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  1. 新型コロナウイルス対策:これから起こる変化を考える:withコロナ中にファシリテーターになろう
小川芳夫

ファシリテーションの活用を支援するコンサルタント

小川芳夫(おがわよしお) / ファシリテーター

BTFコンサルティング

コラム

新型コロナウイルス対策:これから起こる変化を考える:withコロナ中にファシリテーターになろう

2020年6月28日 公開 / 2020年7月6日更新

テーマ:ファシリテーション

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 感染症対策働き方改革業務効率化 手法

このコラムは、ビジネスパーソンの方々を対象として書いています。

このコラムを投稿した日は2020年6月29日です。
緊急事態は解除されたものの、有効な薬もワクチンも無い、私たちはwithコロナの真っ只中にいます。私は有効な薬とワクチンが開発されることを信じたいと思っている者です。ですので、いつかはafterコロナになると期待しています。

withコロナとafterコロナ。いろいろご意見があると思いますが、私は次の条件の全てが満たされるまでをwithコロナと定義しました。
・有効な薬が見つかり第三相までの治験が完了すること(重篤な副作用がない)
・有効な薬が必要十分な量供給されること
・ワクチンが完成し第三相までの治験が完了すること
・ワクチンの投与が完了すること(この完了をもってwithコロナからafterコロナに移る)
最速で2021年末くらいがafterコロナの入り口かもしれない、と思っています。

少なくとも1.5年は続くwithコロナ。
このコラムは、コロナがもたらす変化を捉えた上で、「このwithコロナの間に、ファシリテーターを目指しファシリテーターになりませんか?」という内容です。なぜなら、ファシリテーターの必要性は今後益々増す、と私は考えているからです。

私はBTFコンサルティングという屋号で、ファシリテーションを核としたコンサルティング・サービスを提供している個人事業主です。
私が開業した目標は、次の3点をお客様に実現していただけるよう支援させていただくことです。有体に言うと、お客様の組織・会社の中にファシリテーターを育成し、会議やワークショップのファシリテーションができるようになっていただくこと。さらにビジネス変革のキープレイヤーとして活躍できるようになっていただくことです。
1. ファシリテーションを活用して、会議(人が集まって議論し合意形成する行為)の悩み・課題を解決することによる会議の変革
2. ソフトスキルやフレームワーク活用によるビジネス変革の迅速な実現
3. 自律的な変革実現能力の獲得

ファシリテーション(facilitation)。カタカナ言葉だから外来語なの?と思う方がいらっしゃると思います。その通りです。「人と人が議論し合意形成をする、この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにすること」がファシリテーションです。適当な日本語がないので、ファシリテーションというカタカナが使われているのだと私は思っています。ファシリテーションをする人をファシリテーター (facilitator) と言います。
「人と人が議論し合意形成をする、この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする」ためにはどうしたら良いのかという課題を科学的に考え、試行錯誤を繰り返しながら作りあげられた手法、これがファシリテーションです。

このコラムは次の3つの章で構成します。10分程度で読める内容です。

1. メディアが言っている今後の変化
2. 今後の変化から導き出されること
3. withコロナ中にファシリテーターになろう


1. メディアが言っている今後の変化

コロナがもたらす変化について、様々なメディアがいろいろなことを言っています。ここではメディアが語っている今後の変化について、まとめてみたいと思います。
続く2章では、これらの変化から何が導き出されるのかについて考察します。

下記の各々のテーマについてまとめます。
・雇用形態の変化:メンバーシップ型からジョブ型へ
・会社業績の変化:雇用は大丈夫か?会社は大丈夫か?
・働き方の変化:できるだけ対面を避ける vs できれば元に戻す
・評価の変化:勤務時間から成果へ(チーム内の評価も大切)
・心理的な変化:心理的な安心安全や信頼がいっそう重要になる
・仕事の中身の変化:見直しが起こりビジネス変革が否応なしに起きる

【雇用形態の変化:メンバーシップ型からジョブ型へ】
メンバーシップ型では、「就職」は「就社」を意味し、入社するとメンバーシップが与えられ、終身の雇用が保証され仕事内容や勤務地さらに配属や仕事時間キャリア設計も会社が決める、評価は年功序列で、給料は勤務時間による、というものです。テレワークに合わないと言われています。

