20.スタッフブログの真価~新入社員のランチ報告が「成約の決め手」になる理由

森和吉

森和吉

テーマ:デジタルマーケティング

前回は、問い合わせフォームという「最後の1メートル」に潜む不備について、具体的な改善策(EFO)をお話ししました。

ここまでのステップで、SNSで認知を広げ、オウンドメディアで疑問を解消し、フォームも使いやすく整えた。これで完璧のはず—。そう思われるかもしれません。

しかし、見込み顧客が「問い合わせ」や「購入」の送信ボタンを押すまさにその直前、顧客の脳裏には最後の「迷い」が生じます。
「本当にこの会社に任せて大丈夫だろうか?」
「失敗したらどうしよう……」

この、成約の直前に立ちはだかる「心理的な壁」を突破し、最後に選ばれる決め手となるのが、実は今回のテーマである「スタッフブログ」です。

それも、専門的なノウハウが書かれた堅苦しい記事ではなく、新入社員の紹介や、「今日のランチは中華丼でした」といった一見仕事に関係のない日常の発信こそが、驚くほどの威力を発揮します。

1.最後に顧客の背中を押すのは「好意」と「安心感」


多くの経営者やWeb担当者の方は、「ビジネス用のホームページなのだから、役立つ情報や自社の技術力だけを載せるべきだ。個人の日記のような日常の投稿は、会社の信頼を落とすだけだ」と考えがちです。

しかし、これは大きな誤解です。
確かに、専門知識や実績は「検討の土俵に載るため」には必要です。しかし、顧客が複数の競合他社と比較し、最終的に「ここに決めた」と意思決定する瞬間に働くのは、スキルの高さという理屈ではなく、「この人たちにお願いしたい」という感情的な好意です。

人間は、どんなに合理的になろうとしても、最後は「感情」で動く生き物です。スペックが同等、あるいは多少の価格差があっても、中の人の顔が見え、親しみを持てる会社を選びます。

綺麗だが誰が書いているのか分からない無機質なサイト(大手に多いスタイル)に対し、中小企業が勝てる唯一にして最強の武器は、中の人の体温を伝える「人肌感(ひとはだかん)」なのです。

2.「中華丼ランチ」の投稿がもたらす心理的効果


例えば、次のようなスタッフブログのタイトルを並べてみます。

  • 「今日のランチはみんなで中華丼を食べました♪」
  • 「会社の近くの桜が咲いたので、お花見に行きました」
  • 「社員が釣り上げたアジで、アジフライパーティーを開催しました!」
  • 「今年は新入社員が8名入りました! よろしくお願いします」
  • 「会社の近くの桜が咲いたので、お花見に行きました」
  • 「社員が釣り上げたアジで、アジフライパーティーを開催しました!」
  • 「今年は新入社員が8名入りました! よろしくお願いします」


「こんな内容、誰が読むんだ?」と思われるかもしれません。しかし、問い合わせを迷っている顧客がこれらを目にしたとき、無意識のうちに以下のような安心感を抱きます。

  • 「社内の雰囲気がとても良さそうだ」
  • 「これだけスタッフが生き生きと働いているなら、私の対応も丁寧にしてくれるだろう」
  • 「代表者やスタッフの顔が見えるから、騙される心配はなさそうだ」


つまり、日常のささやかな発信を通して、顧客の「失敗したくない」という最大の不安が解消され、代わりに「親親感」と「圧倒的な信頼感」が構築されているのです。

実際、私のコンサルティング現場でも、技術力だけをアピールしていた会社が、社員の日常や人となりがわかるスタッフブログを週に3回更新するように切り替えただけで、サイトへのアクセス数は変わらないにもかかわらず、問い合わせからの成約率が向上した事例があります。

3.「人肌感」を正しく乗せるブログの3つのルール


では、実際にスタッフブログを始めるにあたり、どのような点に注意すればよいのでしょうか。以下の3つのルールを意識してください。

①「100%お仕事」にしない


ブログの目的は「売り込み」ではなく「親近感の醸成」です。技術の解説ばかりでは読者は疲れてしまいます。
業務への真剣なこだわりや最新の事例紹介が「3割」なら、残りの「7割」は社内イベント、ランチの様子、代表の趣味など、人となりが見える日常の話題(箸休め)で構成してください。

②更新頻度は「週3回」を目標にする


毎日更新する必要はありません。しかし、最後の更新が「1年前」で止まっているブログは、かえって「この会社、今は活動していないのではないか」という不安を与え、信頼を削ってしまいます。週に3回程度、コンスタントに新しい日常を届けることが大切です。

③経営者自身の「想い」や「顔写真」を必ず載せる


スタッフブログだけでなく、ホームページには代表者の顔写真と「想い」を飾らない言葉で掲載してください。経営者がどのような理念を持ち、どのような歩みをしてきたのか。そのストーリーに顧客は最も深く共鳴します。

画面の向こう側にいるのも「人間」である


デジタルマーケティングが進み、AIやシステムによる自動化がどれほど便利になったとしても、その画面の向こう側で画面を見つめ、お金を払う決断をするのは、感情を持った「血の通った人間」です。

正式な契約を交わす前に、相手が信頼に足るパートナーかどうかを見極めたいと願うのはごく自然なことです。

効率化やスペックの勝負では、大企業の資本力に敵いません。
だからこそ、あなたの会社にしかない「温かみのある体温(人肌感)」を、スタッフブログという形にして誠実に届けてみてください。その飾らない等身大の発信こそが、他社には決して真似できない、あなたの会社を支える強力なファン作りの土台になっていくのです。

リンクをコピーしました

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

HP・SNS運用で集客を支援するITコンサルタント

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ東京
  3. 東京のビジネス
  4. 東京のWEBマーケティング
  5. 森和吉
  6. コラム一覧
  7. 20.スタッフブログの真価~新入社員のランチ報告が「成約の決め手」になる理由

森和吉プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