39.自社の「本当の強み」は、経営者の頭の中ではなく「お客様の言葉」にある

森和吉

森和吉

テーマ:デジタルマーケティング

はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。

前回(第38回)は、動画やSNSからホームページ(HP)にやってきたお客様を迷わせずに「初回相談」や「購入」へ導くための、おもてなしの導線設計についてお話ししました。入り口からゴールまでを1本に絞り、LINEなどを活用して心理的ハードルを下げる工夫が大切だという内容でしたね。

このようにして導線が整い、新しくお客様とのご縁が生まれたら、次に経営者が絶対にやるべきことがあります。それが、今回お話しする「顧客アンケートの実施と、そこからの強みの抽出」です。

実は、中小企業がビジネスをスケールさせるための最大のヒントは、経営者の頭の中ではなく、すでに買ってくれたお客様の言葉の中に眠っています。

経営者が思う強みと、お客様が感じる価値の「ズレ」


「御社の強みは何ですか?」と中小企業の経営者様に尋ねると、多くの場合はこう返ってきます。
「独自の技術力がある」「創業50年の信頼がある」「どこよりも高品質な素材を使っている」─。

もちろん、それらは素晴らしい強みです。しかし、非常に多くの場合、「経営者が自負している強み」と「お客様がお金を払ってでも欲しかった価値」の間に、大きなズレ(ギャップ)が生じているのです。

例えば、ある町工場では「最新の設備による0.01ミリ単位の精密加工」をアピールしていました。しかし、実際にお客様にアンケートを取ってみたところ、選ばれた本当の理由は「他社が嫌がるような、図面のない試作品の相談に、社長がいつも嫌な顔をせず親身に乗ってくれたから」でした。

お客様が求めていたのは、高度な技術そのものよりも、不安を解消してくれる「相談しやすさ(人肌感)」だったのです。このズレに気づかないまま、技術力ばかりをHPや動画(第37回)でアピールし続けても、本当に狙いたいお客様には響きません。

形骸化したアンケートを「宝の山」に変える質問法


「うちもアンケートは取っているけれど、満足・普通・不満のチェックボックスばかりで役に立っていない」という声をよく聞きます。そうした形骸化したアンケートは、今すぐやめましょう。

自社の本当の強みを引き出すために、お客様にぶつけるべき質問は、次の3つだけで十分です。

①「当社のサービス(商品)を体験する前、どんなことで悩んでいましたか?」
(=ターゲットのリアルな「不」や「痛み」が分かります)

②「数ある会社(商品)の中で、なぜ当社を選んでくれたのですか?」
(=競合との差別化ポイント、お客様から見た自社の本当の強みが分かります)

③「実際に利用してみて、一番良かった(嬉しかった)変化は何ですか?」
(=自社が提供できている本当の価値、ベネフィットが分かります)

この3つの質問から返ってきた「生の言葉」こそが、AI(生成AI)には絶対に真似できない、あなたの会社だけの「一次情報(第26回)」であり、最強のマーケティング素材になります。

お客様の言葉を、そのまま次の集客の「武器」にする


アンケートで集まった「生の言葉」は、ただ眺めて満足するものではありません。
「なぜ当社を選んでくれたのか?」というお客様の回答を、そのままホームページのキャッチコピーや、ショート動画で語るテーマのタイトル(第37回)に採用するのです。

なぜなら、既存のお客様が感じてくれた魅力は、これから出会う未来の「濃い見込み客」にとっても、最も知りたい情報だからです。自社の言葉でいくら「うちは凄いです」と言うよりも、「〇〇に悩んでいた時、こちらの社長が親身になってくれた」というお客様の声(レビュー)の方が、何倍も説得力があります。

さいごに


経営を続けていると、自社のことは毎日見ているがゆえに、かえって「当たり前」になってしまい、本当の魅力が見えなくなることがあります。

自社の「本当の強み」は、自分たちでひねり出すものではなく、お客様に見つけてもらうものです。ぜひ、直近でお取引のあったお客様に、先ほどの3つの質問を投げかけてみてください。きっと、あなた自身も気づいていなかった、会社の輝くような「宝物(強み)」が見つかるはずです。

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