お墓は要る!要らない?(11)『先祖の話』解説講演会⑧氏神様もボディガードを雇う?

能島孝志

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テーマ:先祖供養

(1)近年における葬送の変化
(2)「生と死の尊厳」の回復
(3)『先祖の話』解説講演会開催
(4)『先祖の話』解説講演会①人は死んでも生きている?
(5)『先祖の話』解説講演会②お墓ってなんだろう?
(6)『先祖の話』解説講演会③肉体と魂の行き場所
(7)『先祖の話』解説講演会④ご先祖様を招く方法?
(8)『先祖の話』解説講演会⑤霊は融合合体できる?
(9)『先祖の話』解説講演会⑥天皇家の氏神様がどこの家にもあ
(10)『先祖の話』解説講演会⑦お正月とお盆

〜上記のコラムからの続きです〜


以下は、2014年9月23日(火・祝)に神戸国際会館で行われました、
小畠宏允氏による、『先祖の話』解説講演会の内容を解説したものです。


日本では4つの場所で先祖供養を行っている


私たちがご先祖様をお祀りするところは全部で4つあります。


1.初詣に神社へ行く。

2.家に神棚を祀る。

3.家で仏壇に手を合わす。

4.お墓参りに行く。


これらは全て先祖祀りをしていることなのです。

えびす神社

「いやいや、私が毎年初詣に行くのは戎神社だから氏神様ではない!」

「だから、そこにはご先祖様は居ないはず!」

…なんて、言う人もいるでしょう。


そんなことはありません、ちゃんといらっしゃいます!


皆さまが初詣に行かれるどこの神社にも、
裏側に回ると小さな祠が1つあるはずです。

神社の裏手にある氏神様を祀る小さな祠

ここが、氏神様を祀る、ほんのささやかな祠なのです。


本当は、ここに初詣に行っているのです。


 

氏神様(ご先祖様)もボディガードを雇う?


ただ、「戎さん」や「八幡さん」などは、とても力のある神様ですが、
氏神様(ご先祖様)にあまり力のない場合があります。

もし、氏神様(ご先祖様)に力が無かったら、
子孫を疫病などから守ってやることができません。


加護してあげられないのです。


そのため、昔の人は、氏神様(ご先祖様)より力のある神様の霊を、
氏神様(ご先祖様)と一緒にお祀りし、守ってもらおうと考えたのです。

お寺の山門にある大きなワラジ

お寺の入り口に大きな草鞋(わらじ)が飾ってあったり、
浅草、浅草寺の雷門には、800kgの重さの提灯があります。

浅草寺・雷門の大提灯

こんな大きな草鞋を履いたり、800kgの提灯を片手で持って歩くような、
大男、つまりボディーガードのような神様がいるのです。


そんな怖いやつがいると、ちょっと近寄りがたいですよね!


それが「八幡さん」などの力のある神様なのです。

八幡さんを看板にしておけば誰も寄って来ない。

八幡神社

氏神様にはあまり力がありません。


そこで、全国的に有名な、力のある「八幡さん」などの神様を、
分霊として頂きそれぞれの神社の表看板として祀ったのです。

そして、地元の氏神様(ご先祖様)を祀る鎮守の森の神社の名前を、
「○○八幡」にしよう、「△△戎」にしようとなったのです。

子孫を守るために考えた、ここまでは良かったのですが、
いつの間にか氏神様(ご先祖様)の存在を忘れてしまい、
今では、表看板の神様だけをお祀りするようになってしまったのです。


         ~つづく~


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能島孝志
専門家

能島孝志(1級お墓ディレクター)

株式会社第一石材

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