残したい日本の良き風景 〜秋のお彼岸〜

能島孝志

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テーマ:供養

残したい日本の良き風景 〜秋のお彼岸〜

『偲』残したい日本の良き風景 〜秋のお彼岸〜

今年も早いもので、秋のお彼岸の時期が近づいてきました。
日本のほとんどの家では故人の冥福を祈り、
ご先祖様に感謝の報告をするため、
お彼岸には「お墓参り」をする習慣があります。

春分・秋分の日を中心に前後3日間を加えた1週間がお彼岸と言われています。

「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、
春分・秋分の日はちょうど季節の変わり目にあたり、
農業では欠かせない大切な目安となる日です。

そんな大切な時だからこそ日本人は昔から、
ご先祖様や亡き人を偲び、お墓参りをしてきたのです。

ですから、自然や季節感を忘れがちな現代の人たちにとって
「お彼岸」は太陽(お天道様)やご先祖を思い起こすのに良い機会です。

日々の生活が忙しく、お墓参りが大切なことだとわかってはいても、
なかなか出来ないのも現状かもしれません。

しかし、できるだけ家族揃ってお墓参りをしながら、
自然の恵みとご先祖様のおかげで今現在の自分と家族があることを心から感謝し、
故人を偲ぶ日が日本のお彼岸ではないでしょうか。

彼岸花が咲く頃、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、
そして子どもたちが連れ添ってお墓参りに出かけ、手を合わす。

これも残しておきたい日本の良き風景の一つのように思います。


※朝日新聞系コミュニケ誌「あさひGF」に2010年2月号から
隔月連載(計7回)にてコラムを担当させていただきました。



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