「墓じまい」を考える前に読んでほしい物語(3)「祖父のお墓で」/水野真由美さん(20歳)

能島孝志

能島孝志

テーマ:お墓物語

お墓にまつわるエピソード集「お墓物語」 

一見、同じように見えるお墓だが、実はそれぞれのお墓には、
それぞれの思いと数々のエピソードがあります。

全国の墓石を含む石材関連業者約1,300社が加盟する、
日本最大の業界団体である、(一社)日本石材産業協会では、
お墓にまつわる感動的なエピソードを集めた小冊子、
「お墓物語」を、2011年3月に発行いたしました。(非売品)


お墓にまつわるエピソード集「お墓物語」

「お墓物語」を発行するにあたり、作品を募集したところ、
全国各地から数多くの応募作品が寄せられました。


その中から33名の方の作品がこの小冊子に収められています。


涙あり、笑顔あり、驚きありの素晴らしい物語ばかりです。


マスコミ等で「墓じまい」ばかりが大きく取り上げられる昨今において、
「お墓ってこんなに素晴らしいものなんだよ」ということを、
今一度、一人でも多くの人に気づいていただければと思い、
ここに、33話、全ての物語を順にご紹介させていただきます。

これまでに、以下二つのをご紹介いたしました。

「お墓物語」作品紹介(1)「祖母との出会い」/三浦るるさん
「お墓物語」作品紹介(2)「お墓参りの不思議」/伊東徳久さん

今回は、神奈川県在住の水野真由美さん(20歳)の作品、
「祖父のお墓で」をご紹介させていただきます。
心温まるエピソードを通じて、家族や大切な方との絆や、
命の尊さを考えていただくきっかけになればと考えております。


「祖父のお墓で」/水野真由美さん(20歳・神奈川県) 

祖父の墓に手を合わせた後、私は父に問いかけた。


「ねぇ、おじいちゃんが亡くなったとき、お父さんは悲しかった?」


答えはもちろん分かっていたが、なぜか問わずにはいられなかった。


「ああ、とても悲しかったよ」と父は少し寂しげに答えた。


父の父、つまり私の祖父は生まれつき身体が弱く、50代で亡くなった。


祖父は自分の妻と息子二人、娘一人と暮らしていたのだが、
長男と長女は生まれつき精神的な障害を持っていた。

そのため祖父が亡くなってからは、祖母と次男である父は、
いくつもの大きな苦労を乗り越えて生きてきたと言う。


父、母、祖母と共に墓石をきれいにし、周囲を掃除した。


その後、再び手を合わせた。


私は会ったことのない祖父に心の内で語りかけた。


『おじいちゃん。おじいちゃんは天国に行く前、
どんなに家族のことが心配だったろうね。
特に伯父さんと伯母さんのことが。どんなに気にかけていただろうね』


祖父の無念さを思うととても切ない気持ちになった。


「真由ちゃんが来てくれたよ。嬉しいでしょう」と祖母が呟いた。


墓地を後にし、帰りの途中の茶屋で休憩することになった。


父は私が団子を注文したのを見て、「お父さんも小さかったころ、
お墓参りの後にここで団子を食べたよ。それが嬉しくて、
いつもお墓参りは楽しみだったなあ」と懐かしそうに口を開いた。

「そうそう、あんたは昔から食いしん坊だった」
祖母がうんうんとうなずき、それを聞いて母が「まあ」と笑った。

「確かにおいしい、このお団子」
口を動かしつつ、私は言った。


私も食いしん坊。


父も、そしてもしかしたら、祖父もそうだったのかも。


茶屋から出て、夕暮れの中を歩く。


父、母、祖母の背中を見つつ、私はまた祖父に語りかけた。


おじいちゃん、生きてくれてありがとう。


私のお父さんを育ててくれてありがとう。


おかげで、今私は大切なみんなと一緒に生きていられるよ。


「お墓物語」を無料プレゼントいたします!

「お墓物語」をマイベストプロ神戸をご覧の方に無料でプレゼントいたします。
数に限りがございますので、ご希望の方は今すぐお申し込みください。

■お申込み方法

お申込みは第一石材までFAXまたはEメールにてお申込みください。
FAX・メールには、"「お墓物語」希望/マイベストプロ神戸"とご記入の上、
※お名前・ご住所・電話番号も必ずご記入ください。

・FAX:078・515・2737(24時間受付)
・メールでのお申込みはこちらまで
http://www.daiichisekizai.com/inquiry/site/

「お墓物語」は、近畿地方の方限定でお送りさせていただきます。
なお、部数に限りがありますので業者の方のお申し込みはご遠慮ください。


             
            ~つづく~



次回は、漣ほたるさん(28歳・大阪府)の作品をご紹介させていただきます。

お墓・墓石の無料相談窓口のご案内

「何を基準にお墓を選べば良いのか分からない?」


一般消費者にとって極めて分かりにくいあらゆるお墓の疑問を、
(一社)日本石材産業協会認定、「お墓ディレクター1級」資格者、
㈱第一石材・代表、能島孝志がズバリ解決いたします。(相談無料)


お墓・墓石の無料相談窓口

なお、お墓に関するご相談や、墓地での詳細説明につきましては、
お客様ごとに私・能島孝志が個別に対応させていただいております。

せっかくご来社いただいたにもかかわらず、お会いできなかったり、
お待たせすることがないよう、事前予約をお願いしております。

以下の「お墓の無料相談 予約カレンダー」をご確認の上、
お電話にてご予約頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。

[お墓の無料相談 予約カレンダー]
http://www.daiichisekizai.com/reservation/


私ども、第一石材では、しつこい売り込みや、自宅への訪問営業、
電話での後追いなどは一切いたしておりませんのでご安心ください。

防水構造を備えたお墓「信頼棺®」の詳細はコチラ!


第一石材がお墓の悩みをすべて解決!

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

能島孝志
専門家

能島孝志(1級お墓ディレクター)

株式会社第一石材

「お墓はどこで建てても同じ!値段もたいして変わらないだろう?」なんて思っていませんか?建ててからでは手遅れです。一般消費者には分かりにくい、お墓の悩みを「1級お墓ディレクター」の能島孝志がズバリ解決!

能島孝志プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る
  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神戸
  3. 兵庫の冠婚葬祭
  4. 兵庫の墓石・石材店
  5. 能島孝志
  6. コラム一覧
  7. 「墓じまい」を考える前に読んでほしい物語(3)「祖父のお墓で」/水野真由美さん(20歳)

能島孝志プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