会社の会議:参加者にコミュ力は必要なのか:会議に必要な能力を考察する
このコラムは、ビジネスパーソンの方々を対象に書いています。
このコラムは、「会議を活性化するために、議論を見える化しよう」というテーマで書きます。
ここでいう会議とは、議論し意思決定し、さらに誰が何をいつまでに実施するのかを合意形成し、そして今後どのように実施状況を追跡するのかを合意する会議です。
単純な情報伝達の場ではありません。
さて、「人と人が議論し合意形成をする。この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする。」という行為を活性化して、短時間で濃い議論をするためには、議論を見える化することが鍵となります。これは、リアルな会議室で対面で開催される会議でも、非対面でのオンライン会議でも、あるいはリアルな会議室からの参加者もいるしオンラインでの参加者もいるというハイブリッド型でも、当てはまることです。
このコラムでは多数の画像を貼り付けています。すべての画像はタップやクリックで拡大することができますので、適宜拡大してご覧ください。
このコラムは次の3つの章で構成します。7分程度で読める内容です。
私は、ファシリテーションを核としたコンサルティング・サービスを営んでいる個人事業主です。屋号を BTFコンサルティングといいます。BTF は Business Transformation with Facilitation の頭文字をとりました。トランスフォーマーという映画をご存知の方がいらっしゃると思います。クルマがロボットに変身したり、ロボットがクルマに変身したりする映画です。トランスフォーメーション(transformation)とは変身させることです。ビジネス・トランスフォーメーションとはビジネスを変身させてしまうことです。ビジネス変革とも言われています。「ファシリテーションを活用してビジネス変革を実現して欲しい、そのために貢献したい」と考え、この屋号にしました。
ファシリテーション。Facilitationという名詞です。「人と人が議論し合意形成をする。この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする。」これを実現するためにはどうしたら良いのかという課題を科学的に考え、試行錯誤を繰り返しながら作りあげられた手法、これがファシリテーションです。ファシリテーションをする人をファシリテーター (facilitator) と言います。
1. 科学的な知見の共有
この章では、議論の見える化について、なぜ議論の見える化が大切なのかを、科学的な知見を用いて説明します。
下の画像をご覧ください。TRADITIONAL MEETINGとありますので、伝統的な会議という感じでしょう。4人が会議室に集まって何かを話し合っているようです。文字や絵はありません。言葉だけがやりとりされています。あなたが参加する会議はどうですか?
さて、下の画像を見てください。VISUAL COLLABORATIONとありますので、ビジュアルな協働という感じでしょうか。4人はホワイトボードの前にいるようです。絵を描きながら議論しているようです。言葉だけではなく、絵(画像)を用いています。この画像では見えませんが、おそらく文字も使っているのでしょう。そして、何かのアイデアが合意されたようです。
人が互いにコミュニケーションし始めたのは約3万年前だそうです。言葉を使い始めたのは3700年前だそうです。約2万6300年間はビジュアルな情報を用いてコミュニケーションを取っていたそうです。つまり人類のコミュニケーションの歴史のほとんどの時代は言葉がなかった、ということです。ビジュアルな情報でコミュニケーションを取っていた時代がとても長かったのです。
(参照:"Do Visuals Really Trump Text?")
