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【実録】孤独死の本当の原因とは?実際の1万2,105件を調べて分かったこと

花輪隆俊

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テーマ:特殊清掃

孤独死の本当の原因とは
「孤独死というと、身寄りのない高齢者が老衰で亡くなるケースが多いのでしょう?」
大家さんや管理会社さんから、このように聞かれることがあります。
孤独死は、高齢者だけの問題だと思われがちです。
しかし、実際の保険金支払いデータを調べると、私たちが抱いているイメージとは少し違う現実が見えてきます。
孤独死の多くは病気による死亡ですが、65歳未満の現役世代も決して少なくありません。また、「孤独だったから亡くなった」というより、病気などで一人で亡くなり、その後、異変に気づく人がいなかったために発見が遅れたケースが多いのです。
今回は、実際に賃貸住宅で発生した孤独死1万2,105件のデータをもとに、孤独死の原因と、大家さん・管理会社さんが考えておきたい対策についてお話しします。
■「高齢者ではありません」管理会社さんが驚いた孤独死
以前、賃貸住宅の一室で、入居者さんが亡くなっているのが発見されました。
入居者さんは一人暮らしでしたが、まだ働いている年代でした。
近隣から目立った苦情はなく、家賃もそれまで大きく遅れていませんでした。
しかし、勤務先を休んでいることを心配した関係者から連絡が入り、管理会社が警察立ち会いのもとで室内を確認したところ、すでに亡くなっていました。
管理会社の担当者は、こう話していました。
「孤独死は、一人暮らしの高齢者に起きるものだと思っていました。まだ働いている年代だったので、まったく想定していませんでした」
これは、特別な事例ではありません。
最新の孤独死データを見ると、65歳未満の現役世代も全体の46.1%を占めています。
つまり、孤独死した人のおよそ2人に1人は、65歳未満なのです。
■実際の孤独死1万2,105件の原因
日本少額短期保険協会が公表した「第10回孤独死現状レポート」では、2015年4月から2025年3月までに、賃貸住宅で発生した孤独死保険の支払いデータなど1万2,105件を集計しています。
その死亡原因は、次のとおりです。
・病死 6,909人、57.1%
・自殺 1,005人、8.3%
・事故死 107人、0.9%
・死因不明 4,084人、33.7%
最も多いのは病死です。
ただし、全体の約3分の1は、死因が分かっていません。
死因不明を除き、死因が判明している8,021件だけで計算すると、約86.1%が病死、約12.5%が自殺、約1.3%が事故死となります。
実際の孤独死の大部分は、病気によって亡くなったケースだと分かります。
■孤独であることが直接の死因ではない
孤独死という言葉から、
「寂しさや孤独が原因で亡くなった」
と思われるかもしれません。
しかし、多くの場合、直接の死因は心臓や脳の病気、肺炎、持病の悪化などです。
孤独死の問題は、病気で亡くなったことだけではありません。
一人で亡くなった後に、
・家族からの電話がない
・近隣との交流がない
・定期的な訪問がない
・勤務先へ行く必要がなくなった
・介護や福祉サービスを利用していない
・管理会社が異変に気づく仕組みがない
といった事情が重なり、発見が遅れてしまうことです。
つまり、死亡原因と、孤独死になる原因は別に考える必要があります。
病気が死亡の直接原因であっても、発見の遅れは社会的な孤立や見守りの不足によって生じます。
■孤独死した人の83.3%が男性
同じ調査では、孤独死した人の83.3%が男性、16.7%が女性でした。
賃貸住宅の男女の居住比率を考慮しても、男性の孤独死が多い傾向にあるとされています。
死亡時の平均年齢は、
・男性 63.7歳
・女性 62.9歳
でした。
平均寿命と比べると、かなり若い年齢で亡くなっていることが分かります。
特に50代から60代の一人暮らしの男性は、仕事を辞めたり、体調を崩して外出が減ったりすると、周囲との接点が急に少なくなることがあります。
「まだ若いから大丈夫」
「仕事をしているから大丈夫」
という考えだけでは、孤独死のリスクを判断できません。
■自殺の割合も見過ごせない
孤独死データにおける自殺は、全体の8.3%でした。
同レポートでは、2024年の全国死亡者に占める自殺の割合が1.2%であるのに対し、孤独死データでは8.3%と高いことが指摘されています。
単純に条件の異なる数字を比較して、「一人暮らしなら自殺リスクが何倍になる」と断定することはできません。
それでも、孤独死の中で自殺が一定の割合を占めていることは、無視できない事実です。
特に若年・壮年層で自殺の割合が高く、女性では20代から40代の自殺が、女性の孤独死における自殺者の76.3%を占めています。
孤独死対策は、高齢者の安否確認だけではなく、働く世代の孤立や心の不調にも目を向ける必要があります。
■事故死は少なくてもゼロではない
事故死は全体の0.9%でした。
割合としては小さいものの、
・入浴中の事故
・室内での転倒
・食べ物による窒息
・薬やアルコールに関係する事故
・熱中症や低体温症
など、自宅で一人のときに助けを呼べず、亡くなる可能性があります。
転倒や体調不良そのものが重症でなくても、動けなくなったまま誰にも気づかれなければ、命に関わります。
ここでも大切なのは、異変を早く発見する仕組みです。
■なぜ死因不明が33.7%もあるのか
調査では、全体の33.7%が死因不明でした。
孤独死では、発見まで時間がかかるほど遺体の状態が変化し、死因を特定することが難しくなります。
