「墓じまい」を考える前に読んでほしい物語(8) 「祖母の墓を抱きしめて」梅山太郎さん(74歳)

能島孝志

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テーマ:お墓物語

お墓にまつわるエピソード集「お墓物語」 

一見、同じように見えるお墓だが、実はそれぞれのお墓には、
それぞれの思いと数々のエピソードがあります。

全国の墓石を含む石材関連業者約1,300社が加盟する、
日本最大の業界団体である、(一社)日本石材産業協会では、
お墓にまつわる感動的なエピソードを集めた小冊子、
「お墓物語」を、2011年3月に発行いたしました。(非売品)


お墓にまつわるエピソード集「お墓物語」

「お墓物語」を発行するにあたり、作品を募集したところ、
全国各地から数多くの応募作品が寄せられました。


その中から33名の方の作品がこの小冊子に収められています。


涙あり、笑顔あり、驚きありの素晴らしい物語ばかりです。


マスコミ等で「墓じまい」ばかりが大きく取り上げられる昨今において、
「お墓ってこんなに素晴らしいものなんだよ」ということを、
今一度、一人でも多くの人に気づいていただければと思い、
ここに、33話、全ての物語を順にご紹介させていただきます。

これまでに、以下の7つのをご紹介いたしました。

「お墓物語」作品紹介(1)「祖母との出会い」/三浦るるさん
「お墓物語」作品紹介(2)「お墓参りの不思議」/伊東徳久さん
「お墓物語」作品紹介(3)「祖父のお墓で」/水野真由美さん
「お墓物語」作品紹介(4)「おはからい」/漣ほたるさん
「お墓物語」作品紹介(5)「星よりも近く」/倉木敬人さん
「お墓物語」作品紹介(6)「泣き虫」/藤田徹朗さん
「お墓物語」作品紹介(7)「田舎のお墓を訪れて」/長坂隆雄さん

今回は、大阪府在住の梅山太郎さん(74歳)の作品、
「祖母の墓を抱きしめて」 をご紹介させていただきます。
心温まるエピソードを通じて、家族や大切な方との絆や、
命の尊さを考えていただくきっかけになればと考えております。


「祖母の墓を抱きしめて」/梅山太郎さん(74歳・大阪府)  

祖母は明治の半ば、奈良の寒村(かんそん)で、
私の母を私生児(=非嫡出子)として生んでいる。

祖母はその後、男運が悪かったのか不幸な生涯を送り、
他郷にやせ衰えてのたれ死んだらしく、
身内でもいまだに「身持ちの悪い女じゃったげな」、
と非難する者もいる。

しかし、たとえどんな女だったにしろ、
私の母を生んでくれた祖母が、
それではあまりにも可哀そうであり、
常々お墓参りに行こうと思うも、
何故か誰も口を閉ざして語らず、
その場は杳(よう)として分からなかった。

ところが、2年前、遠縁にあたる人が、
「俺も先は長くないから」と、
祖母のお墓の場所を詳細に教えてくれた。

初冬のある日、奈良山間の然る村を訪ね、
村はずれの川端の狭い墓地の片隅に捜し当てた。

小さな墓石に刻まれた俗名を、
指先で確かめるうちに、
見知らぬ祖母に会えたような気がして胸が熱くなってきた。

冷たい川風蕭々(しょうしょう)とするなか、
私は知らず識(し)らずブルゾンを脱ぎ墓石に着せ、
「祖母よ、私は孫だよ。私の母を父無し子として身籠り、
苦渋の涙を流しつつも、よくぞ産み育ててくれた。
私がこの世に紡がれているのも、
祖母のおかげだよ、ありがとう」

呟いていると、折からの時雨に墓地周辺の竹藪が、
ざわざわとするその音が、
あたかも祖母がすすり泣いているように聴こえてならず、
私は思わず墓石を抱きしめた。

一雫(しずく)一雫と溢れ落ちる涙で、
冷たい墓石を濡らすうちに、思いが祖母に通じたのか、
墓石が心なしか温もりを帯びてくるように、
感じてならなかった。

墓石の建立は祖母の弟の名で、
既に60余年の歳月を経ており、
弟が姉を哀れんで建立したと思われるとともに、
このお墓の御陰でお参りすることができ、心から感謝した。


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お申込みは第一石材までFAXまたはEメールにてお申込みください。
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・FAX:078・515・2737(24時間受付)
・メールでのお申込みはこちらまで
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なお、部数に限りがありますので業者の方のお申し込みはご遠慮ください。


             
            ~つづく~



次回は、森下純一さん(37歳・山口県)の作品、
「祖母VS母・お墓バトル」をご紹介させていただきます。


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