Allan Paivio という米国の心理学者の "dual-coding theory" という研究があります。"dual coding" とは、視覚的情報と言語的情報の2つ(dual)を脳に記憶する(coding)することです。情報を呼び出すときに、視覚的情報と言語的情報の2つのうちどちらか1つを呼び出すこともできるし、両方を呼び出すこともできます。1つの情報だけを記憶する場合と比較して、記憶に残る可能性が高まるという理論です。
頭脳の感覚神経の75%は視覚に使われているそうです。そして、画像は言葉よりも記憶に残るそうです。前の段落の人類のコミュニケーションの歴史を考えると、ヒトの脳がそのように進化しているということに頷けます。
3日後に覚えている確率は、文字と画像の場合は65%、文字のみの場合は10%だそうです。言葉のみの場合はどうなのでしょう。書かれていなかったのでわかりません。多分よほどインパクトの強い言葉でなければ忘れ去られてしまうのでしょう。
1時間の会議が進行しているとしましょう。TRADITIONAL MEETING(伝統的な会議)のように言葉だけで議論しているとしましょう。40分が経過しました。30分前に何が議論されていたのか、何が決まったのか、どういうロジックでそう決まったのか、ちゃんと言える人は少ないのではないでしょうか。そもそも、そういうことを記憶(脳に記録する)することにあなたのエネルギーを使うべきなのでしょうか。記録はホワイトボードを活用して、あなたの貴重なエネルギーは議論そのもの、もっと言うとアイデアの共創に使うべきではないでしょうか。
これらの科学的知見から導き出されることは、画像というかビジュアルな表現をもっと会議に取り入れた方が良いだろうということです。ビジュアルに表現することの利点があるからです。
上の最初の典型的な会議の画像のような会議。これは、とってももったいない会議である、と言って過言ではないでしょう。なぜなら、私たちは言葉、文字、画像という道具を持っているにもかかわらず、言葉しか活用していないのですから。
なお、この章で貼った画像は下の50秒の無音のYouTube動画から撮ったものです。
2. ビジュアル・シンキングのご紹介
1章では、科学的知見を共有し、議論を見える化することが大切であることを説明しました。
この章では、ビジュアル・シンキング(ビジュアル思考)という思考法を説明します。
ビジュアル・シンキングという言葉。あなたはご存知でしょうか?
"Visual Thinking" と英語も含めてネット検索すると、かなりのヒットがあります。
1章の2番目の画像、ビジュアルな協働を思い出してください。
ビジュアル・シンキングは、生物学的に科学的に、コミュニケーションの改善に役立つことが証明されているそうです。特に、会話や議論を活性化すること、アイデアを出し可能性を検討すること、そして検討したアイデアを明快に伝えること、こういったことに役立つそうです。
また、ビジュアル・シンキングはグループ・ダイナミクスを変えるといいます。
シナジーを創り、人と人とを隔てる境界を壊し、協働を強固なものにする、と言われています。これは、描くことによってアイデアを交換し、互いを励まし合うことで生まれることによってもたらされる、とのことです。
なお、グループ・ダイナミクスとは、「心理学者のクルト・レヴィン(Kurt Zadek Lewin)によって研究された集団力学のことで、集団において、人の行動や思考は、集団から影響を受け、また、集団に対しても影響を与えるというような集団特性のことを指す」とのことです。
社会心理学の一分野として、集団規範、集団目標の凝集力、集団の決定などの在り方などが研究されているそうです。
(参照:『リクルート マネジメント ソリューションズの説明』)
さらに、ビジュアル・シンキングは、複雑な組織の課題や、既存のプロセス改善やプロセス変革を扱うことに適しているそうです。デジタル技術を活用するビジネス変革(DX)でも、デザイン・シンキングなどを使いビジュアルにアプローチします。難しい課題解決にはビジュアルという言葉がキーワードのようです。
次に、ビジュアル言語(視覚的な言語)というものについて触れたいと思います。
言語というと日本語とか英語とかを連想する方が多いと思います。
誰でも、どの国の人でも、読めて理解しやすいユニバーサル言語。
そんな言語って存在すると思いますか?それがビジュアル言語だそうです。エスペラント語ではありません。ビジュアル言語は誰でも読める言語として既に使われています。オリンピックとパラリンピックで使われるピクトグラムも、誰でも、どの国の人でも理解できることを目指して作られたものです。
