オフラインティーチングについて

熊田茂雄

熊田茂雄

テーマ:ロボット

 オフラインティーチング(offline teaching)は、産業用ロボットの動作をオフラインでプログラムする方法です。これにより、実際のロボットを使わずにコンピュータ上で動作をシミュレーションし、プログラムを作成することができます。

オフラインティーチングには、以下のような種類があります。
●種類
・テキスト型: テキストエディタを使って直接プログラムを記述します。
・自動型: CADデータから自動的にプログラムを生成します。
・エミュレータ型: ロボットの動作を※エミュレートするソフトウェアを使用します。
・シミュレータ型: 3Dシミュレーションを使って動作を確認しながらプログラムを作成します。
 ※エミュレート;コンピューターで,他機種のプログラムを,エミュレーターを介して自分のコンピューターで実行すること。

オフラインティーチングには下記のようなメリットがあります。
●メリット
・現場作業の時間短縮: オフラインでプログラムを作成するため、現場での作業時間を大幅に短縮できます。
・問題点の事前発見: ロボットを実際に動かす前にプログラムの問題点を発見できます。
・ロボットの損傷リスク軽減: オフラインでのプログラム作成により、誤操作によるロボットの損傷リスクを減らせます。
・エンジニア育成コストの削減: 専門的なトレーニングを受けなくても、基本的なプログラミング知識があれば対応可能です。

 一方、オフラインティーチングにはいくつかのデメリットがあります。
●デメリット
・実機との微調整が必要:3D CADデータを基にプログラムを作成するため、ソフト上で完成したプログラムも実機に合わせて微調整が必要です。
・技能習得の必要性:3D CAD設計ソフトの取り扱い技能を習得する必要があります。
・現場での調整:プログラム上では完璧に見えても、実際に生産ラインに組み入れた際に微調整が必要になることがあります。
・リアルタイムのフィードバックがない:オフラインでのティーチングでは、リアルタイムのフィードバックが得られないため、現場での調整が必要になることがあります。

 これらのデメリットを考慮しつつ、オフラインティーチングのメリットとバランスを取ることが重要です。

 オフラインティーチングは、効率的で安全なロボットプログラミングの方法として、ますます重要性が増しています。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/offlineteaching

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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