【風俗トラブル】系列店からも連絡が来た|店同士の情報共有と請求の関係
以前から利用していたデリヘル店の予約を当日キャンセルしたことをきっかけに、過去の本番行為が「不同意性交」にあたるとして、キャンセル料と慰謝料をあわせて100万円を超える金銭を請求されたご相談です。ご依頼者は店舗のルールに反する行為があったことは認めていましたが、キャストの同意なく行為に及んだことはないという認識でした。弁護士が不同意の点を認めない方針で交渉を続け、金銭を支払うことなく請求が止まるまでの経緯をご紹介します。
※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。ご依頼者のプライバシー保護のため、事実関係の一部を変更しています。
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ご相談者 | 関東地方在住の男性 |
| ご相談の内容 | デリヘル店から、過去の本番行為が「不同意性交」にあたるとして、キャンセル料と複数のキャストへの慰謝料あわせて100万円超を請求された |
| 相手方の主張 | 「すべて認めて謝罪しなければ示談しない」「応じなければ警察に申告する」 |
| 弁護士の対応 | 本番行為は認めつつ不同意の点は否認、本人への直接連絡に対する申し入れ、刑事手続を想定した準備 |
| 結果 | 支払い0円で請求が止まり、受任から約3か月で終結 |
ご相談までの経緯
ご依頼者は、以前から利用していたデリヘル店の予約を当日になってキャンセルしました。店舗側はこれに強く反発し、過去の利用時に店舗が禁止している本番行為があったとして、キャンセル料に加え、複数のキャストに対する「不同意性交」の慰謝料として、合計100万円を超える金銭を請求してきました。
ご依頼者は、店舗のルールに反する行為をしたこと自体は認めており、店舗やキャストに迷惑をかけた点については電話で謝罪していました。ただ、ご依頼者によれば、キャストの同意を得ずに行為に及んだことは一度もないとのことでした。それでも店舗側は「すべて認めて謝罪してほしい」と求め、応じなければ警察に被害を申告するという姿勢を変えませんでした。
請求額の大きさに加え、「不同意性交」という言葉を向けられたことで、ご依頼者は大きな不安を抱えていました。ご自身での対応は難しいと考え、当事務所にご依頼いただきました。
弁護士の対応と交渉の経緯
受任当日に代理人として窓口を一本化
受任当日、弁護士は店舗の責任者に電話し、今後は当事務所がご依頼者の代理人として窓口になることを伝えました。あわせて、ご依頼者は本番行為があったことは認めているものの、同意のない行為だったとは考えていないこと、100万円を超える請求には応じられないことをはっきり伝えました。そのうえで、店舗やキャストに迷惑をかけた点については、一定の解決金で合意することを提案しました。
「不同意を認めて謝罪」の要求には応じない
店舗側は、請求の対象となるキャストの人数が当初の説明より多いと主張し、その後の交渉でも「不同意性交罪を認めて謝罪しなければ合意はできない」「証拠はそろっているので警察に対応をお願いする」といった主張を繰り返しました。
弁護士は、ご依頼者の認識と異なる事実を認めることはできないと判断し、不同意の点については一貫して認めない姿勢を保ちました。金額の調整と引き換えに、事実と異なる内容を認めることはしないという方針です。
並行して、万が一刑事手続に進んだ場合に備え、店舗やキャストに関する公開情報を保存するとともに、公的機関への情報開示請求を行いました。ご依頼者には、警察から連絡があった場合は記憶のとおりに一貫した説明をするよう助言しています。
本人への直接連絡には書面での請求を求めて申し入れ
その後、店舗の責任者が別の電話番号からご依頼者に直接電話をかけ、「キャンセル料は民事なので直接話したい」「示談が成立しなかったので警察に話した」と伝える出来事がありました。弁護士は翌日に責任者へ電話し、代理人を通さずにご依頼者本人へ連絡しないよう改めて申し入れたうえで、請求があるのであれば当事務所宛てに書面で行うよう求めました。
この申し入れ以降、店舗側からの請求や連絡はなくなりました。
解決結果と対応のポイント
受任から約3か月が経過した時点で、ご依頼者が金銭を支払うことなく本件は終結しました。解決内容は次のとおりです。
- 100万円を超える請求に対し、支払い0円で終結しました。
- 「不同意性交」を認める謝罪をしないまま、請求が止まりました。
- 弁護士からの申し入れにより、店舗からご依頼者本人への直接の連絡がなくなりました。
- 公開情報の保存や情報開示請求を行い、万が一の刑事手続にも備えました。
- 受任から約3か月で終結しました。
「本番行為」と「不同意性交」は分けて考える
前提として、店舗のルールに反する行為は控えるべきものです。本件でも、ご依頼者の行為が店舗やキャストに迷惑をかけたことは事実であり、ご依頼者はその点について謝罪しています。
一方で、本番行為があったことと、それが不同意性交等罪にあたるかどうかは、法的には別の問題です。不同意性交等罪は、同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態での性交等を処罰の対象とするものです(刑法177条)。同意のうえで行われた行為であれば、店舗のルール違反にはあたっても、それだけで犯罪が成立するわけではありません。
店舗側から「本番行為を認めたのだから不同意も認めるべきだ」と、二つを一体のものとして認めるよう求められることがあります。ここで求められるままに「すべて認めて謝罪」すると、その言動が不同意を認めた証拠として扱われ、刑事手続や民事上の請求で不利に働くおそれがあります。本件では、ご依頼者の認識と異なる事実を認めないという方針を保ったことが、支払い0円という結果につながりました。
「警察に話した」という言葉への向き合い方
「証拠はそろっている」「警察に話した」といった言葉は、交渉を有利に進める目的で使われることもあります。弁護士が代理人になれば、こうした言葉に振り回されずに対応を判断できるほか、警察から連絡があった場合にも、弁護士から事情を説明できることがあります。
同種のご相談をお考えの方へ
店舗側から「認めて謝罪しなければ示談しない」と迫られている状況で、ご本人だけで交渉を続けると、意図しない形で事実を認めてしまうことがあります。相手方に回答する前に、まずは弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
弁護士法人若井綜合法律事務所では、風俗店とのトラブルに関するご相談を池袋と新橋の事務所でお受けしています。デリヘルでの本番行為をめぐって不同意性交を主張され、示談や謝罪を求められている方は、お早めにご相談ください。