1章で、ビジュアルなものは人の記憶に残る、と書きました。ビジュアル言語は、日本語や英語などの文字で表現されたものに比べて、わかりやすいので、2倍から3倍理解が早くなるそうです。
ということは 2倍3倍会議の時間短縮が期待できるのかもしれません。いや、時間短縮だけでなく、議論の濃さ、アイデアの出方等々の利点の方がもっと大切です。
このような利点をもたらすビジュアル言語とはどのようなものか、具体例を示しましょう。
下図がビジュアル言語の構成要素です。これらの要素を組み合わせてビジュアル言語を作ります。(すべての画像はタップやクリックで拡大することができます)
例えば、カップ。下図のように、弧(arc)と線を組み合わせて描くことができます。
伝える・理解してもらうためのものなので、綺麗に描く必要はありません。
綺麗さよりも、速さが必要です。チャッチャッと描いて頭が考える速さを邪魔しない、頭が考えることを促進する、これが大切です。私はイラストを描くのは得意ではありません。他方、得意・上手・好きな方は多いですよね。そういう方は気をつけてください。速さはキーポイントです。「えっ?ちゃんとイラスト描きたい。」という方、オンライン会議で使うツールなら、あなたの特技を発揮できると思います。3章で説明しますね。
別の例として、人をあげましょう。
① 四角を描いて体とします
② 線を描いて腕と足とします
③ 丸を描いて頭とし、線で足とします
④ 点と線で目と鼻を描いて顔がどちらを向いているのかを表現します
次の例は、モノです。
次の例は、アイデアです。
理解の連鎖。
例えば、下記の3点をビジュアルに表現したものが下図になります。
- 明快なコミュニケーションにより人は理解する
- 理解により前向きな決定が行われ、行動にうつされる
- そして、結果に結びつく
ビジュアル言語を活用して、あなたの日々の会議にビジュアル・シンキングを取り入れて、会議を活性化していただきたいと思います。
2章の終わりに、この章を書く上で参照したサイトと書籍をご紹介いたします。
サイト:"VISUAL THINKING"
書籍:『VISUAL THINKING - 組織を活性化する、ビジュアルシンキング実践ガイド』(ISBN978-4802510912)
3. 議論を見える化しよう
1章では、科学的な知見から、ビジュアルに表現することの利点を書きました。
2章では、ビジュアル・シンキングを紹介し、ビジュアル言語を説明しました。
この章では、1章と2章を受けて、「議論を見える化する」ということについて書きます。ビジュアル・ミーティングをご紹介します。
会議では、意見やアイデアを引き出しますよね。そして、引き出されたいろいろな意見やアイデアを、構造化して分かりやすく整理し、参加者の前に見える化し、議論すること。これが大切です。
ところで、この章で語る会議とは、みんなで議論し意思決定し、さらに誰が何をいつまでに何の役割を持って実施するのかを合意形成し、そして今後どのように実施状況を追跡するのかを合意することです。単純な情報伝達の場ではありません。
複数の人で複数の意見をかみ合わせる、という協働を実施するには、参加者全員で意見・アイデアを目の前に共有し、さらに今起こっている議論を目の前に共有することが必須です。1章で取り上げたように、言葉だけで議論する TRADITIONAL MEETING(伝統的な会議)は効率が悪いのです。
マインドマップを使った経験のある方、いらっしゃると思います。アイデアを目の前に書き出すことで、次のアイデアを思いつく、アイデアとアイデアを結びつけてさらに新しいアイデアが思いつく。こういった有効性を実感されたと思います。同じような感じです。目の前に共有するには、議論を見える化することが必要です。
次に、ビジュアル・ミーティングをご紹介しましょう。
会議の見える化。そもそもは、デイビッド・シベット (David Sibbet) が提唱したビジュアル・ミーティング (Visual Meeting) が最初だろう、と私は思っています。
2010年8月に出版された彼の本、ビジュアル・ミーティングの冒頭に書いている「クリエイティブで革新的な会議とは」から引用します。(ISBN978-4023311763)
10年以上も前の本に書かれていることが今でも的を射ていると思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー 引用開始 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「会議をよりよく進める方法があったらいいな」と思いませんか?生産的であるだけでなく、そのプロセスにもワクワクする。そんな会議になったら...
しかし実際の職場の会議では、メンバーに「もっとアイデアを出せ」と、ただただプレッシャーをかけてしまっていないでしょうか?
