49.点と点を線に繋ぐ!中小企業のための「デジタルマーケティング年間ロードマップ」の描き方

森和吉

森和吉

テーマ:デジタルマーケティング

はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。

前回(第48回)は、自社を愛してくれるファンを身内にする「コミュニティマーケティング(ファンの集い)」についてお話ししました。規模が小さいからこそ作れる「居心地の良い居場所」を用意することで、他社への乗り換えをゼロにし、LTV(顧客生涯価値)を最大化できるという内容でしたね。

さて、この「マイベスト東京」でのコラム連載も、おかげさまで第49回を迎えました。

これまで、SNS、ホームページの導線、AIの活用、インナーブランディング、仕組み化など、様々な角度から中小企業のデジタルマーケティング(第31回)についてお話ししてきましたが、「やることが多すぎて、一体どこから手を付ければいいのか分からない」と頭を悩ませている経営者様も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、これまでの「点」の知識を1本の「線」に繋ぎ、迷わずに実践するための「年間ロードマップ」の描き方をお伝えします。

デジタルマーケティングは「逆算」で設計する


年間計画を立てる際、多くの経営者様が「まずはインスタを始めよう」「ブログを毎日書こう」と、手前のツール(入り口)から考えてしまいがちです。しかし、これは失敗の元です。

マーケティングの鉄則は、常に「ゴールからの逆算」です。以下の3つのフェーズに分けて、年間スケジュールを組み立ててみてください。

【第1クォーター(1〜3ヶ月目):土台(受け皿)の整備】


まずやるべきは、SNSではなく「ホームページ(HP)」や「公式LINE」の整備です。第38回でお話しした「おもてなしの導線」を作り、ゴールを1つに絞ります。さらに、第39回でお伝えした「顧客アンケート」を実施し、自社の本当の強み(ポジショニング:第40回)と言葉の素材を揃えます。水漏れしているバケツ(穴だらけのHP)に、いくら水を注いでも意味がないからです。

【第2クォーター(4〜6ヶ月目):認知拡大と発信の開始】


受け皿が整ったら、ここで初めて「集客(認知)」に動きます。第37回でお話しした「ショート動画」の作成や、第18回でお伝えした「PREP法を使ったブログ」をスタートさせましょう。すでに第1クォーターでお客様の生の言葉(強み)を抽出しているので、「誰に何を語れば響くのか」で迷うことはありません。経営者自身が「語り部(第26回)」となり、熱量を届けていきます。

【第3クォーター(7〜9ヶ月目):仕組み化と組織への浸透】


発信を続けると、少しずつ新規の問い合わせや成果が出始めます。ここで経営者が忙殺されないために、第43回でお話しした「動画マニュアルを使った仕組み化」や、第42回の「インナーブランディング(理念共有)」に着手します。定型業務をスタッフ(あるいはAI)に任せることで、組織全体の足並みを揃え、会社としての生産性を高めます。

【第4クォーター(10〜12ヶ月目):ファン化とLTVの最大


仕組み化によって生まれた「経営者の時間(第44回)」を使い、既存のお客様との関係性をさらに深めるフェーズです。第47回のエヴァンジェリスト(伝道師)の育成や、第48回の「ファンコミュニティ(お茶会やワークショップ)」を企画・運営します。ここまでの1年間で、新規集客からリピート、紹介が勝手に回り続ける「自社だけの仕組み」が完成します。

一気にやろうとしない。3ヶ月ずつ「1つのテーマ」に集中する


中小企業の経営資源(ヒト・モノ・カネ・時間)は限られています。これらをすべて同時にやろうとすれば、どれも中途半端に終わってしまいます。

大切なのは、「今月は受け皿作りの月」「今クォーターは動画発信の3ヶ月」と、テーマを1つに絞ってリソースを集中させることです。3ヶ月間、1つのことに集中して仕組みを作ってしまえば、それは翌クォーターからは自動的に(あるいはスタッフの手によって)回り続ける「資産」になります。

さいごに


デジタルマーケティングとは、最新の流行ツールを追いかけることではありません。あなたの会社の「想い」と「強み」を、デジタルの力を借りて、必要としているお客様へ一貫性(第41回)を持って届け続ける「仕組み」そのものです。

このロードマップは、決して難しいものではありません。1歩ずつ階段を上るように進めていけば、1年後、あなたの会社は競合他社が逆立ちしても追いつけない、強固なファンに支えられたブランド企業へと生まれ変わっています。

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