40.競合が逆立ちしても真似できない!中小企業のための「独自のポジショニング」の描き方

森和吉

森和吉

テーマ:デジタルマーケティング

はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。

前回(第39回)は、自社の「本当の強み」は経営者の頭の中ではなく、お客様の生の言葉(アンケート)の中にこそ眠っているというお話をしました。3つの質問を使って集めた言葉は、未来の「濃い見込み客」を惹きつける最強の武器になるということでしたね。

さて、自社の本当の強みが見えてきたら、次に取り組むべきは、それを市場の中でどう位置づけるか、つまり「ポジショニング」です。

多くの経営者様が「ライバルが多くて価格競争に巻き込まれてしまう」「相見積もりばかりで利益が残らない」と悩まれていますが、その原因のほとんどは技術や商品の質ではなく、このポジショニングの失敗にあります。今回は、中小企業が大手や競合を出し抜き、独自の立ち位置を築く方法をお伝えします。

「ナンバーワン」ではなく「オンリーワンの狭い市場」を作る


ポジショニングと聞くと、「業界で1位を目指さなければいけないのか」と身構えてしまうかもしれませんが、それは大企業の戦い方です。経営資源(ヒト・モノ・カネ・時間)に限りのある中小企業が目指すべきは、誰もいない「狭い市場でのオンリーワン」です。

例えば、「親切丁寧なリフォーム会社」というポジションを目指しても、すでに市場には星の数ほど競合がいて埋もれてしまいます。

しかし、前回集めたお客様の声から「実はシニア層が、実家の片付けとリフォームを同時に進められなくて困っていた」という事実(一次情報)を掴んだとします。そこで、自社のポジションを「実家の片付けから一括で引き受ける、シニア専門の実家リフォーム会社」と再定義したらどうでしょうか。

「リフォーム」という大きな市場では勝てなくても、「実家の片付け×シニア専門」という狭い掛け算の市場であれば、地域で一気にトップ(オンリーワン)になれる可能性が高まります。

「2つの軸」でライバルがいない場所を見つける


独自のポジションを見つけるために、頭の中で縦軸と横軸の「十字のマップ(ポジショニングマップ)」をイメージしてみてください。

よくやってしまいがちなのが、縦軸を「価格(高い・低い)」、横軸を「品質(良い・悪い)」にしてしまうことです。これでは、大手の低価格戦略や、競合の「うちの方が高品質」という泥沼の言い合いに巻き込まれるだけです。

中小企業が引くべき軸は、もっとお客様の「悩み」や「利用シーン」に寄り添ったものです。

  • 「対応スピード(即日対応←→じっくり丁寧)」
  • 「対象者(初心者向け←→プロ・上級者向け)」
  • 「提供方法(すべてお任せ丸投げ←→一緒に学びながら内製化)」


このように軸を変えてみると、「競合はみんな『プロ向け・丸投げ型』に集まっているけれど、実は『初心者向け・一緒に並走型』の場所がぽっかり空いているぞ」といった、ライバルのいないブルーオーシャン(未開拓の市場)が見えてきます。

デジタル時代だからこそ、「尖る」ほど見つけやすくなる


「市場をそんなに狭めてしまったら、お客様が来なくなってしまうのではないか」と不安になるかもしれません。リアルな看板だけで集客していた一昔前なら、その心配は正解でした。

しかし、今はデジタルマーケティング(第31回)の時代です。日本中、あるいは地域中の人々がスマートフォンで「自分の悩みにピンポイントで応えてくれる会社」を検索しています。

ショート動画(第37回)ホームページ(第38回)で、「私たちは、〇〇で悩んでいる〇〇な方のための専門会社です」と徹底的に尖ったメッセージを発信するからこそ、画面の向こうにいる「たった1人の濃い見込み客」の心に突き刺さり、「これこそ私が探していた会社だ!」と、相見積もりなしで選ばれるようになるのです。

さいごに


ポジショニングとは、「何をやるか」を決めることであると同時に、「何をやらないか」を決めることでもあります。

八方美人のように「誰のどんな悩みでも解決します」と言っている会社は、誰からも選ばれません。「この領域、この悩みに関してだけは、大企業が逆立ちしても自社には勝てない」という狭い土俵を、あなたの手でぜひ作ってください。その土俵の上では、あなたが決めた価格が、お客様にとっての適正価格になります。

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