのお墓には、
それぞれの思いと数々のエピソードがあります。

全国の墓石を含む石材関連業者約1,300社が加盟する、
日本最大の業界団体である、(一社)日本石材産業協会では、
お墓にまつわる感動的なエピソードを集めた小冊子、
「お墓物語」を、2011年3月に発行いたしました。(非売品)


お墓にまつわるエピソード集「お墓物語」

「お墓物語」を発行するにあたり、作品を募集したところ、
全国各地から数多くの応募作品が寄せられました。


その中から33名の方の作品がこの小冊子に収められています。


涙あり、笑顔あり、驚きありの素晴らしい物語ばかりです。


マスコミ等で「墓じまい」ばかりが大きく取り上げられる昨今において、
「お墓ってこんなに素晴らしいものなんだよ」ということを、
今一度、一人でも多くの人に気づいていただければと思い、
ここに、33話、全ての物語を順にご紹介させていただきます。

これまでに、以下11のをご紹介いたしました。

(1)「祖母との出会い」/三浦るるさん
(2)「お墓参りの不思議」/伊東徳久さん
(3)「祖父のお墓で」/水野真由美さん
(4)「おはからい」/漣ほたるさん
(5)「星よりも近く」/倉木敬人さん
(6)「泣き虫」/藤田徹朗さん
(7)「田舎のお墓を訪れて」/長坂隆雄さん
(8) 「祖母の墓を抱きしめて」/梅山太郎さん
(9) 「祖母VS母・お墓バトル」/森下純一さん
(10) 「一片の桜」/咲ママさん
(11)「心の掛け橋 」/棚橋すみえさん

今回は、千葉県在住の匿名希望さん(20歳)の作品、
「おじいちゃんがくれたもの」をご紹介させていただきます。
心温まるエピソードを通じて、家族や大切な方との絆や、
命の尊さを考えていただくきっかけになればと考えております。


「おじいちゃんがくれたもの」 /匿名希望さん(20歳・千葉県) 

2月14日。お堂は身も凍るような寒さだった。


「死ぬなら、あたたかい季節に死にたいね」


ストーブにあたりながら、伯父が冗談めかして言った。


祖父が亡くなったのは13年前。


それから一周忌、三回忌と、
私たちは回忌ごとに真冬のお寺に集まっている。


そして、今年が十三回忌。


小学生だった私も大学生になり、
年上のいとこは結婚して子どももいる。


「寒いですねぇ」


お寺のおばあちゃんがお茶を持ってきてくれる。


湯呑みを覆うようにして持ち、
ゆらめくお茶に映る自分を見て思う。


「おじいちゃん、わたし、こんなにおおきくなったよ」


お経をあげてもらったあと、私たちはお寺の墓地に移動する。


寒さのピーク。


喪服の下にシャツを着こんでも、
外の風の寒さには太刀打ちできない。


でも、だれも、「早く済ませよう」なんて言わない。


水道で水をくんで、雑巾で墓石を拭いて、ひしゃくで流す。


お花を換える。


手は真っ赤になる。


風が吹きすさび、お線香に火がつかない。


「これ使いなよ」


兄がスーツのポケットからライターを差し出す。


「たばこなんか吸うのか」と伯父。


「まあまあ」と兄。


お墓参り

そんなやりとりをしている間に、お線香の束の先が赤くともる。


ゆらゆらと煙が立ち昇った空に、雪がちらつきはじめた。


「おじいちゃんがよろこんでるのかなぁ」


いとこの子どもが無邪気につぶやく。


お線香を供えた後は、恒例のうなぎ屋での食事。


お酒を飲んで、心も体も温まる。


ぽかぽかして、いい気分だ。


真冬のお墓参りは大変だけど、
これがなくちゃ親戚となんてなかなか会えない。


お墓参りのたびに実感する。


おじいちゃんがくれたもの。


それは、血のつながったもの同士、
愛し合っているもの同士の数年に一度の共同作業。


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数に限りがございますので、ご希望の方は今すぐお申し込みください。

■お申込み方法

お申込みは第一石材までFAXまたはEメールにてお申込みください。
FAX・メールには、"「お墓物語」希望/マイベストプロ神戸"とご記入の上、
※お名前・ご住所・電話番号も必ずご記入ください。

・FAX:078・515・2737(24時間受付)
・メールでのお申込みはこちらまで
http://www.daiichisekizai.com/inquiry/site/

「お墓物語」は、近畿地方の方限定でお送りさせていただきます。
なお、部数に限りがありますので業者の方のお申し込みはご遠慮ください。


             
            ~つづく~



次回は、寺田聡さん(63歳・福岡県)の作品、
「お墓物語」をご紹介させていただきます。


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