【不貞慰謝料】配偶者がすでに支払っている場合|二重取りにならない仕組み
交際関係の解消を伝えたところ、相手方から関係の継続を強く求められ、身の安全に関わる言動もあったことから、弁護士が代理人として間に入り、直接の話し合いの機会を設けたうえで合意に至った事案をご紹介します。
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 依頼者 | Aさん(男性・50代) |
| 相手方 | Bさん(女性) |
| トラブルの内容 | 数年にわたる不倫関係の解消をめぐり、相手方から関係の継続を求められた事案 |
| 弁護士の対応 | 受任通知の送付、相手方との交渉、直接面談の設定、合意書の作成 |
| 解決内容 | 双方の言い分を踏まえた面談を経て、解決金の支払いと接触禁止等を内容とする合意書を取り交わして終了 |
ご依頼に至るまでの経緯
Aさんは、同窓会をきっかけに数十年ぶりに再会したBさんと、数年間にわたって交際関係にありました。Aさん、Bさんともに既婚者で、それぞれに子どもがいました。Aさんは家族と同居していましたが、Bさんは配偶者と別居しており、精神的に不安定な状態が続いていたようです。
Aさんは交際期間中、何度か関係の解消を申し入れていましたが、その都度Bさんが感情的になり、落ち着いて話し合うことが難しい状態でした。
ある時、Aさんが改めて関係の解消と今後の連絡を控えたい旨を伝えたところ、Bさんは家族に事実を伝えると迫るとともに、身の安全に関わるような言動も口にするようになりました。ご自身やご家族に何か起きるのではないかという不安を抱えたAさんは、弊所にご相談にいらっしゃいました。
弁護士の対応と解決への流れ
Aさんから、これまでの経緯を時系列で丁寧に伺いました。交際期間中、Bさんの配偶者との関係が悪化するのに伴い、Aさんへの依存が強まっていったこと、金銭の貸し借りはないものの、デート代をBさんに負担してもらったことがある点などを確認しました。
Aさんの意向は、家族への影響を避けたいこと、デート代として負担してもらった分は返金する意思があること、当事者間の話し合いでは進展が見込めないため第三者を交えて関係を整理したいことでした。ご本人での対応は難しいと判断し、弊所で対応を引き取ることになりました。
受任後、速やかにBさんへ連絡し、弊所が代理人に就任したこと、今後はAさんやご家族を含む関係先への直接の連絡を控えていただくよう伝えました。Bさんは当初は落ち着いて話を聞いていたものの、途中から感情的になり、Aさんと直接話をさせてほしいとの要望が強く示されました。
弊所からは、突然の連絡で戸惑わせてしまった点があったかもしれないこと、既にAさんから依頼を受けて代理人となっている以上、直接のやり取りは難しいこと、過去の言動を踏まえて弊所が窓口となっていることを説明しました。そのうえで、Bさんの意向は確認のうえAさんに伝える旨を伝えました。
Bさんからは、Aさんに会いたいこと、貸したお金を返してほしいこと、性的な行為や画像を求められたためそれに対する対応をしたという趣旨の話がありました。Aさんに確認したところ、金銭の貸し借りはないという認識であるものの、早期解決のためデート代相当分は支払う意向があること、強要した事実はないもののBさんが不快に感じたのであれば謝意を伝えたい意向があることが分かりました。
Bさんに伝えたところ、直接会って謝罪を受けなければ納得できないとのことでしたので、Aさんの意向も確認したうえで、面談は1回・1時間、場所は弊所の会議室とすることを提案し、Bさんも応じました。
当日、Bさんは付添人2名を伴って来所されました。事前に身分の確認を行い、面談時間は1時間である旨を説明したうえで面談を実施しました。面談中、Bさんは感情的になる場面もあり、付添人が間に入る場面もありました。最終的に、AさんがBさんのもとを離れて家族のもとに戻るという事実そのものへの納得は得られないまま、1時間が経過し面談は終了しました。
その後、Bさんご本人での対応が難しいとのことで、付添人の一人が窓口となりました。デート代の金額や内訳を提示してもらい、内容を確認したうえで、解決金の支払い、相互に連絡を取り合わないこと、本件を第三者に口外しないことなどを盛り込んだ合意書を取り交わし、解決金の支払いをもって終了しました。
解決結果と弁護士のコメント
不倫関係の解消をめぐっては、トラブルに発展することが少なくありません。金銭の貸し借りなど法的に整理すべき事情がある場合もありますが、感情面から生じる問題も多く見られます。
とりわけダブル不倫のケースで、一方の婚姻関係が既に破綻ないし解消に近い状態にある場合には、相手方が関係の解消に納得できず、関係の継続を求めたり、配偶者との離婚を迫ったりすることがあります。
自分の気持ちを伝えるだけであれば大きな問題にはなりにくいものの、実際には、家族や職場に事実を伝えると圧力をかけられたり、本件のように身の安全に関わるような言動が出たりするケースも見られます。
相手方からの圧力に押され、その場しのぎの態度を示すことは避けるべきです。関係を継続する意思がないのであれば、その旨を伝えるほかありません。家族や職場に連絡が及ぶ可能性も踏まえたうえで、腹を決める必要が出てくる場合もあります。放置したり、曖昧な対応を重ねたりすることで乗り切るのは難しいケースが多いと考えていただいた方がよいでしょう。
弊所では、不倫関係に限らず、交際関係を解消する場面に数多く関わってまいりました。法的に整理すべき金銭関係がなければ、弁護士が窓口となり、法的な請求があれば応じるが、なければそれ以上の対応はできない旨を伝えれば足りる場合もあります。
もっとも、そうした一方的な対応だけでは、相手方の感情を解きほぐすことは難しく、将来、何らかの形で紛争が再燃する可能性も否定できません。そのため弊所では、相手方を一方的に遮断するのではなく、可能な範囲で言い分を伺うよう努めています。依頼者の認識を第一としながらも、同じ事実を別の角度から見ている相手方がいることにも配慮し、根本的な解決につながる道筋を探るようにしております。当事者の感情が解決に大きく影響する男女トラブルにおいては、こうした姿勢が特に重要になると考えております。
同種のトラブルでお悩みの方へ
- 交際関係の解消を伝えたところ、相手方が感情的になり話し合いが進まない
- 関係の解消をめぐり、家族や職場への連絡を仄めかされている
- 相手方から身の安全に関わるような言動があり、不安を感じている
- 金銭の貸し借りやデート代の負担について、どう整理すべきか分からない
- 当事者同士での話し合いに限界を感じている
同種のお悩みをお持ちの方は、お一人で抱え込まず、早めに弁護士へご相談ください。


