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コラム

お墓と宗旨・宗派②法相宗/興福寺・薬師寺(奈良県)

供養

2012年8月20日 / 2014年8月1日更新

■お墓と宗旨・宗派①宗派について
http://mbp-kobe.com/daiichisekizai/column/29847/


上記のコラムからのつづきです。



奈良時代から続く宗派の中で、法相宗(ほっそうしゅう)は、
「唯識論(ゆいしきろん)」という思想を研究する宗派です。

唯識とは文字通り、ただ(唯)、識(心)だけが存在するという意味で、
この世の中の存在はすべて心が創り出したものとする思想であります。


法相宗の起源はインドにあり、七世紀に三蔵法師でおなじみの、
玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)が中国に伝えたのが始まりです。

玄奘は当時、中国で唯識論の経典が不備だったため、
これを求めて西域、インドの17年間にわたる厳しい求法の旅を敢行したのであります。


玄奘がもたらした唯識の経典に基づいて、
その弟子の慈恩大師窺基(じおんだいしきき)が一宗派を大成しました。

これが、法相宗、あるいは唯識宗、慈恩宗とも呼ばれるものです。

日本には入唐して玄奘や窺基に師事した道昭という僧侶が、
白雉(はくち)4年(653)に、奈良の元興寺に伝えたのが最初です。



▲法相宗大本山、奈良の興福寺


その後、入唐して唯識を学んだ玄肪(げんぼう)という学僧が、
奈良時代の天平宝亀3年(717)に、奈良の興福寺に伝えました。

そして、法隆寺や薬師寺なども法相宗に属し、
南都仏教(奈良仏教)の宗派の中では中心的な役割を果たしました。



▲法相宗大本山、奈良の薬師寺


現在は興福寺と薬師寺を大本山として、20ヵ寺ほどの寺院があります。

かつては法隆寺も大本山の一つだったが、
昭和25年(1950)に独立して、聖徳太子にちなんで聖徳宗と改名しました。


このとき、近くにあって法隆寺と関わりの深い、
法輪寺や法起寺といった寺院も聖徳宗と号するようになりました。

また、京都の清水寺は興福寺の傘下にあり、
もともとは法相宗の系統だったが、
戦後は独立して北法相宗を名乗るようになりました。


法相宗をはじめとする奈良時代から続く
宗派の寺院のほとんどは檀家を持ちません。

だから、法隆寺や薬師寺なども檀家制度が敷かれた
江戸時代ごろには極度に経済的にひっ迫しました。

檀家からの奇進などが見込めず、
葬儀や法要を営んで布施を受け取ることもなかったようです。

そんな中、薬師寺は戦後になって高田後胤(たかだこういん)師の
写経勧進により、金堂や講堂などの諸堂が再建されました。

また、興福寺や法隆寺(聖徳宗と改名)なども飛鳥、奈良時代の
貴重な文化遺産が見直され、法相宗の面目を保っています。




          ~つづく~




※引用文献:日本石材工業新聞 第1894号




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