お墓の選び方②墓地の種類と場所で選ぶ【その2】みなし墓地
~前のコラムからのつづきです~
近年は、中国の経済成長に伴い物価の上昇が続いています。
それは、墓石の価格についても例外ではありません。
中国で製作された墓石の値上げについては、
ここ数年、毎年のように取りざたされていますが、
今年も例外ではなく避けて通れない問題となっています。
すでに昨年(2011年)末には日本側に値上げを通知している
中国側の石材加工工場・商社や、今年(2012年)1月1日から、
旧正月の休み明けから、など時期は少々異なるものの、
値上げを希望する工場・商社がほとんどであります。
この、中国産石材加工製品値上げの背景には、
中国の物価や賃金の上昇、人民元高等の要因はもちろんあります。
しかし、それ以前に中国の石材加工工場向けに日本が発注する
墓石等の加工内容と支払う加工賃の不均衡が挙げられます。
これは、どういうことかを説明いたします。
量を表す単位は、一般的に1m×1m×1m=1㎥(リュウベイ)と呼びますが、
石材の量は1尺×1尺×1尺=1才(切・サイ)という単位を使います(1尺=30.3㎝)。
墓石用の原石の買い付けをする時などにはこの単位を使います。
「才単価●●円の■■石を▲▲才!」という風に…
ちょうど、お肉屋さんで「100g、150円の豚ロース肉を500g!」といった感じです。
もちろん、これは採掘されたままの原石の値段であって、
墓石等の石製品として製品加工された値段ではありません。
豚肉を買うのと「トンカツ」を買うのと値段が違うのと同じです。
これらの原石を墓石等の石製品として加工・製作を加工業者に依頼する際には、
先ほどの原石の「才」あたりの単価に加工賃を加えた「丸才単価」というものが基準となります。
この「丸才単価」なるものには、墓石等の基本加工賃が含まれておりますが、
その形は、あくまでも伝統的な和型の3段墓が基本となり、
複雑な形や、加工に時間と手間を要するものには別途加工賃がかかってくるのです。
その別途加工賃は数万円から、蓮華加工やデザイン墓石などは
十数万円から数十万円といった加工賃が必要になってきます。
日本では従来から、このような価格設定のもとに墓石等の石製品がつくられています。
ところが中国では、1980年代に日本が中国に石材加工の技術を供与した頃に
日本側が中国の石材加工工場と取り決めた製品加工単価の設定方法に問題があるのです。
それは、どんな形のお墓をつくってもすべて「丸才単価」というものです。
豚肉だけを買っても「トンカツ」に揚げてもらっても値段は同じということです。
1980年代頃の日本国内における墓石のカタチといえば、
大半が昔からの伝統的形状の和型3段墓でした。
少し変わった墓石といえば、「オルガン型」と呼ばれる
高さの低い横型のシンプルな洋型墓石くらいでした。
それも、ほとんどがキリスト教信者の方の墓石に限定されていました。
それゆえに「丸才単価」であっても十分対応が出来たのです。
ところが、近年においては、外柵に複雑な意匠を加えた和型墓石や、
オリジナルデザイン墓石にみられるアール加工の多様など、
お墓のカタチが画一的な形状ではない時代となっています。
そうなっても、蓮華加工の様な特に複雑な加工を除いては、
中国における石材加工の単価はつい最近まで「丸才単価」だったのです。
通常の和型3段墓をつくるのに比べると何倍もの時間と手間を要しているのに
金額は和型3段墓と全く同じという奇妙な価格設定がこれまで長く続いてきました。
そのため、日本の石材店側もいくら複雑な加工の墓石を中国に発注しても、
石の量が変わらない限り金額が変わらないのを良いことに、
お客様がそこまでの要求をしていないにもかかわらず、
墓石のあちこちに必要以上の複雑な加工を加えた、
派手さだけが目立つ「デザイン墓石」とはほど遠いお墓も登場してきました。
お肉屋さんで豚肉を買う時に、お肉の代金だけで
「トンカツ」に揚げてもらうだけではなく、
「トン汁」と「お漬物」のサービスもお願いし、
さらに「ご飯」と「キャベツ」のおかわり自由も要求するのです。
さすがに、ここまでくると中国の石材加工工場側としても、
特別加工に対する値上げを要求せざるを得ない状況となったのです。
これらの経緯がここ数年の中国で加工・製作される
石製品の値上げにつながった大きな要因の一つに挙げられるでしょう。
~つづく~
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神戸の「お墓のプロ」、(株)第一石材・能島孝志の神戸新聞取材記事はこちら!
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神戸・兵庫・阪神間の“いいお墓づくり”は「和型墓石」から「デザイン墓石」まで第一石材へ
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