「大島石墓石」の価格・ランク・品質を徹底解明!(10)大島石墓石とインド産墓石が同じ値段?
(1)大島石とはどんな石?
(2)大島石にはランク・等級があるのか?
(3)大島石特級でお墓をつくれば安心なのか?
(4)大島石墓石は本当に国産?
(5)日本と中国でつくる大島石墓石の素材の違い
(6)日本と中国では加工・製作方法が違う!
上記のコラムからのつづきです
(7)日本と中国では磨きが違う!
中国加工の大島石墓石でも問題ないと石材店に言われたが?
久しぶりのコラムの更新です。
日々の忙しさにかまけて、昨年8月のお盆依頼、約5か月ぶりです。
これまでのコラムでは、大島石とはどんな石なのか、また、その等級やランク、
そして、日本国内に流通している大島石墓石の大半が中国でつくられている事実をお伝えしてきました。
別に、中国で大島石の墓石をつくることが悪い事ではありません。
日本で加工・製作される大島石の墓石と同等の品質のものが安価で買え、
中国でつくられている事実を消費者に伝え、納得されての購入ならば問題はないでしょう。
ただ、私がこれまで見てきた中国加工の大島石墓石に関しての印象は、
日本国内でつくられるものと比較すると断じて同じであると言えません。
別に私が特別目利きができるわけでもなんでもありません。
ふだんお墓をじっくり見ることのない一般消費者の方々ならば分からないかもしれませんが、
石材店を営んでおられる方々なら、ほどんどの方がその違いは分かるはずです。
その最たるものが磨きの違いです。
「このお墓ピカピカだけど何か塗っているの?」
弊社の墓石ショールームにお越しになられるお客様からよく尋ねられる言葉です。
一般消費者からすると、ピカピカに磨き上げた墓石を見ると、
ワックスか何かを塗っているように思われるのも当然です。
▲熟練石職人による手動研磨
しかし、このピカピカに光った墓石の艶は、ワックスや薬品によっての艶ではなく、
石職人が手間暇かけて丁寧に磨き上げた石本来の艶なのです。
(実際にはワックスや薬品を塗って艶をだしている墓石も存在しますが…)
▲コンピュータ制御による自動研磨
研磨作業には、平面を磨くのに適したコンピュータ制御による自動研磨と、
スリンや花立や香炉、アール加工などの複雑な加工を行う手動研磨があります。
この研磨作業には、粗磨きから最終の本磨きの順で、
ダイヤモンド砥粒を用いた砥石で丁寧に磨き上げていくのですが、
この磨きの段階で製品の良し悪しが決まってしまうほどの重要な工程なのです。
▲石材研磨用のダイヤモンド砥石
日本国内の工場では、8~9工程の研磨工程を経て、
最後にバフという工程で仕上げるというのが一般的です。
中国の石材加工工場では、ここ数年の急激な経済成長による行員の減少により、
熟練工員の減少ならびに、3K職種のため新たな行員のなり手がいないというのが実情です。
そんな中、日本ではデフレ不況が長く続いたため、より安いものを求める傾向にあります。
墓石も同様です。
そうすると、中国加工の大島石を取り扱う石材商社としても、
少しでも安価で、中国の石材加工工場に加工を依頼することになるのです。
熟練工員の不足だけにとどまらず、全体的な工員不足に加え、
日本からの発注は短納期、行員はすべて出来高払い。
▲中国の石材加工工場での研磨風景
(写真と本文の内容とは一切関係ありません)
このような条件下で、中国の石材加工工場では、5工程程度の研磨で仕上げているのが一般的です。
(もちろん、加工単価を上げればきちんと磨いてもらえますが日本の磨きとは差があります)
また、磨きの光沢不足を隠すため、石の表面に薬品を塗って艶を出す等の行為を行い、
一時的な光沢で仕上げた墓石を製作している工場も中国には数多く存在します。
新しく建てたばかりのお墓はどれもピカピカに光っているため、
一般消費者の方々には磨きの良し悪しは分からないでしょう。
しかし、お墓は屋外にあるため、自然環境の影響を大きく受けます。
▲完全国内加工の庵治石細目墓石
しっかり丁寧に磨き上げた墓石は、長い年月を経ても艶持ちが良く、
石の奥深くからにじみ出てくるような深い光沢が長きに渡って続きます。
磨きが悪ければ、早ければ数年で艶がなくなり、墓石の表面が艶消しのようになります。
整髪料で固めたオヤジのテカテカ頭の髪の毛は、洗うと艶はなくなりますが、
天使の輪ができた少女の髪の毛はシャンプーをしてもピカピカのままです。
お墓も同じで、表面だけの艶はいとも簡単に落ちてしまいます。
それでも、あなたは中国で加工・製作された大島石墓石を買いますか?
~つづく~
『墓石大賞』受賞・5度の実績!
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