35.デジタル導入がもたらすもう一つの副産物~なぜ「人材採用」まで一気に解決するのか?
はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。
前回(第63回)は、ホームページの最後にある「お問い合わせボタン」の文字についてお話ししました。「お問い合わせ」という曖昧な言葉をやめ、「30分の無料相談を予約する」といった次の行動が100%イメージできる具体的な動詞に変えるだけで、成約率が劇的に跳ね上がるという内容でしたね。
さて、ボタンの文字を工夫し、お客様が意を決してボタンをクリックしてくれたとします。その直後、お客様のメールボックスに一番最初に届くのが「自動返信メール」です。
実は、多くの中小企業がこの自動返信メールをシステム初期設定のまま、「※本メールはシステムによる自動配信です。ご返信いただけません」という冷たい文面のままで放置しています。
これは非常に大きな機会損失です。お客様が問い合わせをした瞬間というのは、自社に対する興味や熱量が人生で最も高まっている「最高温度」の状態です。そこで冷たいロボットのようなメールが届くと、お客様の胸のときめきはスーッと冷めてしまいます。今回は、この自動返信メールに命を吹き込み、出会った瞬間にファンにするための文章術をお伝えします。
冷たい事務処理メールを「おもてなしの手紙」に変える
一般的な自動返信メールは、次のような構成になっています。
「お問い合わせを受け付けました。担当者より連絡いたしますのでしばらくお待ちください。以下、送信内容です……」
これでは単なる「データ受信の確認通知」です。ここに、私たち中小企業の強みである「人肌感」を大爆発させるのです。自動返信メールの冒頭を、例えばこのように書き換えてみてください。
「はじめまして!株式会社〇〇の代表の〇〇です。
数ある会社の中から、勇気を出して私たちにお問い合わせをいただき、本当に、本当にありがとうございます。
今、お送りいただいた内容をしっかりと拝見いたしました。〇〇様が抱えられている『〇〇というお悩み』を読み、何としてでも私たちの力でお役に立ちたいと、スタッフ一同、身が引き締まる思いです」
いかがでしょうか。
「自動で送られてきているのは分かっているけれど、なんだか温かい会社だな」「社長がちゃんと自分のメッセージを読んでくれそうだ」と感じていただけますよね。画面越しの「おもてなし」は、この瞬間からすでに始まっているのです。
お客様を不安にさせない「タイムスケジュールの可視化」
お客様が問い合わせた後に抱く最大の不安は、「いつ、どんな形で連絡が来るのだろう?」ということです。返信を待っている時間は、お客様にとってストレスです。
そこで、自動返信メールの中で、次のステップとタイムスケジュールを完全に可視化してあげてください。
「これからの流れについてご案内いたします。
本日中に私、あるいは担当の〇〇(私の頼れる右腕です!)の個人のメールアドレスから、具体的なお打ち合わせ日程のご提案をお送りいたします。
もし、明日の夕方17時を過ぎても私たちからの連絡が届かない場合は、大変お手数ですが、システムエラーの可能性がございますので、下記の社長直通ダイヤルまで『メールが来ないんだけど』とお気軽にお電話ください」
ここまで書いてあれば、お客様は「あ、今日の夕方か明日には連絡が来るんだな」「もし来なくても電話すればいいんだ」と、100%の安心感を持って待つことができます。
あえて「返信してください」と伝える裏ワザ
多くの自動返信メールには「※このメールには返信できません」と書いてありますが、これをあえて「このメールは私(社長)に直接届きますので、もし書き忘れたことや、言い残したことがあれば、このままこのメールに返信して教えてください!」という設定に変えておくのです。
すると、熱量の高いお客様からは「実は、ホームページには書ききれなかったのですが、本当は〇〇の件でも悩んでいまして……」と、さらに深い本音や相談が返信されてくることがよくあります。商談が始まる前に、すでに深い信頼関係(ラポール)が築けてしまうのです。
今回の実践ポイント
- 自社のホームページからテスト送信し、どんな自動返信メールが届くか確認する
- 「システムによる自動配信です」を廃止し、経営者の言葉で温かい感謝を伝える
- 次に「いつ」「誰から」「どんな連絡」が行くのかを秒単位で可視化する
自動返信メールは、24時間365日、あなたに代わってお客様を一番最初に出迎えてくれる「劇場の受付嬢」であり「最初の営業マン」です。ぜひ、今日のうちに世界一温かいおもてなしのメッセージに書き換えてみてください。


