春に眠くなる理由と眠気対策
こんにちは。睡眠障害を専門とする立場から、冬の夜を快適に、そして深く眠るための寝具の整え方についてお話しします。冬は寒さで目が覚めてしまったり、逆に布団を重ねすぎて重苦しさを感じたりと、睡眠の質が低下しやすい季節です。正しい知識で寝具を整え、朝までぐっすり眠れる環境を作りましょう。
◆はじめに
冬の夜、どれだけ着込んでも、あるいは布団を何枚重ねても「なんだか寒くてよく眠れない」と感じたことはありませんか? 実は、冬の快眠のカギは単に温めることではなく、寝床内気象をいかに適切にコントロールするかにあります。
寝床内気象とは、体と寝具の間にできる空間の温度と湿度のことです。理想的な条件は温度33±1℃、湿度50±5%とされています。この絶妙なバランスを保つための、寝具の正しい使い方を解説します。
◆毛布は「上」か「下」か? 素材で見極める
最も多い相談が「毛布を羽毛布団の上にかけるべきか、下(体側)に入れるべきか」という悩みです。答えは、毛布の「素材」によって決まります。
•羽毛布団を使う場合:羽毛は体温を感知して膨らみ、空気の層を作ることで保温性を発揮します。そのため、羽毛布団は直接肌に触れるように使うのが最も効果的です。
•ウールやカシミヤの毛布:これらは吸湿・放湿性に優れているため、羽毛布団の内側(体側)に入れても心地よさを損ないません。
•ポリエステルやアクリルなどの化繊毛布: これらは吸湿性が低いため、体側にいれると蒸れやすく、かえって寝汗による冷えを招くことがあります。このタイプは、羽毛布団の上にかけるのが正解です。蓋をするように一番上に重ねることで、布団の中に溜まった熱を逃がしません。
◆「下からの冷え」を防ぐのが最優先
意外と見落とされがちなのが、背中側の対策です。実は、熱の多くは敷き布団やマットレスを通じて下から逃げていきます。
いくら上に布団を重ねても寒いと感じる場合は、敷きパッドを冬用の保温性が高いものに変えるか、毛布を一枚、背中の下に敷いてみてください。これだけで体感温度は劇的に変わります。特にフローリングに布団を直接敷いている方は、冷気がダイレクトに伝わるため、断熱効果のあるアルミシートや厚手のマットを併用するのがおすすめです。
◆電気毛布の「落とし穴」に注意
手軽に暖を取れる電気毛布ですが、使い方を誤ると睡眠の質を大きく下げてしまいます。人間の体は、深部体温(体の内部の温度)がスムーズに下がることで深い眠りに入ります。
一晩中電気毛布をつけていると、体温が下がらず脳と体が十分に休まりません。また、過度な乾燥は喉や肌を痛める原因にもなります。電気毛布は眠る30分前に布団を温めるために使い、布団に入るときにはスイッチを切るか、タイマーで切れるように設定するのが専門家としてのおすすめです。
◆パジャマと靴下の選び方
「寒いから」と厚手のスウェットを何枚も重ね着するのは避けましょう。寝返りが打ちにくくなり、筋肉に負担がかかって肩こりや疲労感の原因になります。素材は綿やシルクなど、吸湿性の良いものを選び、寒ければ薄手の腹巻きを活用するのが賢い方法です。
また、足を温めようと靴下を履いて眠るのも要注意です。足裏は熱を逃がして体温調節をする重要な場所。靴下で塞いでしまうと熱がこもり、かえって眠りが浅くなることがあります。足が冷たくて眠れない場合は、薄い靴下をはくか、足首までを温めるレッグウォーマーを活用しましょう。
◆おわりに
冬の寝具選びは、単なる防寒ではなく、快適な湿度と温度の維持が目的です。お使いの寝具の素材を確認し、少し工夫するだけで、今夜からの眠りはもっと深く、心地よいものに変わります。明日を元気に過ごすための良質な眠りを、ぜひ寝具の見直しから始めてみてください。
雨晴クリニックでは、冬の睡眠に関するご相談をお受けしています。どうぞお気軽にお尋ねください。



