コーヒーにダイエット効果はあるのか?

「特別なことは何もないのに、なんとなく気分が晴れない」
「休日も何かをする気になれず、気づけば一日が終わっている」
「のどに何かがつかえたような感じが、ずっと取れない」
仕事に家事、子育てや親のこと。誰かのために動き続けている40代・50代の女性から、こうしたお話をよくうかがいます。
そして多くの方が、こうおっしゃいます。「気持ちの持ちようですよね」「私が弱いだけなので」と。
漢方(中医学)の考え方は、少し違います。気分が晴れないのは、心の弱さではなく、体の中でエネルギーと栄養がうまく巡っていない状態。つまり、体の側から手を打てる余地があるということです。
今日は、忙しい毎日の中でも取り入れやすい「心の栄養」の整え方をお伝えします。
■ 漢方では「うつうつ」を体の状態として捉えます
一般に、気分の落ち込みは、強いストレスや大切な人を失った悲しみなど、心の出来事として語られます。
漢方では、これを具体的な体の状態として考えます。
キーワードは「肝(かん)」。漢方でいう肝は、西洋医学の肝臓とは別のもので、気(エネルギー)と血(栄養)を体じゅうにスムーズに巡らせる働きを担っています。
ストレスが長く続くと、この肝の働きが落ちます。すると気血の流れが、ちょろちょろとしか流れない細い川のようになってしまう。体のすみずみに必要なものが届かなくなり、心も体も元気を失っていきます。
いわば、心の栄養失調です。
漢方でいう「鬱(うつ)」はとても幅が広く、不安感、不眠、神経症、自律神経の乱れ、更年期の不調まで、この気血の滞りから生じていると考えます。
■ 「気鬱質(きうつしつ)」——うつうつしやすい体質があります
漢方では、体質が症状の出方を大きく左右すると考えます。気分が晴れにくい体質を「気鬱質」といいます。
こんな傾向はありませんか。
・物事を悲観的に考えやすい
・神経が細やかで、小さなことが気になる
・落ち込むと、なかなか気持ちが切り替わらない
・くよくよと同じことを考え込んでしまう
・気分が晴れない状態が長く続いている
・のどがふさがるような感じがある(梅核気・ばいかくき)
・小さな物音にもハッとしやすい
・雨や曇りの日は、とくに気分が重い
いくつか当てはまっても、心配しすぎないでください。体質は「欠点」ではなく、その方の傾向を知るための手がかりです。傾向が分かれば、打つ手も見えてきます。
ただし、こうした特徴は主観で判断が揺れやすいものでもあります。ひとつの項目だけで決めつけず、体全体の状態と合わせて見ていくことが大切です。
■ 滞っているのは、気持ちだけではありません
漢方で「鬱」とは、体の中で何かが動かずに溜まっている状態を指します。
溜まるものは、ひとつではありません。
・気(エネルギー)
・血(栄養)
・痰(体にたまった不要な水分)
・湿(過剰な水分)
・熱(こもった熱)
・食(食べ過ぎたもの)
思いのほか、幅が広いのです。だからこそ漢方では、気分の落ち込みを心だけの問題とは考えません。体の中で起きている変化も、その原因をつくっていると見ます。
裏を返せば、物理的に手を打てるということです。
暴飲暴食や偏った食事は、気と血の不足に直結します。「食べるもので思考も変わる」というのが、漢方の立場です。
■ 今日から始められる、心のための食養生
◆ とりたい食材
【海藻類】
ミネラルは心にとって大切な栄養素です。わかめ、ひじき、めかぶ、のり。汁物に少し足すだけでもかまいません。
【香りのよい野菜】
パセリ、せり、パクチー、春菊、しそ。香りには、滞った気を動かす働きがあると考えます。香りもまた、立派な漢方です。
【バラの香り】
数ある香りの中でも、とくにおすすめしたいのがバラです。ローズのハーブティーで内側から取り入れるのもよいですし、お部屋に一輪飾るだけでも構いません。
◆ 控えたいもの
酸っぱいもの、冷たいもの、生もの。体を冷やし、巡りを鈍らせやすくなります。
◆ 時間の使い方も見直してみましょう
食養生や漢方薬で体を整えることは大切ですが、それ以上に大切なのが、ストレスをため込まない自分なりの工夫を見つけることです。
まずは、ご自身の一日の時間の使い方を眺めてみてください。
・テレビやスマートフォンを見て、つい夜ふかししていませんか
・疲れた夜ほど、お菓子やお酒に手が伸びていませんか
・「自分のための時間」は、一日のどこにありますか
一日は24時間しかありません。できる範囲で生活のリズムと食事の時間を整えていくと、体にも心にも少しずつ余裕が生まれます。
環境を整えれば、気合いで乗り切る必要はなくなります。頑張らなくていい仕組みをつくる。それが、いちばん現実的な対策です。
■ 「心の栄養」は、根性ではありません
心の栄養とは、根性でも気合いでもありません。漢方が大切にするのは、体に入れるものです。
食べるもので、思考も、感じ方も変わっていく。それが漢方の考え方です。
とはいえ、どの食材が自分に合うのか、今の自分はどんな滞り方をしているのか。ご自身だけで見極めるのは難しいものです。
青森市のくすりの厚生会では、お一人おひとりのお話をうかがいながら、体質に合った食養生と漢方薬をご提案しています。「病院に行くほどではないけれど、なんとなくつらい」という段階でのご相談も、どうぞ遠慮なさらないでください。
自分のための時間を、後回しにしないでいただきたいと思います。
────────────────────────────
※気分の落ち込みが2週間以上続いている、眠れない日が続く、日常生活に支障が出ているといった場合は、まず医療機関にご相談ください。漢方は治療に代わるものではなく、体調を整える手立てのひとつとしてお考えいただければと思います。
※持病のある方、お薬を服用中の方は、漢方薬をお使いになる前に必ず専門家にご相談ください。
有限会社くすりの厚生会 岩本益宏
青森県青森市安方1-3-3 カイマビルディング1F(JR青森駅から徒歩1分)
営業時間 10:00~17:00/日曜・祝日 10:00~15:00