さらに、
・生前の病歴が分からない
・かかりつけ医がいない
・家族が通院歴や服薬内容を知らない
・発見時に死後相当期間が経過している
・詳しい検査や解剖が行われない
といった事情も考えられます。
大家さん、管理会社さん、特殊清掃業者が、室内の状態だけを見て死因を判断することはできません。
死因については、死亡診断書や死体検案書、警察・医師からの正式な説明などに基づいて確認する必要があります。
「浴室で発見されたからヒートショック」
「床に倒れていたから心筋梗塞」
などと推測で決めつけることは避けなければなりません。
■警察庁の数字は、すべてが孤独死ではない
警察庁によると、2025年中に警察が取り扱った遺体20万4,562体のうち、「自宅で死亡した一人暮らしの人」は7万6,941人でした。
非常に大きな数字ですが、この7万6,941人すべてが、長期間発見されなかった孤独死という意味ではありません。
この数字には、
・亡くなった後、早く発見された人
・誰かに看取られていた可能性がある人
・自宅で亡くなった一人暮らしの人
も含まれます。
孤独死の全国統計を見るときは、「自宅で亡くなった一人暮らしの人」と「長期間発見されなかった孤独死」を混同しないことが大切です。
■大家さんにとって大きな問題は発見までの日数
賃貸住宅における孤独死では、死因と同じくらい、発見までの日数が重要です。
病死であっても、亡くなった当日や翌日に発見されれば、室内への影響を抑えられる可能性があります。
一方、発見まで何週間もかかれば、
・体液などによる床の汚損
・床下や壁内部への臭いの浸透
・害虫の発生
・家財や残置物への臭い移り
・特殊清掃費用の増加
・原状回復工事の拡大
・近隣入居者からの苦情
・再募集までの長期化
につながります。
大家さんや管理会社さんにとって、最も現実的な孤独死対策は、人の死亡を完全に防ぐことではありません。
異変を早期に発見し、室内への被害と関係者の負担を小さくすることです。
■見守り機器だけでは十分ではない
孤独死対策として、センサーや見守り機器を設置する物件も増えています。
これらは異変の早期発見に役立ちますが、機器を設置するだけですべてが解決するわけではありません。
・異常を誰が確認するのか
・連絡が取れないときに誰が訪問するのか
・緊急時に誰の権限で入室するのか
・亡くなっていた場合、誰が家族や警察へ連絡するのか
・残置物を誰の権限で処理するのか
・特殊清掃や原状回復を誰が手配するのか
まで決めておく必要があります。
異変を検知する仕組みと、異変が起きた後に動く仕組みは、セットで考えなければなりません。
■発見後の対応まで準備しておく
全花連安心サービスでは、入居者さんが元気なうちに死後事務委任の仕組みを整え、万が一の際に必要な対応を進められるように備えます。
・残置物の確認、整理、処分
・特殊清掃の手配
・花輪式完全消臭による臭いの除去
・原状回復の手配
・保険利用に必要な対応
・早期明け渡しと再募集の支援
などを一つにつないで対応します。
発見が遅れ、床下や壁の内部まで臭いが浸透した場合、表面を清掃したり、オゾンを使用したりするだけでは、臭いが戻ることがあります。
全花連では臭いの発生源と浸透範囲を確認し、特許技術「花輪式完全消臭」によって、再び安心して募集できる部屋へ戻すことを目指します。
■孤独死の原因を知って分かった本当の対策
実際のデータから分かったことを整理します。
・孤独死の57.1%は病死
・死因判明例に限ると、約86%が病死
・自殺は8.3%
・事故死は0.9%
・死因不明は33.7%
・男性が83.3%
・65歳未満も46.1%
孤独死は、高齢者の老衰だけで起きるものではありません。
病気、自殺、事故などで一人で亡くなり、異変に気づく人や仕組みがないために発見が遅れる。それが賃貸住宅における孤独死の実態です。
だからこそ、対策は高齢者だけを対象にするのではなく、すべての単身入居者を考えて設計する必要があります。
大切なのは、
「亡くならないように監視すること」ではなく、
「異変を早く見つけ、万が一の後も関係者が困らない仕組みをつくること」です。
入居者さんの尊厳を守り、ご家族の負担を減らし、大家さんと管理会社さんの賃貸経営を守る。
そのために、見守り、保険、死後事務委任、特殊清掃、完全消臭を、別々ではなく一つの流れとして備えておくことが重要です。
参考資料:
日本少額短期保険協会「第10回孤独死現状レポート」
https://www.shougakutanki.jp/general/info/kodokushi/news/kodokusiReport_10th.pdf
警察庁「令和7年中における死体取扱状況(警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者)」
https://www.npa.go.jp/news/release/2026/20260331001.html
※本コラムは、公表されている統計資料をもとに孤独死の傾向を解説したものです。個別の死亡原因は、医師、警察、監察医などの正式な調査・判断によって確認されます。室内の状況だけから死因を推測・断定することはできません。

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花輪隆俊(特殊清掃業)

一般社団法人全日本花輪式完全消臭連盟

孤独死現場の特殊清掃・残置物撤去、特許取得の花輪式完全消臭で対応。死後事務委任を備えた「全花連安心サービス」でオーナーの負担を抑え、高齢者や身寄りのない方の安心入居を支えます。

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