立場が変わっても、やはりお墓は必要ありませんか?
■お墓と宗旨・宗派①宗派について
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/29847/
■お墓と宗旨・宗派②法相宗/興福寺・薬師寺(奈良県)
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/29862/
上記のコラムからのつづきです。
中国で唐の時代に賢首(けんじゅ)大師法蔵(643~712)という高僧が開いた宗派です。
『華厳経(けごんきょう)』という経典に基づき、
この経典に説く毘盧舎那如来(びるしゃなにょらい)の
蓮華蔵世界(れんげぞうせかい)を観察し、
その世界に赴くことを目的としています。
蓮華蔵世界というのは世界の中心にいる毘盧舎那如来が、
無数の釈迦を生み出し衆生(すべての人々)を救済し続けるという世界です。
日本には天平8年(736)に唐の道璿(どうせん)が『華厳宗』を伝え、
天平12年(740)に法蔵の弟子だった審祥(しんじょう)が、
この経典を講義して教理を伝えたとのことです。
そして、この教えを受けた良辨(ろうべん)が
東大寺を拠点にその教えを広めたのであります。
▲華厳宗総本山、奈良の東大寺
良辨を開基として東大寺が開かれ、華厳宗の教理にしたがって、
毘盧舎那如来(大仏)を安置する東大寺を総国分寺として各国に国分寺がつくられました。
国分寺計画は『華厳宗』に説く蓮華蔵世界を地上に再現しようとしたもので、
世界の中心(東大寺)にいる毘盧舎那如来が、生み出した釈迦如来を各国の国分寺に安置し、
その威光によってすべての人々を救おうと考えたのでした。
国分寺計画を推進したのは聖武天皇だったが、
この計画を立案したのは良辨を中心とする僧侶たちだったと考えられます。
▲奈良、東大寺の大仏様
奈良時代の末から、平安時代の前半にかけて、しばらく衰退していたが、
平安時代の天暦元年(947)には光智(こうち)という僧侶(東大寺中興の祖といわれる)が、
東大寺に尊勝院と称する華厳宗の専門道場を建て、再び盛んになりました。
その後は鎌倉時代から江戸時代まで数々の学僧を輩出しました。
明治の初年には一時、浄土宗に所属することになったが、
同19年(1886)には独立して再び華厳宗に戻りました。
現在は東大寺を大本山に50箇寺ほどの寺院が華厳宗に所属しています。
~つづく~
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