そのような会議の課題は万国共通であり、これから紹介する「ビジュアル・ミーティング」ー 私が38年間にわたって世界中で実践してきた生産的でワクワクするような会議 ー のノウハウが課題解決に役立ちます。
私がこの本を書く理由はそれだけではありません。
人と人とのコミュニケーションが希薄になった現代社会では、お互いのつながりや思いやりが少なくなったために生じる事件や事故が急増しています。職場や学校には「心の悩み」を抱える人が増えています。一方で、組織のスリム化や予算削減が加速し、人と人が対話し、協力して何かを成し遂げる機会が激減しています。
私は、この状況を危惧すると同時に思うのです。私たちは、複雑で激しい経済や環境の変化に、もはや対応できなくなってきているのかもしれないと...
「ビジュアル・ミーティング」は、会議の課題だけではなく、現在の社会が抱える問題に対する直接的な答えになると信じています。今、本当の意味でコミュニケーションのあり方が問われているのです。
(中略)
私たちは皆、一人の力よりもチームの力のほうがはるかに大きいことを知っており、ビジュアル・ミーティングで用いるツールや手法は創造的な成果を導き出すことをサポートしてくれます。人と人を結びつけ、チーム力を拡大してくれるのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー 引用終了 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ビジュアル・ミーティングの効用を3点ご紹介いたします。
- 参加意識を向上させられる
- 全体を俯瞰して見ることができる
- 記憶が共有化される
参加意識を向上させられる
自分の発言が書き留められるので、「聴いてもらえた」「存在を認めてもらえた」と感じることができます。このことで、主体的に話し合いに関われるようになります。
全体を俯瞰して見ることができる
グループ分けされたアイデアを比較し、書き出された言葉の中に隠れたパターンを見出すことができます。そして、広い視野で「より大きな全体」を意識して情報の整理ができます。
改善活動などで、KJ法を用いてポストイットに書き出されたものをグループ分けしたご経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。親和図法ですね。議論を構造化すると、関係や位置付けがわかりやすくなります。
言葉だけで話し合いをしてKJ法をするのは無理です。
記憶が共有化される
KJ法の例を再度使いましょう。言葉だけで議論していて、各自が自分の頭の中や自分のノートを使って親和図を作っていたとしましょう。議論している内容が共有化されていません。各自が勝手にまとめている感じです。各自バラバラに。
議論を適切なフレームワークに落とし込み、参加者の前に見える化すれば、参加者の記憶として定着します。議論している内容が共有化されます。そして、課題が強く意識され、実行が促進されます。1章で書いたことです。
私は、議論を見える化するための道具として、ファシリテーション・グラフィックを使います。ファシグラと略されることもあります。引き出したアイデアを、発言者の意図に沿って、参加者に分かる言葉で書きます。関係するアイデアとアイデアを、線や矢印でつなげたり、囲ったりしながら構造化します。時にはイラストを書くこともあります。ペンの色は7色程度を用意します。色を使うことで、例えば改善のタネを浮かび上がらせることができます。
ここでのキーポイントは、参加者の方々の合意を得ながら進めていくことです。議論は議論している参加者のものです。ファシリテーターや書記役が「こう議論されている」と自分勝手な解釈をして書いてはいけません。「私はそんなこと言ってない」「聴いてもらえなかった」「存在を認めてもらえなかった」「あの人は議論を誘導しようとしている」となってしまう危険性があるからです。
スキルとしてはソフトスキルが生かされるところです。
ソフトスキルとは、ファシリテーションに加えて、コミュニケーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、チームビルディングなどのスキルです。ソフトスキルについては、『会議効率化:ソフトスキルとは?:今理解したい3つの視点』 というコラムで説明しています。