ジョブ型は、ジョブ・ディスクリプション(職務定義書)という文書で「何を実施してどういう成果を出すのか」を従業員と会社が合意するというものです。給料は仕事の難易度や成果や希少性など市場価値に基づきます。欧米型の働き方と言われています。withコロナになり、日本でもジョブ型の雇用に舵を切った会社も出てきています。メンバーシップ型に比べてテレワークに合うと言われています。なお、給料については、エッセンシャルワーカーの人たちの間で所得格差があり、市場だけではなく社会的貢献という要素も考えるべきではないのか、という意見も出されています。


【会社業績の変化:雇用は大丈夫か?会社は大丈夫か?】
会社業績の悪化が言われています。日本だけでなく、全世界的に、雇用が不安定になってきています。会社そのものが立ち行かなくなる危険もあります。もちろん業種や職種にもよります。


【働き方の変化:できるだけ対面を避ける vs できれば元に戻す】
営業活動をオンラインで行う会社が増えていているそうです。
3蜜を避けたいという意識が定着したのだと思います。
いきなりの強制的なテレワークであっても、オンラインの方が良いという意見があります。
一方、オンラインは不慣れ・不便なので、できるだけ対面に戻したいという動きも出てきています。


【評価の変化:勤務時間から成果へ(チーム内の評価も大切)】
これは、メンバーシップ型からジョブ型への変化と密接に関係します。労働法制とも絡むようです。同じような仕事をAさんがやると1日仕事。Bさんがやると半日。Bさんには追加で残りの半日分の仕事が割り当てられる。優秀な人に仕事が集中する。勤務時間での評価なので、AさんとBさんの働いた時間は同じ。これが公平なのかどうか、今こそ議論が必要かもしれません。

成果での評価。通常仕事はチームで成し遂げるべき目標を決めて、チームで協働しますよね。個人の成果も大切でしょう。それよりもチームの成果が重要です。チームの成果に貢献した人がチームのメンバーから評価される。ココに価値を見出す方は多いと思います。直接の賃金には結びつかない場合もあるかもしれませんが、感謝や称賛・尊敬を得ることができます。従業員の観点で考えると、私は勤務時間で評価するよりも公平だと考えます。


【心理的な変化:心理的な安心安全や信頼がいっそう重要になる】
不確実なwithコロナこそ、人のつながりは絶対必要です。不安を持つ個が多いからです。会社に出社していれば、それほど意識しなくても、なんとなくできていた人のつながり。テレワークの環境では、意識しないと人とのつながりを維持することはできません。
また、心理的な安心安全は大切です。これはテレワークであろうとなかろうと大切なことです。個々人がパフォーマンスを発揮するための土台と言って良いでしょう。
さらに、信頼も大切です。現状は「信頼貯金」があると言う人がいます。今後テレワークが続くとすると、いかに信頼を醸成するのかが課題でしょう。多くのビジネスパーソンが未体験のことだと思います。


【仕事の中身の変化:見直しが起こりビジネス変革が否応なしに起きる】
会社業績が悪化する。これに対応するために、「本当に大切なもの」に集中するように変化すると言われています。「本当に大切なもの」以外にヒト・モノ・カネを注ぎ込む余裕はない、とも言えると思います。
業務が見直され、この流れからデジタル技術を活用したビジネス変革(DX)が加速すると言われています。


2. 今後の変化から導き出されること

この章では、1章でリストした各々の変化から何が導き出されるのかを考察します。

【雇用形態の変化:メンバーシップ型からジョブ型へ】
beforeコロナのときは、労働法制の制約もあり、勤務時間に応じて賃金を支払う仕組みが長く定着していました。ところが、テレワークとなり、在宅で働く従業員を時間で管理するのは実質無理で、労働基準法で定められた残業代支払いルールに抵触する恐れがあるそうです。ITツールで従業員を監視しようとしても監視し切れません。そもそも監視する・監視されるという関係を作ることには、私は反対です。withコロナで大切な、心理的な安心安全や信頼の醸成にネガティブに働くからです。

こうした課題を解決するため、職務定義書(ジョブディスクリプション)で社員の職務を文書化し明示して、その達成度合いなどをみるというのが「ジョブ型」雇用です。
ジョブ型になるということは、成果主義になるということです。

例えば、オンライン会議では発言しない人の存在は「無」になってしまいます。これを、余剰人員が炙り出されたという人もいます。それで良いのでしょうか?もっと働きやすい場(新しい概念)が必要かもしれません。皆さんのオンライン会議にはファシリテーターが入っていますか?ファシリテーターは、場を設計し、意見やアイデアを引き出し、かみ合わせ、まとめます。

