お墓は要る!要らない?(6)『先祖の話』解説講演会③肉体と魂の行き場所

能島孝志

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テーマ:先祖供養

(1)近年における葬送の変化
(2)「生と死の尊厳」の回復
(3)『先祖の話』解説講演会開催
(4)『先祖の話』解説講演会①人は死んでも生きている?
(5)『先祖の話』解説講演会②お墓ってなんだろう?

〜上記のコラムからの続きです〜


以下は、2014年9月23日(火・祝)に神戸国際会館で行われました、
小畠宏允氏による、『先祖の話』解説講演会の内容を解説したものです。


肉体と魂の行き場所


「肉体」と「霊」は別々ですよね。


肉体は死ぬと動かなくなりますが霊は動くのです。


では、「霊」と「お骨」の関係を、どう考えていたのでしょう?


この二つの関係を哲学的に解説したのが中国であり、
約2500年前に孔子が編纂した「礼記(らいき)」に書かれています。

礼記は、先祖祭祀の神事とルールが書かれたもので、
仏教伝来の538年よりも前の513年に日本に入ってきたのです。

『先祖の話』解説講演会 「魂魄」について

その礼記の中に「魂魄(こんぱく)」という言葉があります。


「魂」の文字の「鬼」は中国語で人が死んだ状態、「云」は雲の意味です。


「魂(たましい)」とは精神(人間の体内のエネルギー)を支える気であり、 
陽に属し天に帰るとされ、魂は軽く中国では天まで行くとされています。

「魂」は天に帰る

天は魂の故郷なのです。


魂は天からやって来て、肉体の寿命が尽きたらまた天に帰る。


実は、日本では「魂」は天まで昇りません。


このことについては、のちほどお話しさせて頂きます。


次に「魄(はく)」とは、肉体を支える気であり、
陰に属して地に帰るとされ、肉体は重く大地に還るとされています。


この「魄」とはいったいなんでしょう?


「魄」の文字の「白」がヒントです。


人が死んで白くなるもの、それは白骨です。


そう、お骨は大地に帰してあげましょうということなのです。


それは、人はみんな大地のものを食べて生きてきたから、
人の体はすべて大地の恵みでできているからなのです。


礼記には、海にまくとは説かれていませんでした。


その遺骨を大地に還す場所を「お墓」というのです。


       ~つづく~


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能島孝志(1級お墓ディレクター)

株式会社第一石材

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