2章で説明したビジュアル言語を使ってインパクトを出すことも大切です。大切なことは、みんなの議論を邪魔しない(あまり描画や文字書きに時間を使わない)、議論を活性化するために見える化する、ということです。私自身は綺麗でないファシリテーション・グラフィックが好きです。その方がリアリティーがあると思えるからです。私の頭の中は綺麗に整理整頓されていませんし、私が経験した多くの議論は綺麗な絵にまとめられるようなものではなく、もっとグチャっとしたものが多かったので、そう思うのかもしれません。
デイビッド・シベットが作った Grove Tools という会社があります。
彼らは、自らの経験をいくつかのフレームワークにまとめ、議題によって適切なものを選び、議論をファシリテートしていると思われます。もちろん議論の内容によってカスタマイズして使っているのでしょうね。
彼らは、テンプレートを販売しています。Visual Planning & Templates です。
英語になりますが、2分30秒のYouTube動画を下に貼っておきます。議論を見える化している様子を感じていただけるかもしれません。
私は綺麗でないファシリテーション・グラフィックが好きだと書きました。一方、例として示したGrove ToolsのフレームワークやYouTube動画は綺麗な感じがします。
下図は、ファシリテーション・グラフィック(ISBN978-4532312886)という書籍から抜粋した例です。「パネルディスカッションをもっと面白くできないのか?」という課題について、議論しているようです。まだ解決案までいっていないようですね。今現在は、いろいろ意見が出て、「ディスカッションになってへんねん!」となっているようです。こんなことではダメだ。何か打ち手を考えなくては。という強い意志を示す目的で怒りのアイコンを付けたらどうでしょう。また、線を描いたり、アイデアをグループ化したりして、議論を構造化したらどうでしょう。左側の絵と、右側の絵を比べてください。どちらがインパクトが強いですか?どちらがわかりやすいですか?
1章でVISUAL COLLABORATION(ビジュアルな協働)で話し合っている様子を書きました。ファシリテーション・グラフィックの中に電球のアイコンを書き入れると、「このアイデアいいね!」を一見で伝えることができます。(すべての画像はタップやクリックで拡大します)
私は、意見・アイデアを引き出し、かみ合わせるための道具として、フレームワークを良く用います。
下の画像は共感マップというフレームワークです。ペルソナは会議参加者です。空白の共感マップを紙に印刷して会議室の壁に貼ったり、オンラインならITツールを使ったりします。
コロナ禍の中、オンライン会議が増えました。
下図は、会議室でのリアル会議とオンライン会議を比較したものです。オンライン会議ではフリップ・チャートやホワイトボード、さらにポストイットや多色ペンなどの文房具はITツールに置き換わります。例えば、ホワイトボードは MURAL や Miro があります。
2章のビジュアル言語で作った(描いた)アイコンやイラストなどの作品は、会議の事前に画像ファイルとして用意しておけば、部品としてすぐに MURAL や Miro にコピペすることができます。会議ですぐに使えるのです。紙に描いてスキャナーで読み込んだり、iPadのような機器でペンで描くという手もあります。ファシリテーターだけでなく、権限を与えられている会議参加者であれば、誰でもできます。
これを、会議室での対面の議論ではやる場合は、プロジェクターで資料を投影して、資料にコピペする形になります。この場合、プロジェクターに投影しているパソコンを操作している人だけがコピペできます。
例えば、デザイン・シンキングなどでペルソナを深掘りするときに共感マップを使うのであれば、事前に空白の共感マップを MURAL や Miro に貼っておけば、すぐに使えます。何を言っているのか、よくわからない方もいらっしゃるかもしれませんね。パワポやgoogle docsのスライドに事前にアイコンを作成しておいて、zoomなどのオンライン会議ツールで画面共有しながらスライドを協働作成するようなことをイメージしていただけたら、わかっていただけるかもしれません。
以上、科学的な知見からビジュアルに表現することの利点、ビジュアル・シンキング、ビジュアル言語、ビジュアル・ミーティング、ファシリテーション・グラフィックについて説明しました。これらの技法を活用して、議論を見える化し、会議を活性化していただきたいと思っております。
オンライン会議では、ファシリテーターを入れ、議論を見える化することは必須だ、と私は考えます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。