個人の成果も大切ですが、チームの成果の方が大切です。ここでは、個々のパフォーマンスを引き出す能力が尊重されます。
自分(自分たち)の目標を達成するために、何をすべきかを自律的に考え行動する。目標に到達するために今日何をするのか、何時までに何を達成するのかをチームで考え行動する。こういった、チームで協働して目標に到達する、ということが大切です。

さて、ジョブ・デスクリプション(Job Description)。ネット検索してみてください。欧米では、どのようなものがジョブ・デスクリプションとされているのかがわかります。
一例として、下記のような項目が記述されたものです。(コレと決まったものはなく、会社によって異なりテンプレートがあります)
・職務名
・誰に報告するのか(氏名とメールアドレスなどの連絡先)
・職務の簡潔な記述(3〜5行程度)
・その職務の責任(含:成し遂げるべき数値目標)
・その職務遂行に必要な要件(能力など)
(一例:700+ job description templates

ジョブ型は、自分のポータビリティを高めます。
何を言っているかというと、社内で部門異動の希望がある場合、今までの実績や経験をジョブ・ディスクリプションで相手部門に伝えることができます。社内で統一されたフォーマットで記述されているので、訴求力があります。
また、転職する場合でも、ジョブ・ディスクリプションを元に経歴書や職務経歴書を書くことができます。

これは、不確実な今こそ大切な要素だ、と私は思います。


【会社業績の変化:雇用は大丈夫か?会社は大丈夫か?】
自分には、どんな影響が待ち構えているのだろう?とか、ワーク・ライフはどうなってしまうのだろう?などと不安になっている方もいらっしゃるかもしれません。

2011年10月14日の資料なので、ちょっと古いのですが、『会社は何歳まで生きるのか? 高校生のための金曜特別講座』 という資料があります。当時、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授だった清水剛さんが高校生に説明した内容です。

清水さんは色々分析しておられます。私にもっとも刺さった文は「高校や大学を卒業して企業に就職することを考えてみよう。10年ぐらいしか企業の「盛り」の時期がないとすれば、人生設計には注意しなくてはいけない。」です。

人生100年と言われ始めている今、これからの自分の人生の長さと会社が存続する長さとを比べれば、自ずと会社に頼っているだけではリスクが高い、と思います。(もちろん100年以上存続している会社も多いです)

スキルを身に付ける、「◯◯できる」能力を磨く、ということが大切になった、ということだと思います。これは、あなたの人生設計をする際の武器となり、また保険になるものだと思います。

まず、今の自分を振り返ることが大切だと思います。振り返るやり方は、私のコラム 『働き方:withコロナ中にafterコロナに備える:大切な3つのポイント』 を参考にしていただけると思います。
その際、これから何年働く予定なのか、自分が狙う職種とか役割をいくつか考えることも大切なことだと思います。そして、狙う職種や役割を獲得するためのストーリー、どうやってその職種や役割を遂行する能力を身につけるのか、を考えることが大切だと思います。プランA、プランB、など複数のプランを持っておいた方が安心できると思います。


【働き方の変化:できるだけ対面を避ける vs できれば元に戻す】
withコロナなので、ウイルスは市中にいます。数日前に都内で職場クラスターや家庭内クラスターが発生したというニュースを見ました。

私個人としては、職場クラスターが起きてしまったら影響が甚大なので、withコロナの間は、できるだけ対面を避けるべきだと考えています。例えば、1つの課が半月以上機能しなくなったら、大きな影響を与えます。世の中にも影響を与えるかもしれません。

今、迅速にやるべき事は、いきなり強制的にテレワークになった体験を振り返り、もっと自分たちにとって働きやすくするためにはどうしたら良いのかを話し合い、試行する、さらに振り返る、このサイクルを回すことだと考えます。テレワークの人が今現在いる組織であれば、google docsやslackなどのITツールを使ってアイデアを集め、短時間のオンライン会議でアイデアをまとめる、というやり方も良いでしょう。

いきなり強制的に準備不足のままテレワークに入った状態をテレワークα(試行版)と呼ぶならば、今あなたの組織・チームのテレワークβ(正式版の候補)を創ってはいかがでしょう?そして実際に試す、振り返る、こんなことを繰り返しながら、テレワーク1.0(最初の正式版)を創り上げることができるのだと思います。

従来対面を基本としていた営業活動ですら、オンラインで行う会社が増えていているそうです。そもそもお客様が対面を希望しないのでしょう。また、じっくり聞いて納得して購入できる、という今までになかったお客様体験をした、ということもあるのかもしれません。求められる営業スキルも変化するに違いありません。

