【男女トラブル】恋人の資格取得や学費を援助していたら、返してもらえる?
マッチングアプリで知り合った相手に送ってしまった性的な動画を材料に、「お金を送らなければ知人に送り付ける」と告げられたご依頼者の事例です。相談の翌日に弁護士が警告書を送付し、金銭を支払うことなく要求が止まるまでの経緯をご紹介します。
※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。ご依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ご相談者 | 20代の方(九州地方在住) |
| 相手方 | マッチングアプリで知り合った人物(氏名以外の情報はほとんど不明) |
| ご相談内容 | ご依頼者が送った性的な動画を材料に、金銭を送らなければSNSで知人に送り付けると告げられた |
| 弁護士の対応 | 相談当日に受任し、翌日に警告書を作成。ご依頼者のアカウントを通じて相手方に送付 |
| 結果 | 金銭の支払いなしで要求が止まり、相談から約1か月で終結 |
ご相談までの経緯
送ってしまった動画が金銭要求の材料に
ご依頼者は、マッチングアプリで知り合った相手とメッセージのやり取りを重ねるなかで、その場の流れで自身の性的な動画を送ってしまいました。
その後、相手方はこの動画を材料に金銭を求めるようになり、お金を送らなければ動画をSNS上でご依頼者の知人に送り付けると告げてきました。相手方にはご依頼者の氏名、住所、SNSアカウントが知られており、やり取りはSNSのダイレクトメッセージとメッセージアプリで続いていました。
深夜のお問い合わせから、その日のうちに電話相談へ
ご依頼者はすでにマッチングアプリを削除しており、アプリ上のやり取りの記録は残っていませんでした。動画が知人に広まることへの不安から、深夜に当事務所の問い合わせフォームへご連絡をいただきました。休日でしたが、その日のうちに弁護士が電話でご相談をお受けしています。
弁護士の対応と交渉の経緯
相談当日の受任と、警告書の送付方法の検討
弁護士は電話でのご相談で、相手方との関係、送ってしまった動画の内容、相手方に知られている情報、連絡手段などを確認しました。相手方については氏名以外の情報が乏しく、住所や電話番号も分かりませんでした。
一方で、ご依頼者のアカウントから相手方へメッセージを送ることはできる状態でした。そこで、弁護士が警告書を作成し、ご依頼者のアカウントを通じて相手方に届けるという方針を立て、ご相談当日に受任しました。
警告書に記載した内容
翌日、弁護士は警告書を作成しました。主な記載内容は次のとおりです。
- 当事務所がご依頼者の代理人に就任したこと。
- 動画を広めると告げて金銭を求める行為は、脅迫罪(刑法222条)や恐喝罪(同法249条)等に該当し得ること。
- 動画の削除と、拡散をしないこと。
- 今後、ご依頼者本人への連絡を控えること。
- 応じない場合は、刑事告訴を含む法的手続を検討すること。
ご依頼者に内容を確認していただいたうえで、同日中に相手方へ送付しました。
相手方の返信には、記録を残したうえでブロック
警告書は相手方に既読となり、相手方からは「自分も弁護士を付ける」という趣旨の返信がありました。弁護士は、このやり取りのスクリーンショットを保存したうえで相手方をブロックするよう、ご依頼者に助言しました。あわせて、警察への相談も選択肢になること、今後何か動きがあれば随時連絡してほしいことをお伝えしています。
その後、相手方からご依頼者への連絡や動画の拡散は確認されず、約1か月が経過した時点で終結となりました。ご依頼者が相手方に支払った金銭はありません。
解決結果と対応のポイント
解決内容
本件の解決内容は次のとおりです。
- 金銭の要求に対し、支払いなしで終結。
- 相談当日に受任し、翌日に警告書を送付。
- 警告書の送付後、相手方からの連絡や動画の拡散は確認されていない。
- ご依頼者本人が相手方とやり取りを続ける必要がなくなった。
- 相談から約1か月で終結。
支払いが解決につながるとは限らない
前提として、知り合って間もない相手に性的な動画や画像を送ることは、相手を信頼していたとしても控えていただくのが望ましいといえます。一度送った動画は相手の手元に残り、本件のように金銭要求の材料として使われるおそれがあるためです。
性的な画像や動画を材料に「広める」と告げて金銭を求める行為は、いわゆるセクストーション(性的脅迫)と呼ばれ、脅迫罪や恐喝罪に該当し得る行為です。金銭を受け取っていない段階でも、恐喝未遂(同法250条)が問題となる場合があります。要求に応じて一度支払うと、「求めれば払う相手」と受け止められ、要求が繰り返されるおそれがあります。支払いによって問題が終わるとは限らない点は、知っておいていただきたいところです。
相手方の反応に返信しないことも大切
弁護士が代理人として法的手続の可能性を示すと、刑事事件となるリスクを考えて要求を取りやめる相手方も少なくありません。本件でも、相手方は強い調子の返信をしてきましたが、助言どおり記録を残してブロックしたところ、それ以上の接触はありませんでした。相手方の反応に動揺して返信すると、やり取りが再開し、要求が続くきっかけになることがあります。もっとも、相手方の対応は事案ごとに異なり、すべてのケースで同じ結果になるとは限りません。
また、本件では相手方の氏名以外の情報がほとんどなく、郵送での通知は難しい状況でしたが、ご依頼者のアカウントから警告書を送る方法で対応できました。相手方の連絡先が分からない場合でも、対応の方法を検討できる余地があります。
同種のご相談をお考えの方へ
弁護士法人若井綜合法律事務所では、男女間のトラブルに関するご相談を池袋と新橋の事務所でお受けしています。本件のように、遠方にお住まいの方から電話でご相談をお受けした例もあります。
マッチングアプリやSNSで知り合った相手から、送ってしまった画像や動画を材料に金銭を求められている方、「広める」と言われて不安を感じている方は、お金を支払う前に、まずは当事務所にご相談ください。


