31.Webマーケティングとデジタルマーケティングの決定的な違い

森和吉

森和吉

テーマ:デジタルマーケティング

はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。

「マイベスト東京」でのコラムもおかげさまで第30回の節目を迎えることができ、多くの経営者の皆様から「Web集客へのアレルギーが薄れた」「自社のサイトを見直すきっかけになった」と温かい反響をいただきました。本当にありがとうございます。

今回からは新章として、さらに深く、そして何より「今まさに現場で集客やホームページ、SNSの運用に頭を悩ませている中小企業の経営者の皆様」の生々しい葛藤に直接お応えする内容で、コラムを継続させていただくことになりました。

「ホームページを作ったけれど、誰も見にこない」
「SNSを始めたけれど、ちっとも伸びないから更新が止まってしまった」
「そもそも、デジタルマーケティングって、一体何から始めればいいの?」

こうした切実な疑問に対し、難しい専門用語は一切使わず、今日からすぐに実践できる等身大のヒントを、泥臭く、しかし温かい「人肌感」を大切にしてお届けしていきます 。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、記念すべき新章の第1回(通算第31回)は、よく聞かれるこの疑問からスタートします。

「Webマーケティングとデジタルマーケティングって、何が違うの?」

世間ではこの2つが同じ意味で使われていることが多いですが、実はここには、あなたの会社の売上を「その場限りのもの」にするか、それとも「持続的に最大化させるか」を分ける、決定的な違いがあるのです。

1.Webマーケティングは「新規獲得」の戦い


結論から申し上げます。2つの違いは、アプローチする「範囲」にあります。

Webマーケティングとは、スマートフォンやパソコンなどを介して顧客と接点を持ち、主に「新規の問い合わせや購入」を獲得して、売上アップを目指す手法です。
対象となるフェーズは、カスタマージャーニーで言うところの「認知・検討・購入」まで 。つまり、まだ自社を知らない人にホームページをアピールし、いかに最初の1回を買ってもらうか、という「入り口」の戦いにフォーカスします。

もちろん、新規のお客様を獲得することはビジネスにとって極めて重要です。しかし、Webマーケティングだけに頼っていると、会社はある「限界」にぶつかることになります。

2.デジタルマーケティングは「ファン化」による売上の最大化


一方で、デジタルマーケティングとは、新規獲得(購入)の施策に加え、「購入してくれた既存顧客へのフォローアップ」までを一貫して行う手法を指します。
アプローチするフェーズは、「認知・検討・購入」の先にある「リピート購入」や「ファン化(ロイヤリティ向上)」までを含みます。

つまり、Webマーケティングが最初の1回を買ってもらうための「点」の施策だとすれば、デジタルマーケティングは、お客様と一生涯にわたって良好な関係を築き、売上を「最大化」させるための「線(全体像)」の戦略なのです。

3.「1:5の法則」が教えてくれる、経営を楽にする方法


なぜ、中小企業の経営者こそWebマーケティングではなく「デジタルマーケティング」の視点を持つべきなのでしょうか。
それは、マーケティング業界に伝わる「1:5の法則」を見れば一目瞭然です。

これは、「新規の顧客を1人獲得するためのコストは、既存の顧客にリピートしてもらうコストの5倍かかる」という法則です。

新規獲得ばかりを追いかける「Webマーケティング」は、常にこの5倍のコストがかかる戦いをし続けなければなりません。広告費を払い続け、新しいアクセスを呼び込み続け、競合との激しい価格競争に巻き込まれる。これでは、どんなに売上が立っても、経営者も現場も疲弊してしまいます。

しかし、デジタルマーケティングの視点を持って、「一度買ってくれたお客様をファンにする仕組み(LTV=顧客生涯価値の向上)」を整えれば、5分の1のコストでリピートや紹介が生まれるようになります。新規獲得を必死に追いかけなくても、既存のお客様が自社の「応援団」となって、新しいお客様を連れてきてくれる好循環が生まれるのです。

4.営業が苦手な私が、5年で1億円を達成できた理由


偉そうなことを言っていますが、私自身、決して器用な人間ではありません。
高校を中退し、ベンチャー企業に入社しても引っ込み思案で半年間誰とも話せなかった過去があります。2019年に50歳で独立して起業したときも、自分を売り込む「営業」が本当に苦手でした。

そんな私の会社「吉和の森」が、契約期間の縛りを一切設けず「いつでも解約していただいて結構です」というスタンスを貫きながら、お客様の更新率ほぼ100%を維持し、5年で年商1億円規模にまで成長できたのはなぜでしょうか。

それは、私自身が「既存のお客様との対話と信頼関係(ファン化)」に、すべてのエネルギーを注いできたからです。新規を追いかける営業活動に時間を割く代わりに、今いるお客様の悩みを24時間以内に解決し、おもてなしの手紙を送り、誠実に向き合い続けました。

これこそが、デジタルマーケティングの本質なのです。

「デジタルマーケティング」と聞くと、何か特別なツールを導入したり、AIを駆使した難しいデータ分析をしなければならないと思われがちです。
しかし、その正体は、私たちが普段の対面商売で最も大切にしている「目の前のお客様を大切にし、長いお付き合いをしていくこと」を、ネットを使って仕組み化することに過ぎません。

集客に悩んでいるのであれば、まずは「新規をどう集めるか」という入り口の戦いから一歩引いて、自社が「既存のお客様とどう繋がっているか」を見つめ直してみてください。

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