何がオンラインでできないのか?
今までやったことがないからできない、という短絡的な答えではなく、その業務の本質を見つめ直すことが鍵だろうと思います。オンラインでできない理由を洗い出し、どうしたら課題解決できるのかをチームのみんなで考えることが必要なのではないでしょうか?
さらに、どうしてもオンラインでできないものについて、感染リスクを減らすための対策を講じることは言うまでもありません。

もう一つ大切なこと。
テレワークできる職種の人とテレワークできない職種の人との間の不公平感です。
羨ましい、ずるい、仕事が取られるかも、在宅勤務したい、満員電車に乗りたくない、テレワーク飽きた、たまには会社行きたい、などの感情。コレを溜め込んだまま放置しておくのは良くありません。
私は、何でもかんでもテレワークできるとは考えていません。しかし、あなたの組織・チームの中に不公平感がフツフツと渦巻いている状態は不健康です。あなたの組織・チームのテレワークβやテレワーク1.0を職場のチームの皆で創る行為を通じて、より健康的な納得感のあるものにしていただきたいです。これは真剣な喧々諤々の議論になる可能性があります。私のコラム 『組織力強化:withコロナの職場のチームを再構築する:大切な3つのポイント』 を役立てていただきたい、と思います。


【評価の変化:勤務時間から成果へ(チーム内の評価も大切)】
まず、チーム内の評価について書きます。
そもそも成果とは何でしょう?売り上げを上げること?利益を上げること?

最近では、お客様体験(CX)がフォーカスされています。お客様にどんな体験をお届けできるのか、どんな価値をお届けできるのか、ここにフォーカスがあたっています。
お客様が、価値があると認める、だからその価値ある体験をしたい。これを満足させることが求められます。社会的な価値も含まれるでしょう。
ゲームソフトを例にとってみます。そのソフトを持つことで体験すること、そこに価値を見出し、そのソフトが欲しくなる。場合によってはゲーム機も。

会社のすべてのチームはココに集中すべきだと考えます。
チームで協働して、より良いお客様体験を届けることに集中すべきです。お客様が体験する価値をデザインするとも言い換えられます。第一線の営業部門以外でも、創意工夫することで、貢献できるかもしれません。鍵は、チームで共に考えること、商品ではなくお客様が体験する価値に集中することです。

チームで達成された成果。その成果に貢献した個々のメンバーに対して、お互いに感謝や称賛・尊敬といった形でフィードバックをすることは重要です。メンバー同士で相互に感謝・称賛・尊敬するのです。

テレワークで、「仕事ができる人」の定義が変わったと感じた方がいらっしゃるのではないでしょうか?ハイコンテクストな人が駆逐され、ローコンテクストでないと仕事にならないです。ハイコンテクストとローコンテクストについては、『新型コロナウイルス対策:withコロナの会議をどうするべきか:意識すべき3つのポイント』 というコラムで説明しています。

また、ダラダラ話す、何を言っているのかイマイチ不明な人。リアルな会議室で対面であれば「何となく分かった気分」にさせることができたかもしれません。しかし、オンライン会議では嫌われます。こんな人におススメのフレームワークがあります。PREPという、自分の考えを相手に分かりやすく伝えるものです。プレゼンテーションや説明で、論理的に説得力のある話の構成を考えるフレームワークです。
PREPは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)の4つの頭文字で、PREPの順に簡潔に話します。
例をあげます。
・結論(Point):生産性を高めるためにアプリでの電子マニュアルを導入すべき。
・理由(Reason):現状、紙媒体のマニュアルを使用しているが、メンテナンス不足による問題が起きている。また、作成および管理業務に人的コストがかかっている。
・具体例(Example):飲食店の調理マニュアルは毎月新しいメニューに更新する必要があり、作成、印刷、配布が面倒。アプリなら低コストで短時間に更新・配信可。
・結論(Point):電子データでマニュアルを管理できるのは便利。生産性を高めるためにアプリでの電子マニュアルを導入すべき。


