寝ても疲れが取れない40代女性へ。その疲れ、「気」の消耗かもしれません
夕方になると使いものにならない。働く女性の「気」が切れる本当の理由
◆ 15時を過ぎると、別人になる
「午前中は普通に働けるんです。でも、15時を過ぎたあたりから、頭が全然回らなくなって」
先日ご相談にいらした40代の女性が、そうおっしゃいました。事務職で、お子さんが二人。朝5時半に起きてお弁当を作り、フルタイムで働き、帰宅してから夕食、洗い物、翌日の準備。
「夕方の会議で発言を求められても、言葉が出てこないんです。以前はもっとテキパキできていたのに。年のせいでしょうか」
こうしたお話を、私たちは本当によく耳にします。青森市で漢方相談を続けていますが、働く女性のご相談で最も多いのが、この「夕方の失速」です。
そして、ほとんどの方が同じことをおっしゃいます。
「私の頑張りが足りないんでしょうか」
——違います。断言します。
◆ それは、意志ではなくエネルギーの問題です
中医学では、私たちの体を動かすエネルギーを「気(き)」と呼びます。
スマホのバッテリーを思い浮かべてください。充電が100%あるときは、アプリもカメラもサクサク動きます。でも残量が10%になると、動作が重くなり、画面が暗くなり、できることが減っていく。
人の体も、まったく同じです。
朝の時点で気が満タンなら、午後まで持ちます。けれど、そもそも朝の時点で60%しか充電できていなかったら——15時に切れるのは、当然のことなのです。
問題は「夕方に頑張れないこと」ではなく、「朝、満タンになっていないこと」のほうにあります。
◆ 働く女性は、気を消耗する条件がそろっています
中医学では、気が減る原因をいくつも挙げますが、働く女性はそのほとんどに当てはまります。
睡眠不足。気を作り直す時間が足りていません。
考えすぎ・気疲れ。意外に思われますが、中医学では思い悩むことは肉体労働以上に気を消耗すると考えます。段取り、根回し、人間関係の気配り。デスクワークでも、気は確実に減っていきます。
食事の乱れ。気は食べたものから作られます。昼食が5分で済むおにぎり一個では、材料が足りません。
冷え。夏の職場の冷房は、想像以上に体力を奪います。
月経・出産・授乳。女性は、男性にはない形で気と血を大きく使います。
そして何より——自分のことが、いつも最後まわしであること。
これらが3つも4つも重なれば、気が足りなくなるのは自然なことです。あなたが弱いわけではありません。
◆ こんなサインが出ていませんか
気が不足しているとき、体はこんな形で知らせてきます。
・寝ても疲れが取れない、朝起きるのがつらい
・少し動くと息切れする
・声が小さくなった、話すのが億劫
・風邪をひきやすく、治りにくい
・食後に強い眠気が来る
・手足が冷える
・動いていないのに汗をかく
・顔色がさえない
3つ以上当てはまる方は、そろそろ「補う」ことを考えてあげたいタイミングです。
◆ そして、心にも出ます
ここが、いちばんお伝えしたいところです。
気の不足は、体だけでなく心にも現れます。
・些細なことで部下や同僚にきつく当たってしまう
・帰宅して、子どもの話をちゃんと聞いてあげられない
・誘われても「疲れるから」と断ってしまう
・楽しかったはずのことが、楽しく感じられない
そして多くの方が、夜になって自己嫌悪に陥ります。「私、性格が悪くなった」「母親失格だ」と。
でも、中医学の見方はまったく違います。
人にやさしくすること、前向きに考えること、新しいことに挑戦すること。これらはすべて、相当な量の気を必要とする活動です。
バッテリーが残り10%のスマホが余計な機能を止めるように、気が足りない体は「余裕」から先に削っていきます。だからイライラするし、億劫になる。
裏を返せば——気が戻れば、やさしさも前向きさも自然に戻ってきます。
あなたが変わってしまったわけではないのです。
◆ 今日からできる、いちばん小さな一歩
生活を丸ごと変える必要はありません。まず、ひとつだけ。
あたたかいものを、意識して食べてください。
中医学では、気は胃腸で作られると考えます。冷たいものは、その工場の働きを鈍らせます。コンビニの冷えたサラダとアイスコーヒーの昼食を、温かいスープや味噌汁のある食事に変えるだけで、違いを感じる方がいます。
もうひとつ。息を吐くほうを、長く。
鼻から4秒吸って、8秒かけて口から吐く。3回だけ。信号待ちでも、エレベーターの中でもできます。詰まっていた気が動き出す感覚が分かる方も少なくありません。
高価なサプリより、あたたかい味噌汁一杯と深呼吸3回。まずはそこからで、十分です。
◆ 「検査では異常なし」と言われた方へ
病院で調べても数値に出ない。でも、確かにしんどい。
そういう方こそ、一度ご相談ください。数値に表れない不調に向き合うことは、中医学がもっとも得意とするところです。
ただし、ひとつだけお願いがあります。
自己判断でお薬を選ばないでください。
同じ「疲れやすい」でも、気が足りないのか、気が滞っているのか、血が不足しているのか。原因によって、必要なものはまったく違います。合わないものを飲み続けても変化を感じにくいですし、体質によっては別の不調が出ることもあります。
お顔色や舌の状態を拝見し、日々の暮らしをうかがって、はじめて見えてくるものがあります。遠回りに見えて、それがいちばんの近道です。
◆ もっと詳しく知りたい方へ
「気」について——気が減る原因、心への影響、食事や漢方での整え方、そして整った気が「運気」にまでつながっていく話を、当店のブログでさらに詳しくまとめました。
セルフチェックリストや、気を補う食材の一覧も掲載しています。ご自身の状態を知る手がかりとして、ぜひご覧ください。
▼ 記事はこちら
疲れやすい、やる気が出ない。それ「気」が足りないサインかもしれません
https://kusurinokouseikai.com/easily-tired/
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その手に天使を。
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※本コラムは中医学の考え方をご紹介するものであり、特定の疾病の診断・治療を目的とするものではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。漢方薬は医薬品です。ご使用にあたっては専門家にご相談ください。



