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国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?⑤日本と中国の墓石加工方法の大きな違い!

2012年12月17日 公開 / 2014年8月1日更新

テーマ:お墓・墓石

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: 墓石 種類お墓

■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?①よく分からないお墓の選択基準?
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/32958/
■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?②どこの誰が作るかが重要!
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/32997/
■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?③「国産」の定義とは?
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/33001/
■国産墓石と中国産墓石のどっちが良いのか?④産地近くでの加工がベスト!
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/33088/

上記のコラムからの続きです


これまでのコラムの中で頻繁に登場してきました、
「通称国産墓石」と「純国産墓石」の2種類の国産墓石?

前者は、日本の石を中国の石材加工工場で作られた墓石、
後者は、日本の石を日本国内の石材加工工場で作られた墓石という意味です。


「通称国産墓石」と「純国産墓石」のどっちが良いのか?


…という問題について考えるにあたり、
先ずは、日本と中国の石材加工工場とでは、
墓石の加工方法が根本的に異なるということです。

「天目取り」にて小割りをした原石
▲「天目取り」にて小割りにした原石

木に柾目、板目という木目があるように、
大地の自然から採掘される石にも石目があります。

日本で採石される石の多くは、切り出される石の方向によって、
目の細かな面、目の粗い面など石の色目や目合いが異なります。

東日本方面で採掘される石についてはよくわかりませんが、
西日本を代表する高級墓石材の一つである四国・愛媛県産「大島石」は、
“目肌”と呼ばれる面と“しわ肌”と“二番肌”の石目の面があります。

“しわ肌”が最も石目が細かく見た目にも綺麗な面で、
“目肌”は目の粗いあまり美しくない石目の面となります。

これらを墓石として加工製作する時に、
墓石が完成した際に正面に立って見える前面には、
最も綺麗な面である“しわ肌”の面を使用し、
目の粗い“目肌”をあまり目立たない天場(上面)にします。


これを『天目取り』と言って「大島石」が最も綺麗に見える作り方なのです。


「大島石」に限らず、墓石材の最高級ブランドである
四国・香川県の「庵治石」や九州の銘石で最近人気の高い
佐賀県産「天山石」なども同様の方法で作られているのです。

屋島より庵治石採石丁場・五剣山を望む
▲屋島より庵治石採石丁場・五剣山を望む

数千年前から1億年以上前に火山活動を中心とした地殻変動が起き、
地中深くでマグマがゆっくり冷えて固まり変成してできた花崗岩が
その後の地殻変動で隆起し、日本列島の基盤になったと言われています。

そうして気の遠くなるような年月を経て石が形成される過程において
地下水の進入路のとなった「水みち」と呼ばれる水の道があります。

雨水はこの石の水みちを縦の目に沿って下部へ抜けていきます。
横目の石目で作った墓石はしみこんだ水が抜けにくく、
冬場の凍結による水の体積膨張の繰り返しにより風化の原因となります。

石工職人はこの縦目の石目を「天目」と呼び、
美しく耐久性に優れた「こだわりのお墓づくり」を続けています。


つまり、見た目の美しさと、耐久性との両方を考え、
作られているのが『天目取り』にて作られる墓石なのです。


日本の墓石加工工場ではこのような工程を経て
一つ一つの墓石が作られていくのですが、
中国における「通称国産墓石」の加工工程においては、
日本のように『天目取り』にて墓石を作ることはいたしません。


なぜならば、原石の「歩留まり」の問題です。


日本の石をわざわざ中国に運んでまでお墓を作るということは、
できる限りコストを下げるということが第一目的のため、
原材料にロスの出る加工方法は販売価格を考えると選択できません。

ただ、日本の石材加工工場のすべてが『天目取り』にて、
墓石の加工製作を行っているわけではなく、
やはり、コストを下げるために中国の加工方法と同様、
石目・色目を合わせをせずに墓石の加工製作を行っている工場も多数あります。


日本の石材加工工場にて『天目取り』で作られた「純国産墓石」は、
石目・色目がそろった美しい仕上がりの墓石となりますが、
中国の石材加工工場で作られた「通称国産墓石」は、
パッチワークの様に、まるで異なる石で作ったかのような、
石目・色目の違う墓石に仕上がる可能性は否定できません。

これらは「プロが見ないとわからないのでは?」というものだけではなく、
一般の消費者の方が見てもわかる程ひどい状態の墓石もしばしば見受けられます。

中国の石材加工工場では、これらを美しく見せるために、
原石の薬品処理、熱処理、薬品、オイルなどを使用して、
様々なこまかし加工が施された「通称国産墓石」が作られています。

【注釈】これらごまかしの手法は元々は日本の発注元が中国の石材加工工場に対して
技術指導(はたして技術指導と言えるたぐいのものか?)をして行われてきたもので、
モラル的にはどうかと思いますが、現行の法律では規制できないのが現状です。


これらは、消費者の手元に届いた時には美しく化粧が施されているため、
墓石が新しい内はなかなか見分けがつきにくいやっかいな代物です。


ここまで知っても、あなたは中国の石材加工工場で作られた
「通称国産墓石」を少しばかり安いという理由だけで選びますか?


本当に良い「純国産墓石」をご希望されるなら、
原石の採石丁場との人間関係が非常に良好で、
極めて高いレベルの技術力を有する石工職人をかかえ、
妥協を許さない巧みの技をもって墓石を作ってくれる石材加工工場と
直接対話ができる関係を持った石材店を選ばれることがすべてです。


やはり、どんな商売でも最終的には人間関係です。


例えば、あるレストランが貴重なヴィンテージワインを
たまたま酒屋さんを通して手に入れたとしましょう…。

さて、その店の店主は、この貴重なワインを誰に勧めるでしょうか?

初めて来られたお客様でしょうか?

それとも、いつも贔屓にしていただいている常連のお客様でしょうか?

普通に考えれば、やはり常連様でしょうね!


墓石も同じく、原石の採石場で採れた最も良い石は、
長い年月つき合いのある加工工場に卸されます。

そして、その加工工場は、最も良い石で作った墓石を、
どこの石材店に卸すかによって墓石の善し悪しのほぼすべてが決まります。

そうなってくると、良いお墓づくりを考えられるのならば、
いかに、良い石材店に出会うかが非常に重要な問題となるのです。

香川県、庵治・牟礼の石材加工工場で作る「角花瓶型花立」
▲香川県、庵治・牟礼の石材加工工場で作る「角花瓶型花立」

以上のような理由をもって、私ども第一石材では、
中国の石材加工工場で作られた通称「国産墓石」と称するものは、
たとえ、「花瓶型花立て」等の付属品一つにしても取り扱っておりません。

こんな中途半端な「国産墓石」を選ぶのなら、
中国やインドをはじめとする外国産の石材を
中国の石材加工工場で作られた墓石を選ばれる方が
よほど賢明な選択じゃないかと思うのが私の私見です。


…とは言っても、どんな中国製品でも良いわけではなく、中国の中でも技術的に優れ、
ごまかしをしない石材加工工場で作られた墓石であるということが前提ですが。


では、中国の中でも「良い工場」と「悪い工場」では、
どのように、どの程度、出来上がってくる墓石に差が出るのでしょうか?



          ~つづく~



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この記事を書いたプロ

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お墓のプロ

能島孝志(株式会社第一石材)

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