【心理的な変化:心理的な安心安全や信頼がいっそう重要になる】
上記のチーム内の感謝や称賛・尊敬とも繋がることです。

オンラインでも、人のつながりはキープできます。心理的な安心安全や信頼を醸成することは可能です。

私の体験を書きます。
私はグローバル・プロジェクトに携わっていました。数十名の海外の人たちと協働しました。日本人とは対面での仕事が多かったです。ほとんどの海外の人たちとは1回も対面であったことはありませんでした。非対面の協働でした。たまにはオンライン会議で顔を見て議論することもありましたが、大抵は資料をリアルタイムで共有しながら(見ながら)の議論でした。例えば、プロジェクトの進捗確認や課題の洗い出し、課題解決についての議論。
1回も会ったこともない人たちとでも信頼を醸成し、協働することができていました。

誠実さと謙虚さが大切です。人の話を聴く。わからないことは訊く。自分の主張を、論理立ててわかりやすく話す。理解してもらえたか否かを確認する。批判を受け入れる。等々です。ありきたりかもしれないですね。
アイツの喋りは拙いけど、言っていることは的を射ているようだから聴こう・理解しよう、と思ってもらえるまで、根気よく繰り返すことも大切だったと思います。

私は、オンラインの会議ではファシリテーターは必須だと考えている人です。オンライン会議をファシリテートできるファシリテーターがいたら、オンラインでも人とのつながり(信頼や心理的な安心安全)を醸成することはできます。


【仕事の中身の変化:見直しが起こりビジネス変革が否応なしに起きる】
会社業績が悪化する。これに対応するために、「本当に大切なもの」に集中する。「本当に大切なもの」以外にヒト・モノ・カネを注ぎ込む余裕はない。

ホワイトカラーの多くが今までのビジネスのやり方、社内手続きを前提にした定型業務をこなしているのが現実だそうです。定型業務は自動化しやすい。RPA(Robotic Process Automation)などのデジタル技術を使って、定型業務は人手を介さないものになり、人の介在は最小化されるでしょう。
そして、人間は「新しい価値を生み出す仕事」に向かうことが求められる、と私は考えます。変革の時が来た、と考えるべきだと思います。

マッキンゼーの ”The future of work in Japan”(ポスト・コロナにおける「New Normal」の
加速とその意味合い)
という調査レポートがあります。
私は下記5点が重要な指摘だと思います。
・日本は反復型のルーチンワークが占める時間が56%に達しており、そのうち67%が自動化できる可能性がある。
・失われた20年の中、日本の産業は既存のプロセスを徹底的に磨くことで価値を生んできた。(日本は改善が得意ということなのでしょうが、今のコロナ禍では従前の改善では立ち行かない、ということだと私は思います)
・リアルを変える「手段」としてのデジタル変革(DX)であるという考え方をもって、そもそものビジネスのやり方や、現場での進め方といった実業の部分を変えないと、実際にビジネスで価値を生むことにならない(今こそデジタル技術を活用したビジネス変革が求められている、ということだと私は思います)
・「ビジネス・トランスレータ」という仕事の需要が急増する、と考えている(ビジネス・トランスレータ = 技術を活用し事業変革をリードする人材)
・日本でビジネス・トランスレータは、2030年までに1100万〜1200万人規模で必要になる(ビジネス・トランスレータを含む自動化を推進する人が、1100万〜1200万人必要になる、ということ)

ビジネス・トランスレータ(Business Translator)について考察します。
ビジネス・トランスレータは、その会社のITシステム部と交渉する必要もあり、現場の業務を理解した上で、データアナリティクスなどビジネス側やIT側とも議論ができる、まさに、トランスレータ(通訳者)だと定義されています。

大手のコンサルティング・ファームには、そういう人材が揃っているのかもしれません。一方、業務プロセス一つとってみても、自社の内部の肝は外部の人にそう簡単にわかるものではありません。そもそも、自社の業務の専門家が、外部の人にわかりやすく説明することができない、という場合もあります。SAPなど業務ソフトに従った業務プロセスであれば少しニュアンスが違うかもしれませんが。ですから、デジタル技術を活用したビジネス変革は現場のオペレーションに理解がある人がやらないと、業務間のつなぎ込みなどが困難になる、と私は考えます。

さて、営業、マーケティング、経営企画、業務、IT部門などの人を巻き込んで、ビジネス変革を実現するにはどうしたら良いのでしょうか?
これらのすべての人たちと対等に議論できる人・翻訳できる人は、スーパーマンとかワンダーウーマンのような人に私には思えてしまいます。言い換えると、多くの会社にそういう人はいない、と私は思います。

私はこう考えます。
ひとりの人がビジネス・トランスレータの業務をやらなくてはいけないというのではなく、ビジネス・トランスレータという役割ができるチームが重要です。
具体的には、営業、マーケティング、経営企画、業務、ITなど各部門の専門家を集め、ファシリテーターを入れ、ワークショップを開催して、これら専門家の人たちをチームとして機能するよう、チームビルディングしようというアイデアです。

営業とITが話をしても話が通じない、というご意見もあるかと思います。
私の経験を書きます。

大規模なビジネス変革のPMO(Project Management Office)の役割を担ったことがあります。変革後の姿はすでに提案されていました。そこで、専門家を集めAS IS(現状)とTO BE(変革後)の業務プロセスを見える化しながら、課題を洗い出しながら、対策を話し合うという活動を実施したことがあります。ITも関係するので、ITの専門家にも入ってもらいました。
最初はチームとして機能していませんでしたが、何回かワークショップを続けていく中で、チームとして機能するように変わっていきました。変化した理由は、変革の全貌と各自への影響度合いを鳥瞰することができ、さらに問題がありそうなところはズームインして細かく見れるので、参加者に「自分のためになる・価値がある」と思ってもらえたことだと思います。専門家の人たちが、価値ある体験をできる場だ、と評価してくれれば、積極的かつ自律的な協働が実現します。単純なファシリテーションでは立ち行かないでしょうが、フレームワークとソフトスキルを活用したファシリテーションで対応できます。

ビジネス・トランスレータの役割を、各専門家どうしをつなげ活性化する、触媒のような役割を果たすファシリテーターが入るチームによって、ビジネス・トランスレータの役割をチームで担うことができると考えます。


3. withコロナ中にファシリテーターになろう

2章で述べたとおり、withコロナの今、ファシリテーターが注目されています。ファシリテーターが求められています。

NewsPicksの 『【完全図解】コロナ後の、雇用、仕事、給料はこう変わる』 という記事では、「オンライン会議・研修の切り盛りが重要スキルに」と始め、「ファシリテーターの存在が重要になる」とし、「この役割は、組織上の肩書きや役職を問わず、誰でも務めることが出来る。だからこそ、リモートワーク時代の新たな重要スキルとなる。」とまとめています。

「誰でも務めることができる」は「組織上の肩書きや役職を問わず」に掛かっていると思います。ファシリテーションは「誰でもできる」ほど簡単なものではありません。誰でもできるのなら、そもそも敢えて言及する必要はないでしょうから。

ファシリテーションは、学び、そしてリアルな場で研鑽して、できるようになるものです。
なお、ファシリテーターが入る会議やワークショップの進め方については、下記のコラムを書いています。概要を理解していただけると思います。
会社の会議の進め方:場を作る:今理解すべき3つの視点
会社の会議の進め方:意見を引き出す:今理解すべき3つの視点
会社の会議の進め方:意見をかみ合わせる:今理解すべき3つの視点
会社の会議の進め方:意見をまとめる:今理解すべき3つの視点

ところで、「リモートワーク時代の新たな重要なスキルとなる」という指摘には全く同感です。
私の経験から言うと、ファシリテーターなしでオンラインの会議を成功させることはできません。
ここでの「オンライン会議」とは、オンラインで議論し意思決定し、さらに誰が何をいつまでに実施するのかを合意形成し、そして今後どのように実施状況を追跡するのかを合意することです。単純な情報伝達の場ではありません。
もし、ファシリテーターなしでオンライン会議が成功したとしたら、それは偶然だと思います。多分再現性がないでしょう。つまり、次回も成功するかどうかは分からない、ということです。例えば、難しい課題を議論するオンライン会議を成功させることはむずかしいと思うのです。

さて、ファシリテーターになることを検討してみようかな、と思い始めている方。
1つの選択肢として、私BTFコンサルティングを活用する、という方法があります。
具体的には、下記2つで説明しています。
会社の会議:BTFコンサルティングの使い方:お客様のご成長のために
会社の会議:withコロナのBTFコンサルティングの使い方:withコロナのお客様のご成長のために
後者は、非対面でITツールを活用しながら行います。もしかしたら、ご使用体験のないツールがあるかもしれません。これはこれで近未来的で楽しいかもしれませんよ。
私が支援いたします。ファシリテーターになりませんか?

リアルでもオンラインでも、「人と人とが集まり議論し合意形成する」という行為は無くならない、と私は思います。「人と人が議論し合意形成をする、この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする」ファシリテーターの必要性は今後益々増すと私は考えています。



ここまでの長文をお読みいただき、ありがとうございます。
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2020-07-08

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